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がんばろう、日本 『ユタと不思議な仲間たち』東北応援プロジェクト 最新ニュース

2011年8月

『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演が千秋楽を迎えました

2011.08.27

“子どもたちの笑顔と元気を取り戻すために――。”
東北の復興と再生に祈りを込めて実施されたプロジェクト、『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演が8月26日(金)、福島県・南相馬にて千秋楽を迎えました。

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東北特別招待公演の千秋楽を迎えた『ユタと不思議な仲間たち』南相馬公演のカーテンコール。

南相馬市は震災による甚大な津波被害に加えて、原発という大きな問題を抱えています。
公演前日にお会いした桜井勝延南相馬市長は、「私は毎日沿岸を走っているんです」と話し、その理由から、如何にこの地域の人たちが大変な思いをしているのかという事実が知らされました。

「福島は放射能汚染の問題で圧倒的な数の人々が避難生活を余儀なくされています。
ただ、津波の被害も相当大きなものでした。ですが放射能汚染の問題が大きく報道されるためにその実態が隠れてしまい、津波で失われた命がなかなか省みられなくなっています。
私の家は沿岸に近く、多くの友人知人を津波で亡くしたので良く分かります。
放射能汚染の除去ももちろん大事な使命です。ですがそれと同時に失われた魂を、如何に引き継ぐかというのも、我々の使命なのです。
だから私は命を亡くした人々の魂を受け取るために、毎日沿岸を走っています」

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桜井勝延南相馬市長(左)の話を聞く、劇団四季会長 佐々木典夫、菊池 正(岩手県出身)、齋藤 舞(福島県出身)。

仙台に宿泊しているカンパニーは朝6時にホテルを出発し、片道2時間をかけて会場の「鹿島中学校」へ向かいました。
市長の言葉を表すように、南相馬市内に入ると瓦礫の山や鉄骨が剥き出しになった建物が現れ、また地盤沈下によってヒビの入った道路はバスを大きく揺らします。

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幾艘もの船が打ち上げられていました。/更地になってしまったこの地域には、かつていくつもの家が建ち並んでいたそうです。

千秋楽の会場、鹿島中学校には放射能の避難区域30km圏内にある中学校4校が間借りして授業を受けていました。武道場を教室として使用し、外にも仮設の教室が。そして一つの教室を区切って二つのクラスが授業を受けているほど、ひしめき合って生活していました。
それでも学校の先生は、「各地へ転居していった生徒が半数近くいるため、どうにかみんなが授業を受けられているのです」と話します。

しかしこうした中、明るい知らせもありました。
『ユタ』の公演前日はちょうど2学期の始業式。放射能の数値が現在安定してきていることから、夏休みを終えて戻ってきた生徒がたくさんいるとのこと。
久しく離ればなれになっていた友だちと再会をし、生徒たちは嬉しさのあまりなかなか下校しないでいつまでもおしゃべりをしていたそう。
その様子を、鹿島中の菊池義広校長先生もまた、嬉しそうに話してくださいました。そして、
「子どもたちの心のケアを今後どうしていくかをずっと考えていますが、劇に描かれた一人の少年の人生によって、言葉以上の励みを受け取ってもらえたんじゃないかと思います。
避難のため、まだ学校に戻ってきていない生徒もたくさんいます。ですから“見えない仲間に見守られている”という台詞で、きっとその友だちのことも思い出してくれたんじゃないでしょうか。
2学期の新しいスタートを劇団四季とともに切れたことを、感謝いたします」とも――。

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子どもたちは主人公ユタが成長していく様を、食い入るような眼差しで見つめていました。

終演後、原町第二中学校(鹿島中学校に移転中)の生徒からカンパニーに、お礼の言葉が送られました。

「劇団四季という一流のミュージカルを、このような環境で鑑賞できたことはとても幸せなことだと強く感じています。私はミュージカルを観るのは初めてで、あまりの迫力に、圧倒されてしまいました。今回の劇で、たくさんの元気と勇気をいただきました。今日の感動を、今後の学校生活に活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました」

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生徒から、カンパニーにお礼の言葉が贈られました。

「家が原発の避難区域にあったので、1学期は別のところに移っていたのですが、夏休み中に戻ってきました。
久しぶりにみんなに会えたことや、ミュージカルも観ることが出来て嬉しいです。
震災があって、みんなで助け合ってきたので、“みんなは一人のために”の歌に感動しました。ユタが頑張っていたので、私も負けていられません!」
(原町第二中学校 女子生徒)

そしてこの南相馬公演実現のはじまりには、「閉塞的な環境で過ごす南相馬の子どもたちに劇団四季を観せてあげたい」という熱い思いから四季に直接声を上げ、尽力してくださった方がいらっしゃいました。PTA会長を務められている西 道典さんです。
無事に公演を終え、西さんは感無量の表情で話します。
「感激と感謝です。外で遊べない子どもたちに大きなプレゼントを上げることができました。それは私が思っていた以上に、素晴らしい心の栄養です。
カタチには見えない感動が、子どもたちの笑顔によってカタチとして表されていましたね」


