宮城県南部、阿武隈川の河口に位置する亘理町は、平野に田畑が広がる長閑な町でした。しかし、津波が家屋を流し去り、豊かな耕地も塩害によって今は荒地に。沿岸部を車で走ると、一階部分がぽっかり空洞になった家、さらに家屋が消えて門だけが佇む一画――かつて人々が生活していた住宅地には、そのあたたかな営みの名残すら見つけることができませんでした。町内には5カ所に仮設住宅1100戸が建設され、およそ3500人が暮らしています。

5月15日(火)、会場となる亘理小学校に到着したカンパニーは、午前中から舞台の仕込みに取り掛かりました。平日のため、校舎では小学生が授業を受けています。その合間をぬって、休み時間に子どもたちが体育館の様子を覗きにやってきました。声を掛けると、なにやら小さな四角い紙を渡してくれます。なんと、俳優に挨拶するために自分の“名刺”を作ってきてくれたのです。

こうして子どもたちと交流しながら仕込みが進む中、ヒノデロ役の道口瑞之、ダンジャ役の柏谷巴絵、新太役の赤間清人の3人は、斎藤邦男町長を訪問しました。斎藤町長は、昨年の3月11日から一日も休むことなく、町の人々に声を掛けて回っているそうです。
「昭和53年の宮城県沖地震を教訓に、亘理町では毎年防災訓練を行ってきました。その甲斐あって、犠牲者は他の地域に比べ305名と大きくありません。ただ、避難所に辿りついたにも関わらず、様子を見にいって津波に流された方が多かったのは残念でした。今は、残された子どもとお年寄りのケアに力を入れています。そのひとつとして、子どもたちのために寺子屋を作り、ボランティアの方が学習指導をしています。寺子屋効果で、当時中学3年生だった生徒たちは、この春、全員高校へと進学しました。また、ペットとともに暮らせる仮設住宅も建設中です。明日は、子どもたちの元気な笑顔を見れることを楽しみにしています」

午後に入ると、舞台もすっかり完成し、俳優たちはバレエや呼吸法などウォーミングアップ。体があたたまってきたところで、寅吉役の吉谷昭雄から「ツアーも半分を過ぎました。舞台に立っているときは、誰も助けてはくれません。常に自分との戦いです。体調管理を含め、残り半分も気を張っていきましょう!」と気合が入れられ、舞台稽古がスタートしました。
「体育館では足音の反響が大きいため、かかとで歩かないように意識すること」「円形舞台のどこから観ても振りが揃うよう、足の角度、手の角度、身体の中心をどこに持っていくか注意して」など、俳優たちが議論しながらベストな状態へ修正していきます。これも、昨年から長いツアーをともに乗り越えてきたカンパニーの結束力のたまものでしょう。
明けて16日(水)、俳優たちは7時すぎにホテルを出発すると、8時に会場へ到着。そこから開場する2時間の間に、ウォーミングアップとメイクを済まさなければなりません。座敷わらしの特徴である隈取を入れる表情も真剣そのものです。
この日、午前と午後の2公演に、町内6つの小学校の3〜6年生がやってきました。もっとも被害が大きかった地区にある荒浜小学校では8割の、長瀞小学校では5割の生徒が、現在も仮設住宅から通学しています。
しかし、そんな境遇を感じさせない子どもたちの元気な姿には、毎公演ごとに感動を覚えずにはいられません。「おはようございます!」と大きな声で挨拶しながら、体育館に入場する子どもたち。劇場となった体育館に「うわー、すごい!」「何だこれー!」と、きらきら目を輝かせます。中には、劇中歌「友だちはいいもんだ」を口ずさんでいる子の姿も。
開演と告げるアナウンスが流れると、早くも拍手が沸き起こり、俳優たちの一挙一動を見逃すまいと、一生懸命につぶらな瞳を凝らします。俳優が指させば、その方向に顔を向ける子どもたち。座敷わらしの登場の前触れを感じると、キョロキョロと辺りを見回し始め、「ごあいさつ」のシーンでは、座敷わらしの仕草を真似して合いの手を入れる子もいます。
ダンスシーンでは腰を浮かして前のめりになり、青空教室ではお腹を抱えて笑い転げ、カーテンコールでは大きな声で歌いながら両手を振り……。俳優たちと一緒になって舞台に熱中する子どもたちは、人生を楽しむ天才なのかもしれません。
「今回の観劇を通して、町内の小学校がひとつになれた気がします。自分の家も被災してしまったけれど、震災で亡くなった人たちの分まで、精一杯生きたいと思いました」
「俳優さんたちの表現力がすごくて、感動して泣いてしまいました。舞台との距離がとても近くて、迫力がありました。最初、ユタに友達ができなくてさみしい気持ちになったけど、座敷わらしと友達になれてよかった。最後は、みんなと友達になれたし、ぼくも友達を大切にして過ごしていきたいと思います」
(亘理町の小学校の生徒たち)
大人が何も言わなくても、子どもたちは舞台に込められたメッセージを真正面から受け止めてくれます。その頼もしい姿を見て感動を受け取るのは、いつも私たち大人の方です。
「私自身、劇団四季が大好きで、『友だちはいいもんだ』を“クラスの歌”として毎日歌ってきました。今日、舞台で聴くことができて、子どもたちも歌が持つメッセージをさらに強く感じたと思います」(亘理小学校6年生の先生)
「ありがとうございました。四季さんにしかできない支援活動ですね。たった一日の出来事ですが、ずっと心に残ります」(亘理小学校・吉田校長)

これからも舞台人として出来る限りの復興支援を目指して――
子どもたちのまぶしい笑顔に見送られて、カンパニーは、東北特別招待公演では初となる山形県へ向かいます。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
5月7日(月)〜5月25日(金)
東北4県(岩手・宮城・山形・福島) 計9都市 18公演
被災地の方々を無料でご招待する特別招待公演として、東北4県を巡演中の『ユタと不思議な仲間たち』カンパニー。岩手県での公演を終え、向かった先は宮城県・女川町です。
牡鹿半島の付け根に位置するこの町の名は、震災においても深刻な事故に至らなかった女川原発の名で覚えている方も多いかと思います。
しかし、原発の話題に隠れがちですが、地震・津波による被害は、東北の中でも苛烈を極めました。800人以上が亡くなり、今も遺骨のDNA鑑定によって日に3〜4人の身元が判明している状況です。公演会場となる女川町総合体育館に隣接した球場には、日本で初めての3階建て仮設住宅が立ち並んでいます。
公演前日の5月11日(金)、小雨の降る肌寒い天気の中、カンパニーは女川町に到着しました。バスから降り立った俳優たちの目の前に広がる町の景色。その大半が、あの3月11日には20メートルともいわれる津波に襲われ、水の底へと引き込まれてしまったのです。住民の方々は小高い山の上にある病院へと駆け込みましたが、津波はその山にまで到達し、1階に避難していた方を飲み込んでいきました。津波の届かなかった女川町総合体育館にはおよそ2500人が避難しましたが、それでも砕け散ったガラス窓から寒風が吹き込み、低体温症でお亡くなりになった方もいたといいます。
あれから1年。今はきれいに整備され、こうして招待公演が実現することになった体育館前に俳優たちは一列に並ぶと、犠牲となった方々へ黙祷を捧げました。

必要最小限の人数で行っている東北巡演では、俳優たちも舞台の仕込みを手伝います。セットの搬入、歌詞ボードの組み立て、洗濯機を設置して衣裳の洗濯。今回初めての参加となる俳優に教えながら、慣れた手つきでテキパキと作業は進み、搬入開始から50分後には舞台のアウトラインが完成していました。
こうして仕込みが着々と進む中、寅吉役の吉谷昭雄、ダンジャ役の柏谷巴絵、モンゼ役の和田侑子の3人は、阿部一正副町長のもとへ。女川町民への個別面談で多忙を極める中、あたたかく迎えていただきました。
「この町で劇団四季の舞台を観ることができるとは、夢のようです。仙台で『キャッツ』を観劇したときの感動を思い出します。女川町では仮設住宅の入居者数は約4400名もいます。環境が激変し、コミュニティに慣れることができない方もいて、訪問してもお話できないことがあります。劇団四季のイベントのような機会があれば外に出かけるきっかけにもなりますし、子どもたちの笑顔を見て、心もほぐれることでしょう」

住民の心のケアに奔走する副町長へ「私たちも、お見送りの時に色々声をかけていただくのですが、どうお返事したら良いものか考えてしまいます」と俳優が語ると、「こちらから『頑張って』とは言えなくても、舞台を観たらきっと本人たちから『頑張ります!』と言えると思います。楽しみにしています」とエールをいただきました。
その重みある言葉に応え、俳優たちも「明日は本当に目の前で上演させていただきますので、少しでも多くの方に“明日を生きる心の種”を蒔いていきたいと思います」と誓いました。
3人が体育館に戻ると、舞台はすっかり出来上がっています。全員でウォーミングアップを済ませ、夕方から舞台稽古へ。初めて上演する会場に、一回の稽古で適応していかなくてはなりません。動きの確認、体育館独特の反響の確認、出入り口の確認など、見落としがないか入念にチェックしてきます。
また、南部弁での台詞を東北出身の吉谷が改めて指導。明日は子どもだけでなく大人の方も観劇されるので、古い言葉も正確に喋れなければなりません。もう何度も繰り返してきたこととはいえ、“慣れ”ないことを肝に銘じて、日が落ちるまで稽古は続きました。

5月12日(土)、公演当日は雨も上がり快晴となりました。俳優たちは6時30分にホテルを出発。8時に体育館に到着し、早速各自ウォーミングアップを始めます。
10時30分からの1回目の公演では、早々と開場を待つ列が並び、時間を早めての開場となりました。観客席には老若男女、幅広い層の方々が集まり、隣接する仮設住宅にお住まいの須田善明町長を含む223名の方が観劇されました。中にはお隣の石巻市からいらした方も。台詞のひとつひとつに笑い、涙し、子どもも大人も一緒になって感動しあえる舞台となりました。
「本当に素晴らしい舞台を上演してくださって、ありがとうございます。感動しております。町民は、色々な思いを抱いて観ていたと思います。女川町はとても困難な状況ですが、今日の舞台から勇気をもらったと思います」(須田町長)
14時30分からの午後の公演には、たくさんの高校生が来場。ダンスのシーンには、思わず口から漏れる「すごい!」という驚きの声が聞こえてきます。ご家族でいらした方も、お見送りをする俳優たちに笑顔で声を掛けてくれました。
「泣いてしまいました。やっぱり震災と重ねてしまいますね。特に小夜ちゃんの歌に感動しました。『生きていることは素晴らしい』ということ、改めて感じました。このような機会があるなんて、本当にありがたいことです」
皆様から感謝の言葉をいただいた俳優のひとり柏谷は、お見送りの後、こう感慨深げに語りました。
「仙台出身なので、ここ女川町にも来たことがあります。2011年に『マンマ・ミーア!』仙台公演に出演していた時も、家族と一緒に来ました。昨日(11日)、病院や漁港のあったところなどを走ってきましたが、『この風景を毎日見てきた人は、一体どんな気持ちなのだろう?』と考えてしまいました。ですが、お見送りをしていると、皆さん明るくて、私が元気をもらってしまいます。『ありがとう』と言われるけれど、私の方が『ありがとう』と思うんです」

舞台から“明日を生きる心の種”を蒔いてもらったのは、俳優たちも一緒です。
その種を大切に育みながら、カンパニーは東松島市へと向かいます。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
5月7日(月)〜5月25日(金)
東北4県(岩手・宮城・山形・福島) 計9都市 18公演
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今週日曜日、5月13日(日)は「母の日」です。 日頃の感謝を込めて、心のこもったプレゼントを贈りたい―。 でも、何をプレゼントしたら喜ぶのだろう? そんなとき、劇団四季の舞台をプレゼントしてみてはいかがでしょう?
これからも長生きして欲しい、充実した人生を送って欲しい。四季の舞台は、そんな母親への切なる願いを表現するには
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演出プランの変更に伴い、当ウェブサイトおよび「四季の会」会報誌「ラ・アルプ」4月号にてお知らせしておりました『ユタと不思議な仲間たち』京都公演の座席レイアウトに変更がございます。
つきましては、下記のスケジュールで追加席の販売を開始いたします。
なお、今公演ではフライングシーンはございません。あらかじめご了承ください。
□対象公演 : 『ユタと不思議な仲間たち』京都公演 6月2日(土)〜6月24日(日) □追加席発売日 : 5月19日(土)午前10時〜 □ご予約方法 劇団四季自動予約(会員のみ) 0120−489555 |
『ユタと不思議な仲間たち』京都公演
6月2日(土)開幕
京都劇場
◆6月2日(土)〜6月24日(日)公演分
好評発売中!
山田町での初日を終え、次にカンパニーが向かったのはひときわ震災の被害が大きかった岩手県・陸前高田市。津波によって町が根こそぎ流されてしまった映像は、今も鮮明に記憶している人も多いでしょう。
5月10日(火)、町に到着したカンパニーの目の前に広がっていたのは、廃墟と化した建物の数々でした。ひとつの建物を壊して撤去するにも莫大な費用がかかるため、その多くはほとんど1年前の震災の日のままとなっているのです。
2万人足らずの陸前高田市を襲った津波は、死者1555人、行方不明者232人、家屋被害3341戸という痛ましい被害をもたらしました。現在も多くの方が、仮設住宅で暮らしています。

