はじめに

1986年のロンドン初演に続き、1988年にブロードウェイ進出を果たした『オペラ座の怪人』の日本初演は、奇しくもブロードウェイと同じ1988年。日本ミュージカル史上類を見ないスケールのこの舞台は、あの有名なパイプオルガンの旋律とともに瞬く間に社会的現象となり、これまでの総観客動員数はおよそ700万人。通算上演回数は8000回を超え、『ライオンキング』『キャッツ』に次ぐ国内第3位を誇ります。

トニー賞では最優秀作品賞をはじめ7部門を独占し、ストーリー・音楽・美術・演出などすべての面における完成度の高さは折り紙つきですが、あえて一言で表現するならば、“現代のモーツァルト” アンドリュー・ロイド=ウェバーの渾身の傑作であるという点に尽きるでしょう。

『ジーザス・クライスト=スーパースター』『キャッツ』『エビータ』など次々と大ヒットミュージカルを世に送り出し、時代の寵児となったロイド=ウェバー。その彼が「ブックフェアで偶然手にした」という『オペラ座の怪人』に2年間の歳月を費やして新たな生命を吹き込み、一編の怪奇小説にすぎなかった原作を「究極のラブストーリー」として現代に復活させたのです。ロイド=ウェバー以前にも、『オペラ座の怪人』は半世紀にわたって何度も映像化されていましたが、それらは怪人=ファントムの「醜さ」や「奇行」に焦点を当てたものがほとんど。
しかし、ロイド=ウェバーがこの作品に見出した“舞台に値するもの”とは、永遠不変のテーマである「愛」でした。この天才作曲家だからこその着眼点によって、『オペラ座の怪人』は生まれ変わったのです。

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