お見送りの様子。たくさんの「ありがとう」が交わされました。

お見送りの際、千秋楽公演のこの日ばかりは、これまでずっとお客様の前では涙をしまっていた俳優たちの目に、大きな涙が浮かんでいました。
お客様と握手をしてお別れをするこのお見送りは、俳優たちにとって、一人ひとりがそれぞれの事情や傷を抱えていることを、痛感する瞬間でもあるのです。

「これから生徒たちと前に進んでいきます」と号泣しながら話してくださった校長先生。
ただただ涙をこぼしながら、手を握ったまま離そうとしなかった年配の男性。
「来てよかったよ、ありがとう」と震える声で話した、避難所から来た年配の女性。
息子さんと来場され、泣き崩れながら「生きていきます、ありがとう」とおっしゃった女性。
子どもたちの輝くような笑顔。
幼い少年が見せた涙。
公演の実現のために尽力してくださった、地元の方々――。

カンパニーは、皆様からいただいた言葉や涙、笑顔を決して忘れることはありません。
ですから、『ユタと不思議な仲間たち』の舞台に込めた、「精一杯生きて欲しい」という劇団四季のメッセージを、お客様も胸の中にしまい続けていてほしいとも願っています。
復興と再生への道のりは大変なものだと、被災地を見た俳優・スタッフは痛感しました。
それでも、たくましく生きようとする人たちがいること、笑顔を失くしていないことを知った今、必ず実現出来ると信じて、これからも演劇を通じて感動を届け続けます。

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東北を巡演した16名の俳優と9名のスタッフ。
そして劇団四季の団員一同は、東北の復興と再生を祈り続けながら、各地に演劇の感動を届けます。


『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演

作品紹介はコチラ

『ユタと不思議な仲間たち』名取公演レポート

2011.08.25

8月24日(水)、『ユタと不思議な仲間たち』宮城県・名取公演が行われました。

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『ユタと不思議な仲間たち』名取公演より

公演前日、吉谷昭雄(青森県出身)、モンゼ役の和田侑子(秋田県出身)、劇団四季会長 佐々木典夫の3名は、佐々木十一郎名取市長のもとを訪問。

「子どもたちは仲間同士でいるときはとても元気。しかし、一人になるとやはり落ち込む子もいるようです。元気だと思っていても、見えない心の傷というのはまだ深いようですね。
子どもたちには家にいて津波のことばかり考えるのではなく、外に出て、辛いことは忘れて楽しんで欲しいと思っていました。
ですからこのようにミュージカルを観る機会を与えていただいて、感謝しています」
と市長から言葉を掛けられると、吉谷は
「出演している俳優16人のうち、11人が東北出身です。我々がこういったかたちで故郷・東北に恩返しできることは大変有り難いこと。子どもたちが元気になってくれるよう、明日も一生懸命務めさせていただきます」
と、力強く応えました。

名取市は津波の被害が大きい地域の一つ。中でも沿岸の閖上(ゆりあげ)地区は8メートルを越える津波が押し寄せ、多くの人と家屋が被災されました。
海に程近い場所にある閖上小学校は2階まで校舎が浸水し、児童のほとんどの家が流されてしまったと言います。学校は現在別の小学校に間借りしているとのこと。

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左から:佐々木十一郎名取市長、劇団四季会長 佐々木典夫、和田侑子、吉谷昭雄。/街中のいたるところに、漁船が点在していました。

公演には、その閖上小学校ほか市内の小学6年生886名が会場の「増田小学校」に来場しました。
開演を待つまでの間、円形の舞台に着席する子どもたちは、反対側の正面に友だちを見つけては名前を呼びかけ、大きく手を振っていました。
そして物語が始まると、たちまち明るい笑い声が。
気温も上昇し、体育館の中はますます暑くなるにも関わらず、迫力のダンスシーンになると子どもたちはうちわを仰ぐことも忘れ、食い入るように舞台を見つめていました。

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子どもたちの明るい笑い声が体育館に響きました。

終演後、笑顔で出演者たちとお別れをする子どもたちの中に、目を真っ赤にさせて握手をする先生がいらっしゃいました。閖上小学校の校長先生です。

「大変素晴らしいミュージカルをありがとうございました。最後の歌の『みんなは一人のために』という言葉が胸に響いて、涙が止まらなかったですね……。
劇団の方たちの激しい息遣いや汗を見て、私たちを励ますためにここまでされているんだということが伝わりました。今私たちは大変な状況ではありますが、皆さんの熱い気持ちが、子どもたちへの勇気になったと思います」
(閖上小学校 校長先生)

「とっても感動しました。話も面白かったし、ダンスがすごかったです。最後にみんなで歌をうたうところが、みんなが一つになったみたいで、嬉しかったです」
(閖上小学校 女子児童)

また公演には佐々木市長も来場。子どもたちが舞台を真剣に見ている様子を、にこやかに見つめていらっしゃいました。
最後の子どもたちを見送ったあと、出演者一人ひとりと固い握手を交わし、「皆さん、名取の子どもたちのために、ありがとう。とても素晴らしいミュージカルでした」
と熱く語りかけてくださいました。