昨年、初めての東北特別招待公演で、カンパニーはこの町を訪れることができませんでした。あまりの被害の深刻さゆえに、公演を行う余裕がなかったからです。それが、今年は実現。市教育委員会の担当者の方は、「2回目のツアーを決断していただくことで、私たちも観劇の機会を得ることができました。ありがとうございます」と丁重に迎え入れてくださり、戸羽太市長からもあたたかい言葉をいただきました。
「震災で両親を亡くした子どもは約30名います。表面上は明るく見えますが、大きな傷を負っています。昨年、名古屋の『ウィキッド』に招待していただいたことに続き、今回の『ユタ』の公演、心から感謝いたします。現在、8年計画で町を復興させようとしていますが、ぜひ子どもたちの未来ある町づくりを目指していきたい。また、今回の公演は、子どもたちに加えて一般の方も来場します。進まない復興に大人は疲れています。『ユタ』を観て、元気になってもらえればと願っています」(戸羽市長)

さらに、この日は寅吉役の吉谷昭雄、ユタの母役のあべゆき、一郎役の厂原時也、桃子役の原田麦子が大船渡病院を訪れ、患者の方々や病院関係者の皆様、およそ100名と交流会を行いました。中には、入院中にも関わらず、点滴をつけたまま車椅子で駆けつけてくださった方も。おばあちゃんが笑顔でストレッチする姿に、周囲の空気も和やかなものとなります。歌唱指導では吉谷から南部弁による歌詞の説明があり、聞き慣れた言葉に皆さん親しみを感じている様子でした。
「患者さんが回らない腕を一生懸命回そうとしている姿に感動しました。みんなすごくいい表情をしていましたね」(緩和医療科長・村上医師)

翌5月9日(水)は公演当日。会場となった高田第一中学校の校庭には、仮設住宅がびっしりと並び、体育館のそばには診療所も併設されています。佐々木校長の話では、生徒の半数は、家を失くしているのだといいます。それでも、生徒たちはとても元気に、廊下ですれ違うと「こんにちは!」と大きな声で挨拶を交わしてくれました。
午前中の1回目の公演は、同校と小友中学校の2校の生徒と、一般の方79名の432名がご来場しました。山田町よりも会場が広い陸前高田市公演では、子どもたちだけでなく、大人の方も無料で観劇できるようにしたからです。
中学生に人気だったのは、座敷わらしのリーダー・ペドロ。登場を察知すると「ペドロ!ペドロ!」と舞台に向かって元気な掛け声が飛びました。ユタが電気を消す仕草をすると同時にふっと照明が消えると不思議そうにあたりを見回したり、青空教室で手を叩いて笑い転げたり、一郎のアクロバットやユタのダンスに「すっげ〜!」と驚きの声を上げたり。客席を見ているこちらが、子どもたちの生き生きとした表情に癒されるほどでした。その傍らで、一般の方々も真剣に舞台をご覧になっており、ペドロの「バカヤロウ! 生きてるっつーことをもっと大事にするもんだよ」という台詞に、手で顔を覆うご婦人の姿もありました。
終演後、「この日のために練習してきました」と中学生全員が立ち上がり、唱歌「故郷(ふるさと)」を歌ってくれるプレゼントも。「兎追いし 彼の山〜」と体育館に美しいコーラスが響き渡ると、東北出身の俳優たちは目に涙を浮かべながら歌声に聴き入りました。
また、テレビ、新聞など多くの記者も取材に訪れており、「俳優が東北の言葉で訛ってしゃべってくれるだけ、親近感が湧きますね。懐かしく、そして標準語よりもすとんと自分の中に入ってくる感じがしました」としみじみと語ってくれました。
午後の2回目の公演は、気仙中学校、広田中学校、米崎中学校、横田中学校の4校の生徒と、一般の方105名の415名が観劇。午前と合わせ、陸前高田市の全中学校の生徒が『ユタ』を観劇することとなりました。さらに一般の方も、開演1時間前から列を作って開場を待ちわびます。陸前高田市には「高田時間」という“ちょっと遅れて行く”習慣があるそうで、これほど前から並ぶのは珍しいこと。とても楽しみにしてくれていた証拠とあって、俳優たちも大いに気合が入ります。
中学生から年配の方、小さなお子さんを連れた方など、幅広い世代の方々がご来場したこの公演。笑いや感動とともに、ひとつひとつの台詞が皆さんの心を打つ様子が伝わってきました。
「なしてこんなむごいことするの?」「死んだばっちゃやかっちゃまでそばにいるような気がする」「私はひとりではなかったんだ。こんなに大きな命に…」
小夜子の台詞に、流れる涙を拭い、手に顔を埋める方々。お見送りでは、「本当によかった」と涙を隠さず握手をするご婦人の姿が印象的でした。
終演後、俳優たちが佐々木校長へ挨拶に行くと、「子どもたちは昼間は元気でも、家に帰って布団に入り、こっそり泣いている子もいるそうです。これからは“津波と向き合う”取り組みをしていかなければなりません。今日は素晴らしい舞台から、子どもたちだけでなく、進まない復興に疲れている大人たちの心にもパワーをもらうことができました」と、逆に力強い言葉をいただきました。

公演を重ねるごとに、東北の皆様のあたたかい心と言葉に勇気づけられながら、カンパニーは次なる公演地・宮城県女川町を目指します。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
5月7日(月)〜5月25日(金)
東北4県(岩手・宮城・山形・福島) 計9都市 18公演
5月7日(月)、東北4県を巡り子どもたちを招待する『ユタと不思議な仲間たち』の東北ツアーが初日を迎えました。
開幕の地となったのは、岩手県山田町の山田北小学校。海沿いのこの町では、先の震災で多くの町民が犠牲となり、建物の半数近くが倒壊しました。津波によって沿岸部の住宅地から押し流された車は、海から歩いて5分ほどの同校のグラウンドにまで達しました。美しい浜辺には、ガラスや金属片が散乱し、ボランティアの方々が懸命に掃除をしていますが、「昔のように子どもたちが遊べるまで何年かかるかわからない」といいます。
あの痛ましい震災から14カ月。今でも生徒の半分が仮設住宅から通っている山田北小学校の体育館に、町内5つの小学校の生徒たち約260名が集まりました。初めてミュージカルを観る子どもたちは、一夜にして劇場となった体育館の様子に興味津々。幕が上がる前から、キョロキョロと周りを見渡します。
今回の巡演は、昨年訪れることが叶わなかった町を巡るツアー。山田町の子どもたちも、『ユタ』が来るのを心待ちにしてくれていたそうです。

幕が上がると、冒頭から真剣な表情で舞台に入り込んでいく子どもたち。東北独特の「おばんでやんす」という挨拶やクルミ先生の青空教室の場面では、ひときわ大きな笑い声が起きました。また、座敷わらしの不思議な力によって体育館内にスモークが立ち込めると、子どもたちは大興奮!
手にした下敷きでスモークを扇いだり、自分に引き寄せようとしたり、舞台と客席が密着するように構成された東北巡演ならではの臨場感と一体感溢れる公演となりました。
終幕の「友達はいいもんだ」では、最初は恥ずかしそうにしていた子どもたちも、だんだんと大きな声で一緒に歌い始め、お見送りで俳優と握手をすると、にっこりと満面の笑顔を見せてくれます。

「ダンスがすごかったです!汗が近くに飛んでくるくらい迫力がありました。俳優さんはとても運動神経が良くて、うらやましいです」
「みんな役になりきっていて、座敷わらしのハーモニーもすごくきれいでした。10月の発表会では、自分たちも恥ずかしがらずに思い切りやろうと思います」
―山田北小学校 堀合(ほりあい)くんほか、クラスメイトのみんな
「子どもたちが知らない東北の歴史や慣わし、豊かな自然について盛り込まれていて、子どもだけじゃなく大人にも観て欲しい作品ですね」
―担任の青沼先生
午前の公演に続き、午後の2回目の公演には、同じく山田町内の4つの小学校から約230名の生徒たちがやってきました。1回目に勝るとも劣らぬ熱のこもった舞台に、途中、夢中になりすぎた子どもたちが立ち上がったり、花道に出てきてしまう一幕もあったほど。
お見送りでは、最初に体育館を出た織笠小学校の生徒たちが、握手後に全員で振り返り、キャストと会場に向かって大きな声で「ありがとうございました!」と一礼するさわやかな光景が広がりました。
「生の舞台を観る機会がなかなかない子どもたちなので、来ていただいて感謝しています。それにしても、小さな子どもたちが集中力を切らさずに2時間釘付けになっている姿には、驚かされました」
―山田町・沼崎町長
「震災から1年が経ち、児童も教員たちも“何とかやってきた”という状態ですが、子どもたちは本当に明るくなりました。こんな間近で、役者さんと同じ目線でお芝居を観れたことは、とても貴重な経験になったと思います。6年生は“中学生になったら、修学旅行で『ライオンキング』を観る!”と、今から楽しみにしていますよ」
―山田北小学校・大西校長

子どもたちの満開の笑顔に包まれた『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演の初日。
カンパニー一同も、その笑顔から大きなエネルギーを受け取ることができました。
次の公演地は、震災により甚大な被害を受けた岩手県・陸前高田市です。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
5月7日(月)〜5月25日(金)
東北4県(岩手・宮城・山形・福島) 計9都市 18公演
「演劇の感動を伝えることで力になりたい」
震災後、舞台関係者が何をすべきか苦悩する中、劇団四季が選択した「東北特別招待公演」。
昨年7月〜8月にかけて東北3県(岩手・宮城・福島)沿岸部を中心に行った13都市27公演では、地元の子どもたちを中心に13,191名の方々にご来場いただき、舞台の感動を分かち合いました。
そして今年も、昨年訪問することが叶わなかった東北4県(岩手・宮城・山形・福島)の9都市を巡演することが決定。カンパニーは、初日となる5月7日(月)の岩手県・山田町公演に向け、5日(土)に東京を旅立ちました。
東北新幹線で新花巻駅に到着したのは、午後4時前。大雨が一過し汗ばむような陽気となった東京に比べ、現地の気温は12℃。あまりの温度差に、俳優たちもあわてて上着を羽織ります。
その後、バスで釜石市へ。この街は、座敷わらしたちのリーダー・ペドロ役の菊池正の出身地でもあります。東京では散ってしまった桜が場所を移して咲き誇る峠道を抜け、市内でも津波の被害が甚大だった中心部に到着すると、たまらず街へと飛び出していった菊池。1年前からホテルなど一部建物は修復され、復興の兆しをみることはできましたが、周囲にはがれきや更地が点在し、震災の深い爪痕がいまだ至る所に残されていました。

6日(日)は、早朝から会場となる岩手県山田町の山田北小学校に移動し、翌日の初日に向けた仕込み作業と舞台稽古です。
小学校の前に架かる橋に残された震災の生々しい傷―わずか1年前の出来事がすべてを変えてしまったのだと改めて実感したカンパニーは、稽古に入る前、海に向かって黙祷を捧げました。
その後、4トントラック2台いっぱいに積み込まれた舞台セットが、生徒数74名の山田北小学校の体育館に運ばれていきます。これまでの公演の中でもひときわ小さなこの体育館から、今年の東北巡演が始まるのです。
午前中、体育館では舞台スタッフによる仕込みが、音楽室では俳優たちのウォーミングアップが進む頃、ペドロ役の菊池正、ダンジャ役の柏谷巴絵、ユタの母役のあべゆき、ヒノデロ役の道口瑞之、ユタ役の上川一哉の5人は、昨年の初日の舞台となった大槌町立吉里吉里中学校の体育館を訪問していました。隣接する仮設住宅にお住まいの方々との交流会が開かれることになっていたからです。吉里吉里中学校の生徒たちは、今年の修学旅行で東京・四季劇場[春]の『ライオンキング』も観劇しています。
自ら出迎えにきてくれた沼田校長、そして生徒たちや地元の方々と再会を喜びあった5人。「皆さんと一緒に歌を歌って体を動かして、少しでも元気を出していただけたらと思います」と、『ユタ』のナンバーから「生きているってすばらしい」「友だちはいいもんだ」の2曲を全員が一緒になって歌いました。「友だちはいいもんだ」を歌う途中、亡くなった友人を思い出して涙を抑えきれなかった地元の方の姿が印象的でした。
「四季の人が来てくれた感謝の気持ちを忘れずに、元気に学生生活を送りたいと思います」
生徒たちは交流会後に大きなわら半紙いっぱいに書かれた寄せ書きを手渡してくれました。その姿に「昨年観ていただいた方々と再会し、一緒に歌うことができて本当に良かった。『生きていることは素晴らしい』という作品のテーマを、実感を込めてリアルに表現していきたい」と、俳優たちは巡演に向けての意気込みを強くします。

