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がんばろう、日本 『ユタと不思議な仲間たち』東北応援プロジェクト 最新ニュース

地震で一時中断も、喝采と感動に包まれた『ユタ』仙台公演

2011.08.20

8月18日(木)・19日(金)、2日間計4回にわたって『ユタと不思議な仲間たち』仙台公演が行われました。

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『ユタと不思議な仲間たち』仙台公演の様子

仙台公演の会場は「中野栄小学校」。仙台駅から仙石線に乗って約20分ほどの場所にあります。
この中野栄小学校には現在、津波によって全壊してしまった「中野小学校」が転居しており、構内には二つの学校の児童が通っていました。
中野小学校は海岸のすぐそばにありました。しかし震災当時、周囲に高い建物がないため、児童や近隣住民はこの学校の屋上に避難していたと言います。
中野小学校 阿部みゆき教頭先生は、「児童も親御さんも、震災のことはまだ話したがらない。語らないうちは聞き出さないようにしています」と話すも、「私は話すことがリハビリです」と気丈に小さく笑みをつくり、壊滅した校舎の写真を見せながら当時の様子を説明してくださいました。

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会場としてお貸しいただいた「中野栄小学校」の玄関には移転中の「中野小学校」の表札が並んで掲げられていました。中野小学校の表札は自衛隊の方が運び出してくださったそう。(写真左)/
校舎内には「ぼくらは仲間 仲良く行こう!」というメッセージが。(写真右)

地震発生時、児童らは一時校庭に避難したものの「津波が来るぞ!」という教員の呼びかけですぐに校舎に戻って屋上へ。足元まで津波が押し寄せ、さらに追い討ちを掛けるように雪も降り出しました。翌日午後にヘリコプターで救助されるまで、児童や近隣住民およそ500名がひしめきあうように凍える寒さをしのいだそうです。

また震災時、一部の児童はちょうど帰宅の最中。その児童だけがどうしても安否が分からずにいましたが、必死で情報をかき集め、数日後に全員の無事を確認。「本当に奇跡です」と目を潤ませていらっしゃいました。

「あんなことがあっても子どもは学校では笑顔を取り戻しつつあります。でも職員は疲れています。
劇団四季さんのミュージカルで、子どもには震災を忘れて楽しんでもらって、また職員たちにとっては心の癒しとなってくれれば有り難いです」

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仙台港付近。この一帯にあった民家は津波に流されてしまい、現在は草が生い茂っていました。/津波で全壊した民家の前に残されていた泥だらけの玩具。

公演にはこの中野小学校の児童44名を含む、1,500名の小学生とそのご家族が来場されました。
仙台公演2日目の午前の回が終了したあと、教頭先生がある女子児童を連れてモンゼ役の和田侑子に駆け寄りました。聞けば、その少女は震災で家族を亡くし、祖父母のもとに引き取られていったそうです。
この日は一緒に暮らす祖母と一緒に来場。「モンゼが好き」と照れながら打ち明けたことから、教頭先生がモンゼのもとに連れてきたのでした。憧れのモンゼとの触れ合いで、その女の子はにっこりと笑顔を見せます。

「彼女はずっと心配していた児童の一人。久しぶりに姿を見ることが出来ました。笑顔が見られて良かった」と教頭先生は、安堵の表情。
『ユタと不思議な仲間たち』の会場では、このように避難のため離れ離れになってしまった友だちや先生と生徒、ご近所の仲間たちとの再会の場ともなっていたのです。

そして、その日の午後。仙台公演最終回を上演中だった14時36分、震度4の地震が発生。場面は第一幕の座敷わらしがユタに自己紹介をする「ごあいさつ」でした。

体育館の柱やガラスがきしむ音、携帯電話の緊急地震速報のアラームがあちらこちらから鳴り響き、客席は一時騒然。揺れも長かったことから、急遽舞台を中断しました。
四季スタッフや学校の教職員の方々が情報収集に走ります。津波注意報が発令されるも、到達が50cmの予測であることと、舞台の安全面も確認されたことから、15分後に再開。
地震の情報をお客様にお伝えし、「ご心配なお客様は、お帰りになられても結構です」とご案内するも、ほぼ全員のお客様がその場にとどまり、『ユタ』を観劇されました。

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座敷わらしの登場シーンでは、怖がってお母さんにしがみつく子どもも。/寄り添って笑顔で観劇する親子。

続行後はナンバーの終わりごとに大きな拍手。駄じゃれを利かせた台詞に大きな笑いが起こり、また、「生きるってことを無駄に過ごすんじゃねえぞ」、「わたしはいっつも誰かに見守られていたんだね」などの台詞には、涙を浮かべながら小さく頷いていらっしゃるお客様の姿が。
そして物語がエンディングを迎えると、涙と喝采と、そして大きな歌声が響く熱いカーテンコールになりました。

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カーテンコールの様子。合唱の途中、涙で歌えなくなるお客様も……。

「私、震災で父親と義理の妹、そして甥っ子を亡くしたんですね。それから“ユウタ”という息子がいて……。もう、色んなことが重なって、涙が止まらない……。
とにかく、すごく良いミュージカルです。あれから5ヶ月が過ぎて、なかなか前を向くことが出来ずにいました。けど、今日来て良かった。これから前に進める気がします。
途中で地震もありましたが、最後まで演じ続けてくださった四季の皆様に心から感謝します、ありがとう……」
(女性のお客様)

「“みんなは一人のために(『友だちはいいもんだ』)”の歌であんなに多くの方が涙を流すのは、実感があるからなんです。震災後、私たちはそうしないと生きていけませんでしたから。
これまで子どもも大人も、泣くことを我慢してきたような気がします。でも今日流した涙は、心の救いになるでしょうね」
(中野小学校 阿部教頭先生)

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お見送りの様子。目を輝かして握手を求める女の子。

仙台の4回公演。ここでもまた、様々な出会いがありました。
公演を終えたあと、仙台出身の柏谷巴絵(ダンジャ役)は振り返ります。
「上演中に地震に見舞われましたが、無事に最後まで公演を終えることが出来てホッとしています。お客様の反応がとっても素直で、嬉しかったですね。舞台に一体感が生まれたような気がします。
またお世話になった方や友人も観に来てくださいました。その中に一人、家が流されてしまった子もいてずっと心配してたのですが、今日元気な姿を見せてくれて安心しました。
この公演でまたみんなから大きなエネルギーをもらったので、それを糧に、最後まで頑張ります!」
と力強い笑顔。

『ユタと不思議な仲間たち』東北公演も、残り3都市となりました。カンパニーは、強くたくましく生きようとする被災地の人々の姿から、大きな勇気をいただいています。
気持ちが高められるままに、次は福島県・いわき公演に臨みます。



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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演

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