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お見送りの様子/出演者と固い握手を交わす佐々木名取市長。

岩手県・宮城県・福島県と被災地をまわって『ユタと不思議な仲間たち』を上演してきたカンパニー。
1ヶ月におよんだ旅も、残すところあと1都市となりました。
本日25日(木)、カンパニーは最後の公演地、福島県・南相馬市に入り。余念の無いリハーサルを行い、明日の公演に臨みます。

『ユタ』カンパニー、福島へ――いわき公演レポート

2011.08.23

8月22日(月)、『ユタと不思議な仲間たち』福島県・いわき公演が行われました。

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『ユタと不思議な仲間たち』いわき公演より

いわき公演は「中央台東小学校」の体育館をお借りして行われました。
学校の周辺には約1,000棟の仮設住宅が立ち並んでおり、主に福島原発で避難されている方々が生活されているとのこと。
この東小学校を含め、震災後いわき市内には127ヶ所の避難所があり、およそ19,800名の方が生活していらっしゃいました。
しかし、公演2日前にあたる8月20日(土)をもってすべての避難所が解除。全員が仮設住宅等に移住することが出来たそうです。

公演前日の21日(日)には、鈴木英司いわき副市長のもとをユタ役の上川一哉、ハラ子役の齋藤 舞(福島県出身)、劇団四季会長 佐々木典夫が訪問。
「いわき市はほかの地域と比べて震災においての被害は少ない方だと思います。しかし、福島第一原発の事故があってから、街は大混乱に陥りました。特に風評被害によって、住人たちは気持ちに大きな不安を抱えています。一時はここいわき市からも人が離れ、駅周辺はまるでゴーストタウンのようでした。
それでも最近は皆表情に明るさが戻ってきたように思います。少し落ち着きを取り戻しつつ今、ミュージカルを観ることでさらに皆さんに心のゆとりが与えられたらと願っています」

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(写真左)左より:鈴木英司いわき副市長、劇団四季会長 佐々木典夫、上川一哉、齋藤 舞/
(写真右)市内にはいまだに津波と地盤沈下の跡が……。

小学校のある中央台地区では、従来からの住民の方と、避難のために移住された方との交流の場を積極的に設けており、今回の『ユタと不思議な仲間たち』も地域のみんなで楽しめるようにと熱い要望をいただいていました。
当日は会場の東小学校含む市内の小中学校生徒と保護者の方をはじめ、近隣の仮設住宅に避難されている方、約740名が来場。
体育館内に子どもから大人までの、明るい笑い声が響きました。

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「鐘の輪に乗って」のシーン。飛び出す煙の輪を、キラキラの笑顔で追いかける子どもたち。

「何も言えないくらい、すごく良かった……。劇団の方たちの一生懸命な姿に、励まされました。子どもたちも、最後まで真剣に舞台を観ていました。
不安な気持ちがずっと続いている中、こうして子どもたちに希望を与えてくださったこと、感謝いたします」
(中央台東小学校児童のお母様)

「震災があって、台詞や歌詞の一つひとつに共感するものがありました。とくに『神様が先に悪いことを起こして、良いことをうんと良いことにしてくれてる』という言葉に、“そうだな”って励まされました」
(福島工業高校 女子生徒)

「いっぱい力をもらいました。劇団四季が好きでこれまでも何度か観させていただきましたが、こういったカタチで公演をしていただけるとは思ってもいませんでした。とっても幸せです。
一つの力では出来ないことも、みんなで力を合わせれば乗り越えていけるんだよ、というメッセージを受け取りました」
(上記女子生徒のお母様)

また福島市出身の齋藤 舞は、「いわきは小学生の頃遠足で訪れた思い出の場所」と懐かしそうに話します。

「この近くの水族館『アクアマリンふくしま』に遊びに行ったことがあるんです。被災して閉館していたそうですが、最近再開したと聞きました。少しずつ復興に向けて歩き出していると感じられるニュースに、とても嬉しく思います。
福島の人たちは、地震の津波被害に加えて、今は原発の問題に苦しんでいます。
事故を知ったとき、大きいショックを受けました。でも、自分が何が出来るのか分からず、行動に移すことが出来ませんでした。
ですからこの東北プロジェクトに参加できる機会に恵まれたことに、感謝しています。
今日福島の人たちと触れ合って、同じ故郷を持つ者同士、もっともっと何かに協力できたらいいなと思いました。
今福島に残っていらっしゃる方は、避難したくても出来ない、故郷を離れたくないなど、なんらかの事情や思いを抱えている方も多いと思います。そういった方々と一緒に前を向いて歩いていきたいです」

7月25日から被災地・東北をまわり続けてきた『ユタと不思議な仲間たち』の旅も、残すところ2都市となりました。
皆様の笑顔を取り戻すため、これまで頂いた東北の皆様の「ありがとう」を胸に、最後までやり遂げます。



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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演

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