5人が山田町に戻ったのは、ちょうどお昼。すぐに寄せ書きをウォーミングアップを終えた俳優たちに見せると、汗が滲んだ顔に思わず笑顔がこぼれます。この山田北小学校の生徒も、まだ半数が仮設住宅で生活しています。その子どもたちの笑顔のため―決意を新たにしました。
午後のミーティングでは「明日からいよいよ巡演が始まります。何があっても最後までやる、そのつもりで頑張っていきましょう!」という寅吉役・吉谷昭雄の言葉に決意を新たにしたカンパニー。舞台稽古に挑みます。
村の子どもたちを見返すため、座敷わらしの力を借りて3時ちょうどに雨を降らすと宣言したユタ。ユタを心配する小夜子が「雨を降らせて、3時に」と祈ると、本当に体育館の外で雷鳴が轟き、雨足が強くなる。そんな偶然の一幕もありながら、舞台稽古は午後6時まで続きました。
5月25日(金)まで、18日間で9都市を巡り18公演を行う『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演。東北の皆様へ演劇の感動を届ける配達人たちの旅が、春雷とともに今年も幕を開けました。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
5月7日(月)〜5月25日(金)
東北4県(岩手・宮城・山形・福島) 計9都市 18公演
昨年夏、被災した東北3県を巡演し、地元の方々と交流を深めた『ユタと不思議な仲間たち』カンパニー。「復興支援は、継続あってこそ」という理念のもと、今年も5月7日(月)から、東北特別招待公演に旅立ちます。
一人でも多くの方へ作品の感動をお届けできるように―あざみ野の稽古場では、出発を控えたカンパニーが、ゴールデンウィーク中も連日汗を流していました。
5月1日(火)は、午前中に場面ごとの稽古である小返し稽古、午後には全幕の通し稽古を行いました。
この日の通し稽古の目標は、「俳優同士が交流し、お互いの声を聴き、感じ合い、丁寧に演じながら自然に台詞を発すること」。言葉をひとつも落とすことなく自然に話す―この一見相反するふたつを両立させるのは、大変難しいことです。しかし、それができてこそ作品がお客様にしっかりと伝わります。やにわに強く照りつけ始めた陽射しのもと、俳優たちは、丁寧に丁寧に自分の役と向き合っていきました。その中で、寅吉役の吉谷昭雄からは「まだ役の背負っている歴史、人生、悲しみが体に入っていない。表面的な芝居になっている」と指摘が入ります。
慣れない土地でいじめられ、自殺を考えるほど思い詰めてしまうユタ。
凄惨な飢饉のため、止むに止まれず生まれてすぐに命を絶たれてしまった座敷わらしたち。
孤独の中で、健気に生きる小夜子。
東京から転校してきたユタをなかなか受け入れることができない子どもたち。
「深く作品の中で生きなくてはいけない」―吉谷の言葉に俳優たちは大きく頷き、舞台の完成度を高めるべく、決意を新たにしました。

5月1日(火)の稽古の様子。
そして翌日、5月2日(水)。この日も午前中は小返し稽古に励み、午後からはいよいよ衣裳を着けての通し稽古が始まりました。稽古場にはユタ役のオリジナルキャストである加藤敬二も駆けつけ、カンパニーの仕上がりを見守ります。
稽古終了後、加藤は「きちんとやるべきことは出来ている」としながらも、「ひとつひとつの動作には、すべて意味がある。はっきりと意志を持った動きを心掛けるように」「振付は、止めるべきところはしっかりと止め、メリハリのある動きを」と、細かな指導を加えました。
「ここで終わりではない」―加藤の口癖でもあるこの言葉通り、出来たと思ったところから先を目指し、さらに役を深めていく稽古は続いていきます。

5月2日(水)の稽古の様子。
美しくも神秘的な自然を舞台に、生きることの意味、喜びを伝える『ユタと不思議な仲間たち』。
東北への旅立ちを前に、作品と向き合い、役を生きる俳優たちの果てしない旅はすでに始まっています。
流した汗とひきかえにその旅路で得たものは、きっと舞台の大きな感動となって実を結び、東北の皆様の笑顔になることを信じて―。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
5月7日(月)〜5月25日(金)
東北4県(岩手・宮城・山形・福島) 計9都市 18公演
3月31日(土)、宮城県仙台市・宮城学院女子大学講堂において、第一三共株式会社と劇団四季の共同企画「家族のきずなシアター2012」が開催されました。
「家族のきずなシアター」とは、『オペラ座の怪人』の協賛社でもある第一三共が中心となり、“ミュージカルを通じて感動と元気を伝えたい”という思いから劇団四季・NPOがんサポートコミュニティと共同で、がんの患者さんとそのご家族を毎年招待している公演です。
今回は“被災された方々に感動と元気をお伝えすることにより、復興支援の一助としたい”という趣旨のもと、同じ思いを持つ劇団四季と共同で特別公演が開催されることとなりました。

当日の会場の様子。
全国から第一三共グループの社員がボランティアとして集まって会場案内などを手伝う中、この日は、宮城県内の仮設住宅にお住まいの被災者とご家族合わせて902名の方々がご来場くださいました。
開幕前のセレモニーでは、第一三共代表取締役社長兼CEOの中山讓治氏と、同社のCMに出演している俳優の渡哲也さんが挨拶に立ちました。
「東日本大震災で被災されました皆様に、心よりのお見舞いを申し上げます。震災からもう一年が経ちました。第一三共は、製薬会社として医薬品の提供や、健康についての冊子を刊行して社員が仮設住宅一戸一戸へ配布するなど、精一杯のご支援を行ってまいりました。さらに今回は、もっともっと東北の皆様に元気になって頂きたいと願い、こうしてミュージカルの舞台をお届けすることになりました。どうぞ皆様、存分にお楽しみください」(中山社長)
「東日本大震災の際には、一週間、被災者の皆様と寝食をともにさせて頂きました。その時に見せて頂いた皆様の精神力の強さ、忍耐強さは、今でも重く、強く心に残っております。本日、“東北の地に元気を届ける”という思いが詰まった劇団四季さんのミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』を皆さんと一緒に観劇できること、非常に嬉しく思っております。美しい東北を舞台としたこのミュージカルをご覧になって、今日は大いに感動してください」(渡哲也さん)
こうして幕を開けた物語は、大きな笑いと感嘆の声が絶えない温かな舞台となり、耳馴染みのある南部弁の響きに聞き入ってらっしゃるお客様も多数おられました。そして、カーテンコールで寅吉役の吉谷昭雄が挨拶に立つと、割れんばかりの拍手で迎え入れられました。
「東北公演では、被災された方々が懸命に前に進もうとするそのお姿に接し、いつも私たちが勇気をもらうこととなりました。今年も5月に東北を訪れ、この作品のメッセージをお伝えしたいと思っております。その折には、皆様とまたお会いできることを楽しみにしております。本日は、誠にありがとうございました!」(吉谷)

終演後、俳優たち全員でお見送りすると、満面の笑顔で「元気をもらいました!」「1年経っても沈みがちだった気持ちが、今日は晴れた気がします」と俳優たちに声を掛けながら、握手を交わすお客様たち。ボランティアとして参加された第一三共の社員の方々も、「私たちが願っていた形で、東北へのご支援を実現することができました。皆様の笑顔が何よりの証拠です」と、感激しきりの様子でした。

お見送りの様子。
5月からは、昨年に引き続いての『ユタと不思議な仲間たち』東北特別公演がスタートします。演劇の感動を通じて少しでも被災者の方々のお力となれるよう、素晴らしい舞台をお見せするために、カンパニー一同尽力してまいります!
4月7日(土)からの『ユタと不思議な仲間たち』(京都劇場)「四季の会」会員先行予約では、団体予約の為、以下の公演日・席種の販売はございません。(貸切公演につきましては「ラ・アルプ」4月号のスケジュールから変更はございません。)ご観劇の検討にご活用ください。
なお、先行予約初日までの間に状況が変わる場合もございます。ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
6月6日(水) 13:30 S席(2階)/A席/B席/C席
6月7日(木) 13:30 S席(2階)/A席
6月12日(火)13:30 貸切
6月13日(水)13:30 S席(2階)
6月14日(木)13:30 貸切
6月15日(金)13:30 貸切
6月19日(火)13:30 貸切
6月20日(水)13:30 貸切
6月21日(木)13:30 S席(2階)/A席/B席/C席
6月22日(金)13:30 S席(2階)
『ユタと不思議な仲間たち』京都公演
京都劇場
◆2012年6月2日(土)開幕!
◆2012年 6月2日(土)〜 6月24日(日)公演分
4月7日(土)「四季の会」会員先行予約開始
4月14日(土)一般発売開始
3月27日(火)、東京・四季劇場[秋]にてミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』が千秋楽を迎えました。この日は、ようやく春めいてきたぽかぽかとした陽気。春休みの子どもたちを連れたファミリーのお客様もたくさんご来場し、劇場はとても親密な空気に包まれました。

開演前の様子
昨年夏の東北特別招待公演、続く全国公演とたくましく成長した『ユタ』カンパニー。東京での最後の舞台は、笑い声と涙が入り混じり、お客様と舞台が一体となった感動の千秋楽となりました。
座敷わらしたちとの絆に支えられ、いじめられっこから見事に大きく成長したユタ。東京公演初日から引き続き行われている特別カーテンコールでは、寅吉役の吉谷昭雄から被災地・東北の方々への感謝が述べられ、これから再び東北へと旅立つカンパニーにあたたかな拍手が送られました。

カーテンコールの様子
終演後のお見送りでも、俳優たちへ「ユタお兄ちゃん、勇気をくれてありがとう」「東北巡演、頑張ってください」と声をかけていただき、胸を熱くするとともに「大きな力をもらえました」と感動しきり。東京公演で受け取った皆さんの優しさを、しっかりと被災地の方々へとお届けしなければと固く誓い合いました。

終演後のお見送りの様子
この後、『ユタと不思議な仲間たち』は5月から東北巡演へと向かいます。そして、6月2日(土)からは京都劇場にて公演が行われます。美しい自然に溢れる東北を舞台に繰り広げられる、ちょっと不思議で心温まる物語に、どうぞご期待ください。
四季劇場[秋]では、4月14日(土)から『アイーダ 愛に生きた王女』が開幕します。舞台となるのは、古代エジプト―“世界最古のラブストーリー”としても有名な本作は、各々の敵国に引き裂かれていく哀しい恋人たちの姿を描いた永遠の愛の物語です。
熱烈なリクエストにお応えして、約1年半ぶりに東京の地へと戻ってくる『アイーダ 愛に生きた王女』をお見逃しなく!
ミュージカル『アイーダ 愛に生きた王女』
東京アンコール公演
四季劇場[秋]
4月14日(土)開幕!
◆4月14日(土)〜7月8日(日)公演分
好評発売中!
3月15日(木)より、これまで携帯電話で対応しておりましたケータイQRチケットが、スマートフォンでも表示可能になりました。
スマートフォンをご利用のお客様も、今後はご観劇当日にチケットATMにお並びいただくことなく、直接ご入場いただけます。
15日以前にスマートフォンでケータイQRチケットをご予約いただいたお客様も以下の手順でQRチケットを表示することが可能です。
是非、この機会にご利用ください。
3月11日(日)、東日本大震災から一年が経ったこの日、東京・四季劇場[秋]にて『ユタと不思議な仲間たち』東京公演が初日を迎えました。

