アン・クォート氏 インタビュー

NOMURA野村證券ミュージカルシアター JR東日本四季劇場[春]で開幕するディズニー最新ミュージカル『アナと雪の女王』。

アニメーション映画がディズニー史に残る大ヒットとなった名作の舞台化に、プロデューサーのアン・クォートさんは、どんな思いを込めたのか?全編に散らばる見どころとともに語りました。

まず最初にアニメーションが歴史的ヒットとなり、どのような形で舞台化が進んだのでしょう?

実は、映画の公開前からすでに舞台化の構想があったのです。映画が公開される前に、ディズニー・シアトリカル・グループのトーマス・シューマーカーに「この作品は非常にミュージカル的で素晴らしい。舞台になりえるので、ぜひ見てほしい」と電話がかかってきました。彼は映画を見て、「そのとおりだ!」と。

この作品の特徴は、主人公が二人のヒロインであること。自立した女性が互いに犠牲を払いつつ支え合い、困難を乗り越え、成長していく。とても現代的なストーリーとドラマティックな音楽が絡み合っています。

そこに舞台ならではの魅力を付け加えるため、どのような努力を払われましたか?

まず第一に、大人の観客が見ても、感動を呼び起こす作品にすることです。そのためにシェイクスピアからも大きなインスピレーションをもらいました。
キャラクターと脚本を掘り下げ、舞台芸術としての完成度を追求しました。アナとエルサの二人のヒロインも、映画よりもう少し大人の女性としての印象を受けると思います。

この作品に欠かせないのが、日本でも大ヒットした「Let It Go」。
舞台で聴くのを心待ちにしているファンがたくさんいます。

「Let It Go」はエルサが孤独や悩みを抱えながらも、自分の足で歩む「人生の旅」を歌い上げるナンバー。最大限のクリエイティビティを注ぎ込みました。最新のプロジェクションマッピングによる魔力の表現はもちろん、俳優と音楽とライティングのすべてが一体となって初めて魔法が生まれる。とても長い時間と手間を掛けましたし、公演でも毎回入念なリハーサルは欠かせません。

アンさんはじめクリエイティブ・チームがそこまで思いを込めた作品ですから、演じる俳優にも大きな期待が寄せられます。
それぞれのキャラクターを演じる俳優に求めるものは何ですか?

エルサには「Let It Go」と「Monster」という二つのビッグナンバーがあります。一方、アナは全編通じてずっと歌っている。二人とも、パワフルな歌唱力は必須です。

その上で、エルサは孤独がもたらす冷たさと内に秘めたあたたかさを表現する力。
アナはエネルギッシュでありながら脆さもあり、ころころと表情を変えるコメディエンヌとしての資質が求められます。

いまから開幕が待ち遠しいです。
ディズニーと劇団四季の提携ミュージカル第7弾となる作品ですね。

劇団四季とのお付き合いは今年で25周年。「一緒に作り上げてきた」という歴史があり、とても光栄に思っています。劇団四季のスタッフや俳優の方々に、尊敬の念を抱いていますし、本当にいい作品ができるカンパニーです。今回もいい仕事をしてくださることを楽しみにしています。

撮影:荒井 健