劇団四季

エビータ

2019年6月開幕

2019年7月21日(日)開幕

2019年8月25日(日)スタート

Introduction

1952年、南米アルゼンチン。
民衆からエビータの愛称で親しみを込めて呼ばれ、聖女として崇められた一人の女性が逝った。彼女の名は、エバ・ペロン。

アルゼンチンの片田舎に私生児として生まれた一人の少女エバ。彼女が大統領夫人となり、33歳でその生涯を終えるまでの一生を描いた『エビータ』は、アンドリュー・ロイド=ウェバーの最高傑作と言われています。

『ジーザス・クライスト=スーパースター』で衝撃的デビューを飾ったティム・ライスとアンドリュー・ロイド=ウェバー。現在では、世界のミュージカル界をリードする“巨匠”となった二人ですが、その共同作業が最も豊かに実を結び、大きな成果となった作品が『エビータ』なのです。

『エビータ』は、『ジーザス・クライスト=スーパースター』と同様、まずレコードの形で世に出され、特に「アルゼンチンよ 泣かないで(DON'T CRY FOR ME ARGENTINA)」は、瞬く間にヨーロッパ中で大ヒットとなりました。
こうしたレコードでの大成功を背景に1978年、ロンドン公演がオープン、大ヒットミュージカルとなりました。ニューヨークでは79年に開幕、80年のトニー賞では最優秀ミュージカル作品賞を含む7部門で独占受賞を果たしました。

劇団四季での初演は1982年。ロイド=ウェバーが紡ぎだす多彩な音楽と重層的なテーマを併せ持つ『エビータ』への新しいアプローチは、劇団四季にとって魅力ある試みとなりました。

アルゼンチンの貧困と社会の歪みが生み出したエビータという偶像に視点を置いた、ハロルド・プリンスの手によるドライな演出のオリジナル版。
演出家 浅利慶太は、それを独自の視点で魅力的な奥行きのあるものへと咀嚼し、一人の女性の人生という視点から描ききりました。ロイド=ウェバーの最高傑作を、演出、装置、衣裳、振付に至るまで磨き上げた本作は、『エビータ』の決定版と言えます。

Story

1952年7月、大統領夫人エバ・ペロン死去。享年33歳。
厳かに運び込まれる彼女の棺。

エバの国葬が行なわれている。国民は希望を失い、悲嘆に暮れている。
その傍らには、この狂乱を冷ややかに眺めているチェの姿があった。
チェは思っていた。
エビータと呼ばれ愛されたエバ・ペロンは、祖国アルゼンチンと、民衆の期待を裏切って、自分ひとりが栄華をほしいままにして、今、世を去ったと。

エビータは、1919年5月7日、ブエノスアイレスから150マイルほど離れた、パンパ(アルゼンチン地方特有の草原地帯)の寒村に生まれ、エバ・マリア・ドゥアルテと名づけられた。私生児だった。

1926年、幼い頃から貧困とその惨めさを嫌というほど味わってきたエバ。貧しさゆえ、私生児ゆえに蔑まれた経験は、彼女の中で中流階級への敵意となって根付いていった。
富と名声に憧れ、首都ブエノスアイレスに思いを馳せるひとりの少女が、そこにいた。

1934年エバ15歳。生まれ故郷のナイトクラブで知り合ったタンゴ歌手、マガルディと共に、都会ブエノスアイレスに出て来た。野心を抱いたエバは、男から男へと渡り歩きながら人生の階段を登っていく。

ラジオを通じてスターとなったエバは、福祉大臣ペロンとチャリティ・コンサートで出会い、たちまち意気投合。1946年、労働者の心を掌握したペロンは大統領に就任、エバも念願のファーストレディの座を手に入れる。

泣かないで アルゼンチーナ
この身 果てるとも 
心から結ばれた 永遠の仲間たち
これだけなの この世に残しておきたいのは
たったひとつのまごころを あなたのもとに

死を目前にしたエバの脳裏を、過ぎ去った様々なできごと、栄光に満ちた日々、様々な人々の姿がよぎっていく…。