終演後、東日本大震災への追悼の意をこめて行われた、特別カーテンコールの様子
『ユタと不思議な仲間たち』は、東北の美しい自然を舞台に、痛ましい天災により幼くして命を落とした座敷わらしたちと、少年ユタの心の交流を描いた物語です。昨年の夏、劇団四季ではこの作品を被災した岩手県・宮城県・福島県の3県で巡演いたしました。生きることの素晴らしさ、人と人との繋がりのぬくもりを謳ったこの物語が少しでも力になればと、東北沿岸部13都市にて体育館をお借りして特別招待公演を行い、13,191名の方々にご覧いただきました。
東京から母親の実家である東北地方の湯の花村に引っ越してきた少年・水島勇太。しかし、内向的で体の弱い勇太を、地元の子どもたちは「モヤシっ子のユタ」とからかいます。いじめに悩み、「死んでしまいたい」と考えるユタを助けたのは、この土地で語り継がれている子どもの精霊・座敷わらし。ペドロ一家の5人の座敷わらしは、全員、江戸時代の大飢饉で生まれてすぐに命を落とした赤ん坊たちです。彼らは友達になったユタを、「生きているということを、当たり前のことだと思って無駄に過ごすんでねえぞ」「せっかくもらった生命は、自分で磨きをかけなければ石ころと同じだ。本当に生きてるってことにはならねえ」と励まします。その言葉に勇気をもらい、ユタは自分の人生を変えようと特訓を始めますが……。

震災から一年になるこの日は、通常よりも開演を1時間早め、追悼の意を込めた特別カーテンコールを実施いたしました。通常のカーテンコールの後、舞台上にはスクリーンが下され、昨夏の東北巡演の様子が映し出されていきます。子どもと一緒になって、ユタの成長を見守るご家族の姿。元気いっぱいの笑顔で握手をせがむ子どもたちに、込み上げる涙を抑えきれない俳優たち。
出演者を代表して口上を述べた寅吉役の吉谷昭雄は、
「傷ついた子どもたちの笑顔を取り戻したいという想いでお伺いしたのですが、実際は、被災者の方が懸命に前に進もうとされるその姿に、かえって私たちが勇気づけられる場面もございました」
と、当時を振り返り、地震発生時刻に合わせて、劇場全体で1分間の黙祷が捧げられました。

こうして開幕した『ユタと不思議な仲間たち』は、東京公演後、5月には再び東北の地へと旅立ちます。劇団四季の総てである“演劇”。その“演劇”によって、少しでも多くの方々に感動をお届けし、心の絆を深め合うことができれば。東北巡演後も全国を回り、ユタ同様たくましく成長したカンパニーによる心温まる舞台を、ぜひ劇場でご覧になってください。
なお、この特別カーテンコール(昨夏の東北巡演のスライドショー投影と舞台挨拶)は千秋楽までの全公演実施させて頂きます。
特別カーテンコールの模様
『ユタと不思議な仲間たち』
東京公演
四季劇場[秋]
好評上演中!
※詳しい公演スケジュールはコチラ>>
3月11日(日)より東京・四季劇場[秋]で開幕する『ユタと不思議な仲間たち』。開幕を翌日に控え、10日(土)には劇場で最終舞台稽古が行われました。

3月10日(土)に行われた、最終舞台稽古の様子
『ユタと不思議な仲間たち』は、東北の美しい自然を舞台に、東京からやってきた少年ユタと座敷わらしたちの心の交流を描いた物語です。地元の子どもたちに馴染めず、いじめられてばかりのユタは、古い旅館で座敷わらしと出会います。座敷わらしは天災や飢餓のために命を落とした、この土地に言い伝わる子どもの精霊。彼らは、「死にたくなって何度も鉄橋のところまでいったんだ」と自暴自棄になるユタを叱り付け、生きることの素晴らしさを教えていきます。
昨年の夏、劇団四季は東北被災3県(岩手・宮城・福島)にて、この『ユタと不思議な仲間たち』の特別招待公演を行いました。被害の大きかった東北沿岸部13都市を巡演し、地域の子どもたちを中心に13,191名の方々にご来場いただきました。
東北巡演を終えた『ユタ』カンパニーは、その後9月から全国ツアーへ出発し、ほんの数日前に沖縄から東京へ帰ってきたばかり。ですが、東北・全国でユタと同じく、たくましく成長したカンパニーの姿を東京の皆様にご覧いただこうと、この日の舞台稽古も気合充分で臨みました。

震災からちょうど1年を迎える本日3月11日(日)には、東日本大震災へ追悼の意をこめた特別カーテンコールも実施されます。
東北への祈りをこめて、心ゆくまでこの生きる力に溢れた物語を肌で感じてください。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
『ユタと不思議な仲間たち』
東京公演
四季劇場[秋]
3月11日(日)開幕!
※詳しい公演スケジュールはコチラ>>
3月11日(日)、『ユタと不思議な仲間たち』東京公演では、終演後に行われる東日本大震災への追悼の意をこめた
特別カーテンコールのため、下記の通り開演時間を変更させていただきます。
何卒ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
(変更前)3月11日(日)12:00開演 → (変更後)12:10開演
3月7日(水)、昨年9月から全国ツアーを行っていた『ユタを不思議な仲間たち』が沖縄・名護公演をもって千秋楽を迎えました。『ユタ』カンパニーは昨年夏、東日本大震災の被災地3県(岩手・宮城・福島)を巡演した後、3年ぶりとなる全国ツアーに出発しました。半年間で行った公演数は、実に65都市160公演。仲間との絆の大切さ、生きることの素晴らしさを謳ったこの作品を通じて、全国の方々と心を通わせてきました。

全国ツアー千秋楽となった名護公演、カーテンコールの様子
千秋楽となったこの日も、“こころの劇場”(※)招待公演として市内の小学校14校から797名の小学6年生が集まり、手に汗を握りながら、一生懸命にユタの成長を見守ってくれました。会場の外では、南国ならではのスコールのような大雨が降る一幕もありましたが、その雨音も、この舞台を楽しみにしてくれていた子どもたちの熱気と歓声で完全にかき消され、オーバーチュアが流れると同時に手拍子が起こるなど、千秋楽にふさわしい盛り上がりを見せた本公演。終幕後に俳優がお見送りに出ると、「ユタが強くなっていく姿を見て、自分も勇気が出た」「今日からもっと友だちを大切にしなきゃいけないと思った」などの感想が口々に寄せられ、雨上がりの空のもと、子どもたちは笑顔で会場を後にしていきました。その姿を見送るカンパニーは、全国ツアーへ出発したときよりも一層たくましく成長したように見えます。

開場時の様子/カーテンコールでは会場が一体となり、「友達はいいもんだ」を大合唱
東北巡演における被災地の方々との交流の中から、かけがえのない大きな糧を受け取った『ユタ』カンパニー。東北復興への祈りを胸に出発した全国ツアーでも、東北を舞台にした本作品は各地で温かく迎えられました。ご招待したある被災者の方からは、「亡くなった姉は、劇団四季が大好きでした。私は本日、初めて四季の舞台を拝見しましたが、最後まで涙がとまりませんでした。前を向いて生きていきたいと思います」という言葉をいただき、その祈りが確実に届いていることを実感できました。
そして、この後3月11日(日)には、東京に戻って四季劇場[秋]での公演が開幕します。
東北・全国と巡ってきた『ユタ』カンパニーには、たくさんの祈りと涙と笑顔が詰まっています。どうぞ彼らの姿とこの物語から、そのすべてを受け取ってください。そして、今度は皆様からいただいた祈りと笑顔を手に、カンパニーは再び東北へと旅立ちます。皆様のお越しを、心よりお待ちしております。
| (※)「こころの劇場」は、子どもたちの心に、生命の大切さ、人を思いやる心、信じ合う喜びなど、人が生きていく上で最も大切なものを、舞台を通じて語り掛けたい。この祈りから、日本全国の子どもたちを劇場に無料招待し、演劇の感動を届けるプロジェクトです。多くの企業や行政の方々のご協賛、ご協力を得て実施しております。 「こころの劇場」に関してはコチラ>> |
『ユタと不思議な仲間たち』
東京公演
四季劇場[秋]
3月11日(日)開幕!
※詳しい公演スケジュールはコチラ>>
2月24日(金)、子どもたちを招待して文化に触れてもらう“こころの劇場”(※)の一環として全国巡演中の『ユタと不思議な仲間たち』カンパニーが、沖縄・宮古島を訪れ、満員のお客様を前に公演を行いました。
宮古島は、沖縄本島から南西約300キロに浮かぶ、コバルトブルーの海に囲まれた美しい島です。気候は年間を通じて暖かく、豊かな自然に溢れており、穏やかに時が流れていく情景が思い浮かぶかと思います。

(『ユタと不思議な仲間たち』宮古島公演の終演後、主催・協賛社の皆様と一緒に記念撮影)
出発に先立ち、2月20日(月)には、上原良幸・沖縄県副知事へ“こころの劇場”沖縄ブロックの児童招待についての目録贈呈式が行われました。
「約8000人もの沖縄の子どもたちをミュージカルに招待してくださり、本当に感謝します。沖縄は厳しい歴史を背負ってはいますが、これまで頑張ってこれたのは、“伝統芸能”が根付いており、自分たちを鼓舞してきたからだと思います。芸術の力は偉大です。これからも、子どもたちにもっともっと良い芸術を見せてあげたい」
上原副知事のほか、“こころの劇場”の趣旨に賛同し協賛してくださっている沖縄電力の大嶺克成副社長、琉球銀行の宮城惠也専務、日本トランスオーシャン航空(JTA)の佐藤学社長、サンエーの吉田安之部長、那覇空港ビルディングの松本真一専務、沖縄セルラー電話の北川洋社長、沖縄第一交通の稲益強社長の方々から、力強い励ましの言葉を受け取ったカンパニー。宮古島で待つ子どもたちへ、たくさんの喜びと感動を届けるべく、ますます気合が入ります。

(2月20日(月)、上原良幸・沖縄県副知事へ“こころの劇場”沖縄ブロックの児童招待についての目録贈呈式が行われました)
22日(水)、カンパニーは沖縄本島から空路で宮古島に到着しました。すると、そこには今回の公演を主催してくださった宮古島市文化振興友の会とJTAの皆様が待つ歓迎の輪がありました。 早速の嬉しい出来事に、その輪の中に入って一緒に踊るカンパニーの面々。公演にも一段と気持ちが入ります。

(宮古空港にて、主催者の皆様(宮古島市文化振興友の会/JTA)より、あたたかい歓迎を受けた『ユタ』カンパニー一同)
その後、寅吉役の吉谷昭雄とユタの母役の菅本烈子は、JTA宮古支社を表敬訪問。ヒノデロ役の道口瑞之と小夜子役の奥平光紀は、今回の公演を後援してくださる宮古毎日新聞、宮古新報、宮古テレビ、エフエム宮古での取材・収録・生出演へと向かいます。
夜になると、宮古島市文化振興友の会の皆様が盛大な歓迎会を催してくださり、俳優・スタッフ全員が、宮古島の島野菜がふんだんに使われた沖縄料理を堪能しました。空港で出迎えてくださったJTAの皆様も再び駆けつけ盛り上がる中、沖縄の伝統芸能であるエイサーの踊りを披露していただくなど、宮古島初日の夜は時間を忘れるほどの楽しいひとときとなって更けてゆきました。
翌日23日(木)は、宮古島市長を表敬訪問するとともに、「美しい日本語の話し方教室」を北小学校と鏡原小学校の2校で開催しました。ダンジャ役の柏谷巴絵、モンゼ役の和田侑子、新太役の赤間清人の3人が、はっきりと正確な発音で相手に声を届けための四季の方法論を、わかりやすく教えていきます。初めて聞く話に、熱心に耳を傾ける子どもたち。授業終了後は、この日習ったことを活かして、全員で「ありがとうございました!」と100点満点の挨拶で見送ってくれました。

(「美しい日本語の話し方教室」の様子。熱心に授業を受ける子どもたちの姿が印象的でした)
そして24日(金)、いよいよ公演当日です。チケットは完売、開演の1時間以上前から開場を待ちわびるお客様で長い列ができました。「早くユタに会いたいな。早く幕が開かないかな」と、友達同士で楽しげに話す子どもたち。中でも嬉しかったのは、今年から宮古島の近くにある多良間島と伊良部島からお客様が来場してくださったことです。良質な文化を日本全国に伝えていくことを目指す四季にとって、何よりやりがいを感じる公演となりました。
850人あまりの観客で満員となり開演前はざわついていた客席も、幕が上がると静まり返り、真剣な表情で舞台に見入っているお客様たち。ユタのピンチには大きな手拍子で励ますなど、心から舞台を楽しんでくださっている様子に、俳優たちも全力の演技で応えます。カーテンコールでは、会場全体が一体となって劇中ナンバー「友達はいいもんだ」を合唱しました。

(『ユタと不思議な仲間たち』宮古島公演、カーテンコールの様子)
終演後のロビーでは、俳優たちが舞台衣裳のままお客様をお見送り。握手をした瞬間、子どもたちが見せる溌剌とした笑顔とともに、宮古島公演の幕が閉じました。

(終演後のお見送りの様子)
この後、カンパニーは沖縄本島に戻り宜野湾で公演を行い、3月11日(日)には東京・四季劇場[秋]での開幕を迎えます。この日、宮古島の皆様にもらったたくさんの笑顔が、カンパニーの大きな力となって繋がっていくことでしょう。
(※)「こころの劇場」は、子どもたちの心に、生命の大切さ、人を思いやる心、信じ合う喜びなど、人が生きていく上で最も大切なものを、舞台を通じて語り掛けたい。この祈りから、日本全国の子どもたちを劇場に無料招待し、演劇の感動を届けるプロジェクトです。多くの企業や行政の方々のご協賛、ご協力を得て実施しております。
『ユタと不思議な仲間たち』
全国公演
巡演中!
東京公演
四季劇場[秋]
3月11日(日)開幕!
※詳しい公演スケジュールはコチラ>>
当ウェブサイトおよび「四季の会」会報誌「ラ・アルプ」3月号(P42)にてお知らせしておりました、『ユタと不思議な仲間たち』東京公演の3月11日(日)初日公演におきまして、3月4日(日)より追加でお席を販売いたします(若干枚数)。
□対象公演 : 『ユタと不思議な仲間たち』東京公演 3月11日(日)12:00公演(初日) □追加席発売日 : 「四季の会」会員 3月4日(日)午前10時〜 □ご予約方法 : インターネット予約 |
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
3月11日(日)開幕
四季劇場[秋]
◆3月11日(日)〜3月27日(火)公演分
好評発売中!
「こころの劇場」(※)活動のため日本全国を巡演している『ユタと不思議な仲間たち』は、1月27日(金)、長崎県・壱岐島にて、市内の小学校20校992名を対象にした招待公演を実施しました。
壱岐島は、福岡市から北西に約80Kmの玄界灘上に位置する、周囲およそ146Km、人口29,000人の離島。雄大な自然の中に、太古の歴史や文化が大切に残された美しい島です。
その壱岐島で劇団四季の舞台が上演されるのは、今回が初めて。公演2日前の25日(水)、『ユタ―』カンパニーは福岡県の博多港から高速船(ジェットフォイル)で海を渡り、壱岐島に降り立ちました。
港には「劇団四季様 ようこそ壱岐へ」と書かれた横断幕を掲げる、教育委員会の方々の姿が。さらにはそこに居合わせた島民の方までもが温かい拍手を送ってくださると、その熱い歓迎ぶりにカンパニーは「よろしくお願いします」と笑顔をこぼし、握手を交わします。

地元教育委員会の方々と、『ユタ−』カンパニー
公演前日の翌26日(木)。劇場ではスタッフらが舞台の設営を行う一方で、菊池 正、上川一哉、奥平光紀の俳優3名は壱岐市長・白川博一氏と教育委員会教育長・須藤正人氏のもとを表敬訪問。
白川市長は、「ここ壱岐で、ミュージカルが上演される機会はなかなかありませんでした。めったに触れることの出来ない文化芸術を、今回子どもたちに体験させてあげられることは非常に嬉しいことです」と、優しい眼差しを俳優らに向けます。
須藤教育長もまた、「島の子どもたちはおそらくほとんどがミュージカルを知りません。きっと皆、“こういう世界があったのか”と衝撃を受けることでしょうね。そして『ユタ』を観て、人の心の痛みが分かる心豊かな人間に育って欲しいです」とお話しくださいました。

翌日の公演に向け、壱岐市長・白川博一氏と教育委員会教育長・須藤正人氏から激励をいただきました。
また同じ日。柏谷巴絵、厂原時也、齋藤 舞の3名が市内にある瀬戸小学校を訪れ、4年〜6年生に向けて「美しい日本語の話し方教室」を開催。俳優たちが日頃からトレーニングしている「母音法」を基にした授業に、児童らは興味津々の様子で積極的に発言しては、“美しい日本語を話すコツ”を習得してゆきます。
授業後、子どもたちの様子を「みんな素直で純朴な子ばかりで、こちらが感動した」と嬉しそうに振り返った俳優らは、「明日の反応がさらに楽しみ」と心を弾ませました。

瀬戸小学校で行われた「美しい日本語の話し方教室」の様子。
そして27日(金)、初めての壱岐公演当日を迎えました。
入念なウォーミングアップで本番に臨む俳優。会場の「壱岐文化ホール」に舞台を作り、それぞれの持ち場につくスタッフ。
そして公演成功のために1年も前から準備をしてくださっていた教育委員会をはじめとする地元の方々。
子どもたちを迎えるための万全の準備が整えられた劇場に、児童を乗せたバスが続々と到着しました。開かれた扉から、元気いっぱいの子どもたちが駆け降りてきます。
引率の先生に誘導されながら、行儀良く背筋を伸ばして着席。「先生、劇団四季ってなあに?」。配られたチラシを隙間無く眺めて、先生に質問する声も聞こえてきました。

観光バスに乗って来場する子どもたち。/漁船をチャーターして近隣の島からやって来た小学校も。

『ユタ−』のチラシを読み込んで、開演を待つ子どもたち。
開演。冒頭、村の子にいじめられる少年・ユタを助けるため、座敷わらしが起こす不思議な現象に子どもたちは目を丸くして隣の友だちと顔を合わせます。無邪気な笑い声が客席に響き、また一つのナンバーが終わると、ためらいがちな拍手が。しかし感動を拍手で表現することを一度知った子どもたちは、ナンバーが終わるごとに小さな手を強く打ち鳴らし、フィナーレには感動を込めた熱い拍手を送ってくれました。

テーマ曲「友だちはいいもんだ」の大合唱になったカーテンコール

終演後のお見送りでは、子ども立ち居の笑顔で溢れました。
「いじめられていたユタがペドロたちに助けられて、強くなったところが良かったです。僕もペドロのように、困っていた人がいたら助けてあげられるような人になろうと思いました」(男子児童)
「すごい迫力だった!ジャンプや演技がすごかったし、座敷わらしがいたずらするところが面白かったです」(女子児童)
「友だちを大切にしようと思いました。ペドロたちは僕たちの周りにもいて、見守ってくれているんだなって思いました」(男子児童)
「子どもたちには舞台を観る機会はなかなか無いものですから、大変貴重な体験だったと思います。ダンスも歌も素晴らしい!子どもたちに、良い勉強になったと思います」(初山小学校 教員)
無事に公演を終え、カンパニーが島を出発すべく船に乗り込もうとした時、教育委員会の方々や瀬戸小学校教頭先生が児童の感想文を抱えて駆けつけてくださいました。
「壱岐の子どもたちにこのような感動を与えてくださった劇団四季の皆様との出会い、そしてそのチャンスをいただけた幸運に、心から感謝しています」
と言葉をいただき、カンパニーが乗った船が見えなくなるまで大きく手を振って見送ってくださいました。
子どもたちの笑顔や地元の方々の熱意に支えられながら、「こころの劇場」『ユタと不思議な仲間たち』は全国を旅しています。出会った人々からいただいた感動を、カンパニーは舞台で返しながら、演劇の感動の輪をこれからも各地に広げてゆきます。
(※)「こころの劇場」は、子どもたちの心に、生命の大切さ、人を思いやる心、信じ合う喜びなど、人が生きていく上で最も大切なものを、舞台を通じて語り掛けたい。この祈りから、日本全国の子どもたちを劇場に無料招待し、演劇の感動を届けるプロジェクトです。多くの企業や行政の方々のご協賛、ご協力を得て実施しております。
『ユタと不思議な仲間たち』全国公演
※詳しい公演スケジュールはコチラ>>
2012年3月11日(日)に開幕する『ユタと不思議な仲間たち』東京公演におきまして、初日公演当日のみ、東日本大震災の追悼の意を込めた特別カーテンコールを実施させていただきます。
つきましては、当ウェブサイトおよび「四季の会」会報誌「ラ・アルプ」12月号(P.53)にてお知らせしておりました、初日公演の開演時間を下記の通り変更させていただきます。
<変更前> 3月11日(日) 13:00開演
↓
<変更後> 3月11日(日) 12:00開演
急な変更となりますことを謹んでお詫び申し上げるとともに、ここに訂正させていただきます。ご予約の際はご注意くださいますようお願い申し上げます。
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
2012年3月11日(日)開幕!
◆2012年3月11日(日)〜3月27日(火)公演分
1月9日(月・祝)「四季の会」会員先行予約開始
1月15日(日)一般発売開始
「こころの劇場」公演(※児童招待公演)として、ともに全国ツアーを行っている『ユタと不思議な仲間たち』と『はだかの王様』。
“演劇を通じて、子どもたちに生きる上での大切なことを伝えたい――”
同じ目的をもって、それぞれの作品のメッセージを届けるふたつのカンパニーが、その旅の途中で対面を果たしました。
10月28日(金)、『ユタと不思議な仲間たち』福井県・坂井公演。この公演に、前日の27日に福井市で公演を行っていた『はだかの王様』カンパニーが、次の公演地への移動日を利用して『ユタ―』を観劇に訪問したのです。

福井県で対面した『ユタと不思議な仲間たち』と『はだかの王様』カンパニー。(『ユタ―』坂井公演終演後にて)
劇団四季は今、10の専用劇場を拠点に公演を行い、さらに3つのカンパニーが全国ツアーを行っています。全国各地を旅するカンパニーが、同じ都市で同じ時に公演することはとても珍しいこと。
中でも今回福井県で出会うことになったふたつのカンパニーは、「こころの劇場」公演という社会貢献事業として、ともに劇団の大切な務めを担っています。
全国公演ならではの苦労を知り、それ以上に公演や出会いを重ねるごとに想いを強くして旅をしている両者。互いの気持ちが分かち合える者同士が対面できる機会とあって、『はだかの王様』カンパニーは期待と歓びを胸に会場に向かいました。
『ユタ―』坂井公演の開演前。会場の「ハートピア春江」に到着した『はだかの王様』カンパニーは、さっそく楽屋へ。
一方、彼らの訪問を楽しみに待っていた『ユタ―』カンパニーは、仲間の姿を遠くに見つけると、両腕を大きく開いて「よく来たね!」と笑顔で歓迎。抱擁を交わして「そちらの旅は順調?」などと近況を尋ねます。
しばしの間、互いを労い、気遣い合った後、「じゃあ公演楽しみにしていますから、頑張ってください」と激励の言葉を残して『はだかの王様』カンパニーは客席へ向かいました。
そしてその言葉を受け取った『ユタ―』カンパニーは、気持ちを引き締めて開演の準備に向かうのでした――。

左より:神保幸由、吉谷昭雄、菅本烈子、深見正博、江上健二、菊池 正、(手前)林 香純/旅中での再会に喜びを分かち合うふたつのカンパニー。
開演中は終始真剣な眼差しで舞台を見つめる『はだかの王様』カンパニー。カーテンコールを迎えると、舞台に立つ仲間たちに、感動と応援が交じった熱い拍手を送っていました。

『ユタ―』坂井公演カーテンコールの様子
「ありがとうね」と、子どもたちの帰りを笑顔で見送る『ユタ―』カンパニーの姿を見届けた後、再びふたつのカンパニーが交流。
その後もまた、スタッフとともに舞台の撤収作業を行う『ユタ―』カンパニーに交ざって、作業を手伝う『はだかの王様』カンパニーの姿がありました。
お客様からいただく感謝の言葉、子どもたちの笑顔、そして今回のような仲間のエールが、舞台に立つ俳優たちの気持ちを最大限に強くするものです。
『ユタと不思議な仲間たち』と『はだかの王様』はこれからも日本中を巡り、子どもたちに演劇の感動を伝えてまいります。
(※)「こころの劇場」は、子どもたちの心に、生命の大切さ、人を思いやる心、信じ合う喜びなど、人が生きていく上で最も大切なものを、舞台を通じて語り掛けたい。この祈りから、日本全国の子どもたちを劇場に無料招待し、演劇の感動を届けるプロジェクトです。多くの企業や行政の方々のご協賛、ご協力を得て実施しております。
『ユタと不思議な仲間たち』全国公演
11月の一般公演
11月3日(木・祝)兵庫県・洲本、5日(土)香川県・多度津町、19日(土)徳島県・阿南
12月の一般公演
12月11日(日)兵庫県・たつの、12月18日(日)広島県・府中、21日(水)鳥取県・米子、22日(木)岡山県・高梁、23日(金・祝)島根県・雲南
『はだかの王様』全国公演
12月の一般公演
12月18日(日)山梨県・富士川町/24日(土)宮城県・栗原/26日(月)東京都・多摩/27日(火)神奈川県・横須賀/28日(水)千葉県・千葉
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全国公演巡演中の『ユタと不思議な仲間たち』。10月29日(土)に行われる兵庫県尼崎公に向けて、9月30日(金)、俳優の菊池 正とあべゆきが、稲村和美尼崎市長を表敬訪問しました。

(写真左より)稲村和美尼崎市長、あべゆき、菊池 正。
「娘が劇団四季の大ファンなんです」
という稲村市長は、よく劇団四季の公演を観劇されているとのこと。今回の尼崎公演も非常に心待ちにしている様子でした。
今年8月に行われた東北特別招待公演についても話がおよび、
「被災地での公演というのは大変なご苦労も多かったでしょう」
との質問が。菊地が
「確かに大変なことも多かったですが、それ以上に被災者の皆さまから逆に元気や勇気をもらう機会の方が多かったように思います」
と熱く回答していました。
今回の『ユタと不思議な仲間たち』尼崎公演では、現在尼崎市内にお住まいの東日本大震災避難者の招待も行われます。このことについても稲村市長から
「避難者の方から“地震があってからどこかへ出かけたり、何かを楽しんだりする意欲が湧かなかったが、今回このような機会を頂き、少し前を向いて生活していこうという気持ちになった。”というお言葉を頂いています。この様な機会を設けて頂き、非常に嬉しいです」
といったことが伝えられました。

『ユタと不思議な仲間たち』は、生きる喜びや友情の素晴らしさを伝えるべく全国を駆け巡っています。尼崎公演は10月29日(土)、どうぞご期待ください。
『ユタと不思議な仲間たち』全国公演
※詳しい公演スケジュールはコチラ>>
7月末から1ヵ月をかけて被災地・東北をまわり、招待公演を実施してきた『ユタと不思議な仲間たち』。
その特別な公演が無事に幕を降ろした1週間後の9月5日(月)。全国ツアーの「こころの劇場」公演(※)に向けて、『ユタと不思議な仲間たち』が再び旅立ちました。
東北の地で舞台を通して語りかけてきた“生命の尊さ”“仲間の大切さ”などのメッセージは、日本全国に拡充して届けられることになったのです。
初日公演は、宮城県・仙台市。ここ仙台へは、半月前に特別招待公演としても訪れていました。その際は小学校の体育館を会場としてお借りしましたが、今回の劇場は「宮城学院女子大学」の講堂。
仙台での「こころの劇場」公演は、例年「イズミティ21(仙台市泉文化創造センター)」を会場としていましたが、震災で天井が落下するなどの大きな被害があり利用が不可能となっていました。
そのため今年度の仙台公演はやむを得ず中止と判断しようとしていた時、宮城学院女子大学より「仙台の子どもたちのために是非協力したい」という温かいお申し出をいただき、講堂をお借りすることで公演を続行することが出来たのです。
初日は午前と午後の2回公演が行われ、市内の小学6年生約2,200名が来場。仙台公演は8日までの4日間にわたって行われ、合計で117校 約9,000名の子どもたちが観劇する予定です。

仙台公演の会場「宮城学院女子大学」にやって来た児童たち/開演前は子どもたちの賑やかな声が講堂内に響きました。
子どもたちは幕開けから興味津々の様子で、台詞やダンスの振り一つひとつに大きな反応を見せます。しかし物語の展開とともに、客席の集中力は高まります。舞台に引き込まれてゆくように身体を前に倒し、真剣な眼差しを舞台に注いでいました。
また今回の全国ツアーより、ユタが座敷わらしと長者山の頂上を目指して空を飛ぶ「鐘の音の輪にのって」のシーンが、東北特別公演の体育館バージョンで採り入れた新演出に変更されました。
東北公演の時と同じように、客席に向かってあちらこちらから“煙の輪”が噴射されると大きな歓声が上がり、子どもたちは懸命に不思議な煙の輪を掴もうと手を伸ばしていました。

カーテンコールでは、テーマ曲「友だちはいいもんだ」を合唱。
終演後のお見送りの際、子どもたちは恥ずかしがりながらもしっかりと手を握って「ありがとう」「面白かったです」と出演者に思いを告げました。

子どもたちの明るい笑顔で溢れた終演後のお見送り。
東北で出会った人たちからいただいた笑顔と言葉を力にして、再び旅に出た『ユタと不思議な仲間たち』。培った様々な経験と思いを舞台に乗せて、日本全国の子どもたちに“生きる感動”を届けてゆきます。
また「こころの劇場」招待公演と並行して、一部一般公演も実施いたします。ぜひご家族お揃いで、心温まる優しい物語をお楽しみください。
(※)「こころの劇場」は、子どもたちの心に、生命の大切さ、人を思いやる心、信じ合う喜びなど、人が生きていく上で最も大切なものを、舞台を通じて語り掛けたい。この祈りから、日本全国の子どもたちを劇場に無料招待し、演劇の感動を届けるプロジェクトです。多くの企業や行政の方々のご協賛、ご協力を得て実施しております。
『ユタと不思議な仲間たち』全国公演
9月の一般公演
9月11日(日)山梨県・甲州、19日(月・祝)岡山県・笹岡、23日(金・祝)岡山県・岡山
10月の一般公演
10月2日(日)静岡県・浜松、10日(月・祝)佐賀県・佐賀、15日(土)長崎県・雲仙、23日(日)三重県・桑名、28日(金)福井県・酒井、29日(土)兵庫県・尼崎
11月の一般公演
11月3日(木・祝)兵庫県・洲本、5日(土)香川県・多度津町、19日(土)徳島県・阿南
12月の一般公演
12月11日(日)兵庫県・たつの、12月18日(日)広島県・府中、21日(水)鳥取県・米子、22日(木)岡山県・高梁、23日(金・祝)島根県・雲南
劇団四季予約センターにおきましてこの夏に限り、開業時間を1時間早くさせていただきましたが、9月1日(木)より通常通りの営業時間とさせていただきます。
劇団四季予約センター営業時間のご案内 劇団四季予約センター(オペレーター予約:0120−489444) 営業時間 : 午前10時〜午後6時 |
“子どもたちの笑顔と元気を取り戻すために――。”
東北の復興と再生に祈りを込めて実施されたプロジェクト、『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演が8月26日(金)、福島県・南相馬にて千秋楽を迎えました。

東北特別招待公演の千秋楽を迎えた『ユタと不思議な仲間たち』南相馬公演のカーテンコール。
南相馬市は震災による甚大な津波被害に加えて、原発という大きな問題を抱えています。
公演前日にお会いした桜井勝延南相馬市長は、「私は毎日沿岸を走っているんです」と話し、その理由から、如何にこの地域の人たちが大変な思いをしているのかという事実が知らされました。
「福島は放射能汚染の問題で圧倒的な数の人々が避難生活を余儀なくされています。
ただ、津波の被害も相当大きなものでした。ですが放射能汚染の問題が大きく報道されるためにその実態が隠れてしまい、津波で失われた命がなかなか省みられなくなっています。
私の家は沿岸に近く、多くの友人知人を津波で亡くしたので良く分かります。
放射能汚染の除去ももちろん大事な使命です。ですがそれと同時に失われた魂を、如何に引き継ぐかというのも、我々の使命なのです。
だから私は命を亡くした人々の魂を受け取るために、毎日沿岸を走っています」

桜井勝延南相馬市長(左)の話を聞く、劇団四季会長 佐々木典夫、菊池 正(岩手県出身)、齋藤 舞(福島県出身)。
仙台に宿泊しているカンパニーは朝6時にホテルを出発し、片道2時間をかけて会場の「鹿島中学校」へ向かいました。
市長の言葉を表すように、南相馬市内に入ると瓦礫の山や鉄骨が剥き出しになった建物が現れ、また地盤沈下によってヒビの入った道路はバスを大きく揺らします。

幾艘もの船が打ち上げられていました。/更地になってしまったこの地域には、かつていくつもの家が建ち並んでいたそうです。
千秋楽の会場、鹿島中学校には放射能の避難区域30km圏内にある中学校4校が間借りして授業を受けていました。武道場を教室として使用し、外にも仮設の教室が。そして一つの教室を区切って二つのクラスが授業を受けているほど、ひしめき合って生活していました。
それでも学校の先生は、「各地へ転居していった生徒が半数近くいるため、どうにかみんなが授業を受けられているのです」と話します。
しかしこうした中、明るい知らせもありました。
『ユタ』の公演前日はちょうど2学期の始業式。放射能の数値が現在安定してきていることから、夏休みを終えて戻ってきた生徒がたくさんいるとのこと。
久しく離ればなれになっていた友だちと再会をし、生徒たちは嬉しさのあまりなかなか下校しないでいつまでもおしゃべりをしていたそう。
その様子を、鹿島中の菊池義広校長先生もまた、嬉しそうに話してくださいました。そして、
「子どもたちの心のケアを今後どうしていくかをずっと考えていますが、劇に描かれた一人の少年の人生によって、言葉以上の励みを受け取ってもらえたんじゃないかと思います。
避難のため、まだ学校に戻ってきていない生徒もたくさんいます。ですから“見えない仲間に見守られている”という台詞で、きっとその友だちのことも思い出してくれたんじゃないでしょうか。
2学期の新しいスタートを劇団四季とともに切れたことを、感謝いたします」とも――。

子どもたちは主人公ユタが成長していく様を、食い入るような眼差しで見つめていました。
終演後、原町第二中学校(鹿島中学校に移転中)の生徒からカンパニーに、お礼の言葉が送られました。
「劇団四季という一流のミュージカルを、このような環境で鑑賞できたことはとても幸せなことだと強く感じています。私はミュージカルを観るのは初めてで、あまりの迫力に、圧倒されてしまいました。今回の劇で、たくさんの元気と勇気をいただきました。今日の感動を、今後の学校生活に活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました」

生徒から、カンパニーにお礼の言葉が贈られました。
「家が原発の避難区域にあったので、1学期は別のところに移っていたのですが、夏休み中に戻ってきました。
久しぶりにみんなに会えたことや、ミュージカルも観ることが出来て嬉しいです。
震災があって、みんなで助け合ってきたので、“みんなは一人のために”の歌に感動しました。ユタが頑張っていたので、私も負けていられません!」
(原町第二中学校 女子生徒)
そしてこの南相馬公演実現のはじまりには、「閉塞的な環境で過ごす南相馬の子どもたちに劇団四季を観せてあげたい」という熱い思いから四季に直接声を上げ、尽力してくださった方がいらっしゃいました。PTA会長を務められている西 道典さんです。
無事に公演を終え、西さんは感無量の表情で話します。
「感激と感謝です。外で遊べない子どもたちに大きなプレゼントを上げることができました。それは私が思っていた以上に、素晴らしい心の栄養です。
カタチには見えない感動が、子どもたちの笑顔によってカタチとして表されていましたね」

お見送りの様子。たくさんの「ありがとう」が交わされました。
お見送りの際、千秋楽公演のこの日ばかりは、これまでずっとお客様の前では涙をしまっていた俳優たちの目に、大きな涙が浮かんでいました。
お客様と握手をしてお別れをするこのお見送りは、俳優たちにとって、一人ひとりがそれぞれの事情や傷を抱えていることを、痛感する瞬間でもあるのです。
「これから生徒たちと前に進んでいきます」と号泣しながら話してくださった校長先生。
ただただ涙をこぼしながら、手を握ったまま離そうとしなかった年配の男性。
「来てよかったよ、ありがとう」と震える声で話した、避難所から来た年配の女性。
息子さんと来場され、泣き崩れながら「生きていきます、ありがとう」とおっしゃった女性。
子どもたちの輝くような笑顔。
幼い少年が見せた涙。
公演の実現のために尽力してくださった、地元の方々――。
カンパニーは、皆様からいただいた言葉や涙、笑顔を決して忘れることはありません。
ですから、『ユタと不思議な仲間たち』の舞台に込めた、「精一杯生きて欲しい」という劇団四季のメッセージを、お客様も胸の中にしまい続けていてほしいとも願っています。
復興と再生への道のりは大変なものだと、被災地を見た俳優・スタッフは痛感しました。
それでも、たくましく生きようとする人たちがいること、笑顔を失くしていないことを知った今、必ず実現出来ると信じて、これからも演劇を通じて感動を届け続けます。

東北を巡演した16名の俳優と9名のスタッフ。
そして劇団四季の団員一同は、東北の復興と再生を祈り続けながら、各地に演劇の感動を届けます。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
8月24日(水)、『ユタと不思議な仲間たち』宮城県・名取公演が行われました。

『ユタと不思議な仲間たち』名取公演より
公演前日、吉谷昭雄(青森県出身)、モンゼ役の和田侑子(秋田県出身)、劇団四季会長 佐々木典夫の3名は、佐々木十一郎名取市長のもとを訪問。
「子どもたちは仲間同士でいるときはとても元気。しかし、一人になるとやはり落ち込む子もいるようです。元気だと思っていても、見えない心の傷というのはまだ深いようですね。
子どもたちには家にいて津波のことばかり考えるのではなく、外に出て、辛いことは忘れて楽しんで欲しいと思っていました。
ですからこのようにミュージカルを観る機会を与えていただいて、感謝しています」
と市長から言葉を掛けられると、吉谷は
「出演している俳優16人のうち、11人が東北出身です。我々がこういったかたちで故郷・東北に恩返しできることは大変有り難いこと。子どもたちが元気になってくれるよう、明日も一生懸命務めさせていただきます」
と、力強く応えました。
名取市は津波の被害が大きい地域の一つ。中でも沿岸の閖上(ゆりあげ)地区は8メートルを越える津波が押し寄せ、多くの人と家屋が被災されました。
海に程近い場所にある閖上小学校は2階まで校舎が浸水し、児童のほとんどの家が流されてしまったと言います。学校は現在別の小学校に間借りしているとのこと。

左から:佐々木十一郎名取市長、劇団四季会長 佐々木典夫、和田侑子、吉谷昭雄。/街中のいたるところに、漁船が点在していました。
公演には、その閖上小学校ほか市内の小学6年生886名が会場の「増田小学校」に来場しました。
開演を待つまでの間、円形の舞台に着席する子どもたちは、反対側の正面に友だちを見つけては名前を呼びかけ、大きく手を振っていました。
そして物語が始まると、たちまち明るい笑い声が。
気温も上昇し、体育館の中はますます暑くなるにも関わらず、迫力のダンスシーンになると子どもたちはうちわを仰ぐことも忘れ、食い入るように舞台を見つめていました。

子どもたちの明るい笑い声が体育館に響きました。
終演後、笑顔で出演者たちとお別れをする子どもたちの中に、目を真っ赤にさせて握手をする先生がいらっしゃいました。閖上小学校の校長先生です。
「大変素晴らしいミュージカルをありがとうございました。最後の歌の『みんなは一人のために』という言葉が胸に響いて、涙が止まらなかったですね……。
劇団の方たちの激しい息遣いや汗を見て、私たちを励ますためにここまでされているんだということが伝わりました。今私たちは大変な状況ではありますが、皆さんの熱い気持ちが、子どもたちへの勇気になったと思います」
(閖上小学校 校長先生)
「とっても感動しました。話も面白かったし、ダンスがすごかったです。最後にみんなで歌をうたうところが、みんなが一つになったみたいで、嬉しかったです」
(閖上小学校 女子児童)
また公演には佐々木市長も来場。子どもたちが舞台を真剣に見ている様子を、にこやかに見つめていらっしゃいました。
最後の子どもたちを見送ったあと、出演者一人ひとりと固い握手を交わし、「皆さん、名取の子どもたちのために、ありがとう。とても素晴らしいミュージカルでした」
と熱く語りかけてくださいました。

お見送りの様子/出演者と固い握手を交わす佐々木名取市長。
岩手県・宮城県・福島県と被災地をまわって『ユタと不思議な仲間たち』を上演してきたカンパニー。
1ヶ月におよんだ旅も、残すところあと1都市となりました。
本日25日(木)、カンパニーは最後の公演地、福島県・南相馬市に入り。余念の無いリハーサルを行い、明日の公演に臨みます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
8月22日(月)、『ユタと不思議な仲間たち』福島県・いわき公演が行われました。

『ユタと不思議な仲間たち』いわき公演より
いわき公演は「中央台東小学校」の体育館をお借りして行われました。
学校の周辺には約1,000棟の仮設住宅が立ち並んでおり、主に福島原発で避難されている方々が生活されているとのこと。
この東小学校を含め、震災後いわき市内には127ヶ所の避難所があり、およそ19,800名の方が生活していらっしゃいました。
しかし、公演2日前にあたる8月20日(土)をもってすべての避難所が解除。全員が仮設住宅等に移住することが出来たそうです。
公演前日の21日(日)には、鈴木英司いわき副市長のもとをユタ役の上川一哉、ハラ子役の齋藤 舞(福島県出身)、劇団四季会長 佐々木典夫が訪問。
「いわき市はほかの地域と比べて震災においての被害は少ない方だと思います。しかし、福島第一原発の事故があってから、街は大混乱に陥りました。特に風評被害によって、住人たちは気持ちに大きな不安を抱えています。一時はここいわき市からも人が離れ、駅周辺はまるでゴーストタウンのようでした。
それでも最近は皆表情に明るさが戻ってきたように思います。少し落ち着きを取り戻しつつ今、ミュージカルを観ることでさらに皆さんに心のゆとりが与えられたらと願っています」

(写真左)左より:鈴木英司いわき副市長、劇団四季会長 佐々木典夫、上川一哉、齋藤 舞/
(写真右)市内にはいまだに津波と地盤沈下の跡が……。
小学校のある中央台地区では、従来からの住民の方と、避難のために移住された方との交流の場を積極的に設けており、今回の『ユタと不思議な仲間たち』も地域のみんなで楽しめるようにと熱い要望をいただいていました。
当日は会場の東小学校含む市内の小中学校生徒と保護者の方をはじめ、近隣の仮設住宅に避難されている方、約740名が来場。
体育館内に子どもから大人までの、明るい笑い声が響きました。

「鐘の輪に乗って」のシーン。飛び出す煙の輪を、キラキラの笑顔で追いかける子どもたち。
「何も言えないくらい、すごく良かった……。劇団の方たちの一生懸命な姿に、励まされました。子どもたちも、最後まで真剣に舞台を観ていました。
不安な気持ちがずっと続いている中、こうして子どもたちに希望を与えてくださったこと、感謝いたします」
(中央台東小学校児童のお母様)
「震災があって、台詞や歌詞の一つひとつに共感するものがありました。とくに『神様が先に悪いことを起こして、良いことをうんと良いことにしてくれてる』という言葉に、“そうだな”って励まされました」
(福島工業高校 女子生徒)
「いっぱい力をもらいました。劇団四季が好きでこれまでも何度か観させていただきましたが、こういったカタチで公演をしていただけるとは思ってもいませんでした。とっても幸せです。
一つの力では出来ないことも、みんなで力を合わせれば乗り越えていけるんだよ、というメッセージを受け取りました」
(上記女子生徒のお母様)
また福島市出身の齋藤 舞は、「いわきは小学生の頃遠足で訪れた思い出の場所」と懐かしそうに話します。
「この近くの水族館『アクアマリンふくしま』に遊びに行ったことがあるんです。被災して閉館していたそうですが、最近再開したと聞きました。少しずつ復興に向けて歩き出していると感じられるニュースに、とても嬉しく思います。
福島の人たちは、地震の津波被害に加えて、今は原発の問題に苦しんでいます。
事故を知ったとき、大きいショックを受けました。でも、自分が何が出来るのか分からず、行動に移すことが出来ませんでした。
ですからこの東北プロジェクトに参加できる機会に恵まれたことに、感謝しています。
今日福島の人たちと触れ合って、同じ故郷を持つ者同士、もっともっと何かに協力できたらいいなと思いました。
今福島に残っていらっしゃる方は、避難したくても出来ない、故郷を離れたくないなど、なんらかの事情や思いを抱えている方も多いと思います。そういった方々と一緒に前を向いて歩いていきたいです」
7月25日から被災地・東北をまわり続けてきた『ユタと不思議な仲間たち』の旅も、残すところ2都市となりました。
皆様の笑顔を取り戻すため、これまで頂いた東北の皆様の「ありがとう」を胸に、最後までやり遂げます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
8月18日(木)・19日(金)、2日間計4回にわたって『ユタと不思議な仲間たち』仙台公演が行われました。

『ユタと不思議な仲間たち』仙台公演の様子
仙台公演の会場は「中野栄小学校」。仙台駅から仙石線に乗って約20分ほどの場所にあります。
この中野栄小学校には現在、津波によって全壊してしまった「中野小学校」が転居しており、構内には二つの学校の児童が通っていました。
中野小学校は海岸のすぐそばにありました。しかし震災当時、周囲に高い建物がないため、児童や近隣住民はこの学校の屋上に避難していたと言います。
中野小学校 阿部みゆき教頭先生は、「児童も親御さんも、震災のことはまだ話したがらない。語らないうちは聞き出さないようにしています」と話すも、「私は話すことがリハビリです」と気丈に小さく笑みをつくり、壊滅した校舎の写真を見せながら当時の様子を説明してくださいました。

会場としてお貸しいただいた「中野栄小学校」の玄関には移転中の「中野小学校」の表札が並んで掲げられていました。中野小学校の表札は自衛隊の方が運び出してくださったそう。(写真左)/
校舎内には「ぼくらは仲間 仲良く行こう!」というメッセージが。(写真右)
地震発生時、児童らは一時校庭に避難したものの「津波が来るぞ!」という教員の呼びかけですぐに校舎に戻って屋上へ。足元まで津波が押し寄せ、さらに追い討ちを掛けるように雪も降り出しました。翌日午後にヘリコプターで救助されるまで、児童や近隣住民およそ500名がひしめきあうように凍える寒さをしのいだそうです。
また震災時、一部の児童はちょうど帰宅の最中。その児童だけがどうしても安否が分からずにいましたが、必死で情報をかき集め、数日後に全員の無事を確認。「本当に奇跡です」と目を潤ませていらっしゃいました。
「あんなことがあっても子どもは学校では笑顔を取り戻しつつあります。でも職員は疲れています。
劇団四季さんのミュージカルで、子どもには震災を忘れて楽しんでもらって、また職員たちにとっては心の癒しとなってくれれば有り難いです」

仙台港付近。この一帯にあった民家は津波に流されてしまい、現在は草が生い茂っていました。/津波で全壊した民家の前に残されていた泥だらけの玩具。
公演にはこの中野小学校の児童44名を含む、1,500名の小学生とそのご家族が来場されました。
仙台公演2日目の午前の回が終了したあと、教頭先生がある女子児童を連れてモンゼ役の和田侑子に駆け寄りました。聞けば、その少女は震災で家族を亡くし、祖父母のもとに引き取られていったそうです。
この日は一緒に暮らす祖母と一緒に来場。「モンゼが好き」と照れながら打ち明けたことから、教頭先生がモンゼのもとに連れてきたのでした。憧れのモンゼとの触れ合いで、その女の子はにっこりと笑顔を見せます。
「彼女はずっと心配していた児童の一人。久しぶりに姿を見ることが出来ました。笑顔が見られて良かった」と教頭先生は、安堵の表情。
『ユタと不思議な仲間たち』の会場では、このように避難のため離れ離れになってしまった友だちや先生と生徒、ご近所の仲間たちとの再会の場ともなっていたのです。
そして、その日の午後。仙台公演最終回を上演中だった14時36分、震度4の地震が発生。場面は第一幕の座敷わらしがユタに自己紹介をする「ごあいさつ」でした。
体育館の柱やガラスがきしむ音、携帯電話の緊急地震速報のアラームがあちらこちらから鳴り響き、客席は一時騒然。揺れも長かったことから、急遽舞台を中断しました。
四季スタッフや学校の教職員の方々が情報収集に走ります。津波注意報が発令されるも、到達が50cmの予測であることと、舞台の安全面も確認されたことから、15分後に再開。
地震の情報をお客様にお伝えし、「ご心配なお客様は、お帰りになられても結構です」とご案内するも、ほぼ全員のお客様がその場にとどまり、『ユタ』を観劇されました。

座敷わらしの登場シーンでは、怖がってお母さんにしがみつく子どもも。/寄り添って笑顔で観劇する親子。
続行後はナンバーの終わりごとに大きな拍手。駄じゃれを利かせた台詞に大きな笑いが起こり、また、「生きるってことを無駄に過ごすんじゃねえぞ」、「わたしはいっつも誰かに見守られていたんだね」などの台詞には、涙を浮かべながら小さく頷いていらっしゃるお客様の姿が。
そして物語がエンディングを迎えると、涙と喝采と、そして大きな歌声が響く熱いカーテンコールになりました。

カーテンコールの様子。合唱の途中、涙で歌えなくなるお客様も……。
「私、震災で父親と義理の妹、そして甥っ子を亡くしたんですね。それから“ユウタ”という息子がいて……。もう、色んなことが重なって、涙が止まらない……。
とにかく、すごく良いミュージカルです。あれから5ヶ月が過ぎて、なかなか前を向くことが出来ずにいました。けど、今日来て良かった。これから前に進める気がします。
途中で地震もありましたが、最後まで演じ続けてくださった四季の皆様に心から感謝します、ありがとう……」
(女性のお客様)
「“みんなは一人のために(『友だちはいいもんだ』)”の歌であんなに多くの方が涙を流すのは、実感があるからなんです。震災後、私たちはそうしないと生きていけませんでしたから。
これまで子どもも大人も、泣くことを我慢してきたような気がします。でも今日流した涙は、心の救いになるでしょうね」
(中野小学校 阿部教頭先生)

お見送りの様子。目を輝かして握手を求める女の子。
仙台の4回公演。ここでもまた、様々な出会いがありました。
公演を終えたあと、仙台出身の柏谷巴絵(ダンジャ役)は振り返ります。
「上演中に地震に見舞われましたが、無事に最後まで公演を終えることが出来てホッとしています。お客様の反応がとっても素直で、嬉しかったですね。舞台に一体感が生まれたような気がします。
またお世話になった方や友人も観に来てくださいました。その中に一人、家が流されてしまった子もいてずっと心配してたのですが、今日元気な姿を見せてくれて安心しました。
この公演でまたみんなから大きなエネルギーをもらったので、それを糧に、最後まで頑張ります!」
と力強い笑顔。
『ユタと不思議な仲間たち』東北公演も、残り3都市となりました。カンパニーは、強くたくましく生きようとする被災地の人々の姿から、大きな勇気をいただいています。
気持ちが高められるままに、次は福島県・いわき公演に臨みます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
8月29日(月)〜9月24日(土)の休演期間は下記の通り営業させていただきます。
営業日時詳細 営業日 : 火曜日〜日曜日 月曜日は休業させていただきます。(休業日:8月29日(月)、9月5日(月)、12日(月)、19日(月・祝)) 営業時間 : 午前11時〜午後6時 ご利用の際はご留意いただきますようお願い申し上げます。 |
8月22日(月)〜9月10日(土)の休演期間は下記の通り営業させていただきます。
営業日時詳細 営業日 : 火曜日〜日曜日 月曜日は休業させていただきます。(休業日:8月22日(月)、29日(月)、9月5日(月)) 営業時間 : 午前11時〜午後6時 ご利用の際はご留意いただきますようお願い申し上げます。 |
8月16日(月)。『ユタと不思議な仲間たち』多賀城公演が行われました。
多賀城市は仙台市より東に位置し、沿岸部に程近い街です。海岸から1キロ離れた市街地にも高さ5メートルの津波が押し寄せ、およそ3分の1が浸水したといいます。
震災から5ヶ月が経ち、いまだ閉鎖されたままのショッピングセンターなど津波の跡が残るものの、それでも落ち着きを取り戻しつつある街の様子や、何よりも来場されるお客様の笑顔から、「復興」に向けて歩き始めている――カンパニーはそんな希望を感じながら、開演の準備に入りました。

入念なウォーミングアップで集中を高めます。/開演前、舞台裏では持参した手鏡でメイクを施す俳優たちの姿が。
多賀城公演には、午前と午後の2回公演で市内の小中学生とそのご家族、約800名が来場。
ここ多賀城は仙台に近いため、お客様の中には劇団四季の舞台を何度かご覧になったかたも多いようで、「とっても楽しみにしていたのよ」と開場時間よりもだいぶ早くから来場されたご夫婦が。円形舞台をにこやかに見つめていらっしゃいました。
開演を告げるアナウンスが流れると、客席から拍手が。
劇中は大人も子どもも、上体を前に傾けて食い入るようにユタの成長を見届けます。

終演後。会場をあとにするお客様の多くが、やはり涙を流されていました。
それでも涙の中に笑顔を滲ませながら、「俳優・スタッフの皆さんにお伝えください」と、熱い思いと感謝の言葉を、お客様の方からお話しくださる方も。
「震災で、大切な身内の人間を亡くしました。7歳の息子に人の命がいかに尊いものかということを、教えたくてもなかなか伝えきれないでいて……。けれど、この『ユタ』が私たちの代わりに大切なことを教えてくださいました。
残った私たちは、これから前を向いて、精一杯生きることを大事にします」
(息子さんと来場されたお母様)
「テレビでこの東北公演のことを拝見し、俳優さんの中には被災した地域のご出身の方もいらっしゃることを知りました。
きっとその方も大変な思いをしてらっしゃるのに、それを舞台で感じさせず、私たちに“頑張れ!”とエールを送ってくださいました。
だから『一人はみんなのために』という言葉が胸を突き、涙が溢れてしまって……。
そういう一生懸命な人の姿が、私たちを強く励まし、一緒に頑張ろうという気持ちにさせてくれるんです。ありがとうございました」
(お子様と旦那様と来場されたお母様)
「『ユタと不思議な仲間たち』はこれまで2回観ていて、すごく好きな作品です。セットは異なっても、スケールの大きさは変わらず、むしろ震災をうけた後だと今まで以上に、生きることの大変さや素晴らしさや、人との繋がりの大切さといったメッセージが強くに胸に届きました。
またそんな大好きな作品が、こうして大勢の人を励ましてくださっていることがとても嬉しく、多賀城にまで来てくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです」
(塩釜市から来場された女性)

終演後のお見送りの様子。
東北出身の俳優が多くキャスティングされているカンパニーの中で、ここ多賀城に思い入れの深い者がいました。
宮城県仙台市出身の赤間清人(新太役)です。
「多賀城は自分にとって始まりの土地」と話すほど、幼い頃から慣れ親んだ街。
入団前、市民ミュージカルに所属していた赤間は、多賀城市文化センターにて初めてミュージカルの舞台を踏んでいたのです。
赤間自身の実家はこの震災で被災。また変わり果てた故郷の情報をニュースや新聞を通して知っては、何も出来ない自分に悔しさを覚え、一時は無気力状態になってしまったとも打ち明けます。
しかしこのプロジェクトに参加することになり、被災された方々に“前を向いて進んでほしい”と使命感をもって、東北をまわり続けていました。
公演を終えて、赤間は
「『すごいね』、『楽しかったよ』って掛けてくださる言葉や、仲間の元気な姿を見て、僕自身が逆に、前を向いて進んでいく力をもらいました」
とほっとした表情。
東北特別招待公演もあと1週間あまりです。お客様一人ひとりに前に進む力が与えられますように、最後までメッセージを送り続けます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
8月12日(金)。『ユタと不思議な仲間たち』宮城県・気仙沼公演が行われました。

『ユタと不思議な仲間たち』気仙沼公演より
舞台設営とリハーサルのために公演前日の11日から気仙沼入りしていたカンパニー。この日は震災からちょうど5ヶ月目にあたる日です。
地震が発生した14時46分、「皆で悲しみを乗り越えましょう」と 防災放送が流れ、サイレンの音が市内に鳴り響きました。
俳優・スタッフもこのときは作業を止め、気仙沼港に向かって黙祷を捧げました。
気仙沼公演は、一般の方を対象に募集をかけていたため、会場の「気仙沼市立条南中学校」にはほとんどの方がご家族で来場。床に持参されたシートや座布団を敷き、ご家族同士寄り添いながら鑑賞されました。

ご家族で寄り添いながら、『ユタ―』を鑑賞。温かい笑いで満ちました。
「鐘の輪に乗って」のシーンで飛び出す煙の輪を、夢中で追いかける子どもたち。(写真右)
劇中は温かい笑いが幾度もこぼれ、これまでの公演と少し異なりアットホームな雰囲気に。カーテンコールの「友だちはいいもんだ」の合唱では、ハンカチで涙を拭うお母様、笑顔で歌をうたうお子様、そして顔を真っ赤にして眼鏡を外しタオルで涙を拭うお父様の姿もありました。

家族みんなで歌って泣いた、カーテンコール。
終演後。出演者たちと握手をして体育館を去る人たちのほとんどが目を真っ赤にしながら「良かったね、感動したね」と、家族同士、またご近所同士で語り合っていました。
その中で、息子さんを連れたお母様と、そのお母様に寄り添っていらっしゃる女性が。
お母様はしきりに「良かった…、来るべきじゃないかと思ってた。でも、来て良かった」と、タオルで顔を覆い、お連れの女性はそのお母様の肩を抱きながら「うん! 良かった、良かったね……」と優しく声をかけていました。
息子さんは小学5年生とのこと。頬に涙が伝った跡を残しながら、笑顔で「最後、みんなで歌をうたうところがすごく良くって、大泣きしちゃいました。僕、弟だけど、ユタみたいに頑張っていかなきゃ!」
と宣言をするように話します。
多くのお客様がご家族そろってご来場いただいている中で、このご家族は、お母様と、そして弟だという息子さんひとりの、合計ふたり。
ご一緒していた女性は、「(感想を話せなくて)ごめんなさいね。色々あったんです……。でもね、本当に良かったの。彼女、感動しているの。ありがとう」と、涙を流しながら、泣き崩れるお母様の背中をさすり続けていらっしゃいました。
そして去り際に、お母様ご本人が声を振り絞ってひと言、想いを伝えてくださいました。
「“生きろ”って、ことなんですね。分かりました。生きていきます。……ありがとう」

終演後のお見送りの様子。
実は俳優たちもまた、お客様の見えないところで涙をしていました。
カーテンコールのあと、お見送りの準備のためにひと足早く出口に向かう俳優たち。お客様がいらっしゃるまでの間、彼らは涙を拭いて、懸命に笑顔を作ろうとしていました。
被災された人たちにメッセージを直に届けるというコンセプトで、客席と舞台が密接して創られたこの東北の舞台。
しかしそれは俳優たちの視線からも、お客様の真剣な眼差し、笑顔、涙など、すべての表情が読み取れるつくりだったのです。
なかなか涙が止まないでいる俳優たちに公演委員長の吉谷昭雄は明るく「はい、みんなもうお客様来ちゃうよ!」と手を叩いて気を引き締めます。
そして、いよいよお客様が会場から出ていらっしゃると、彼らは目いっぱいの笑顔で「ありがとう」を伝えるのでした。
お客様みんなとお別れをし、静かになった会場でユタ役の上川一哉は、ふう、と息をついた直後、ボロボロと涙を流しはじめました。
ある年配の男性が、何の言葉を掛けるでもなく、ただ泣きながらずーっと手を握りしめて離さなかった、とのこと……。
失ってしまったものの大きさ。経験してしまった、辛い思い。被災した方一人ひとりの傷は、到底計り知れるものではありません。
触れ合うことの出来る時間は短いけれど、自分たちの仕事である演劇が皆様の心の支えになれば――その強い思いを『ユタと不思議な仲間たち』に込めて、カンパニーは舞台を務めています。
お客様との出会いが増えるたびにその思いを強くしながら、カンパニーはこれからも被災地・東北をまわり続けます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
8月10日(水)、『ユタと不思議な仲間たち』南三陸町公演が行われました。

『ユタと不思議な仲間たち』南三陸公演より
滞在している古川市のホテルからバスで片道2時間をかけて、南三陸に入ったカンパニー。緑の木々に囲まれた山道を通っていたバスの車窓は、ある一つの山を越えるとまったく別の光景を映し出しました。
巨大な瓦礫の山。更地と化した一帯に残された鉄骨だけの建物。折り重なる車の塊。道端や丘に打ち上げられた船。その数は1隻や2隻だけではなく、いたるところに点在しています。
南三陸町は、およそ7割が津波によって流されたと言われています。
カンパニーは言葉を失いながらも、この光景を目に焼け付けるべきだと窓の外を黙って見つめながら会場を目指しました。

鉄骨だけが残った建物。/打ち上げられた漁船。その奥には「全世界のみなさんありがとう」というメッセージが掲げられていました。
今回体育館をお借りした南三陸町立歌津中学校は、天皇皇后両陛下が初めて被災地に入られた際に訪問された学校です。
学校の方の話では、震災が発生した当初は体育館内に700名もの避難民が身を寄せたと言います。一人ひとりのスペースは狭く、ひざを折り曲げて座るのがやっとだったとのこと。
5月に入ってからようやく仮設住宅への移住や各地への避難が進み、現在避難所は体育館から小さめの部屋へ移られていました。
それでもカンパニーが公演を行った10日(水)には、いまだ10名ほどの方が避難所で生活。
しかし、ちょうどこの日が避難所生活最後の日でした。夜には、残った全員の方に仮設住宅の鍵が受け渡されたそうです。

歌津中学校の体育館越しに見える海。波が陸を侵食し、震災前はここまで海は見えなかったと言います。(写真左)/
校舎内のいたるところには、日本全国をはじめアメリカ・カンボジア・ベトナムなど海外から送られた応援メッセージが掲示されていました。(写真右)
公演は午前と午後の2回行われ、市内の中学生ほか一般募集で応募された親子連れのお客様500名が来場。また、校内の避難所で生活されている方や校庭に建てられた仮設住宅に住んでいる方もご招待しました。
終演後。お見送りでは中学生たちの顔には笑顔が溢れ、教員の方や避難所の方々の目からは涙が溢れていました。
その中に、出演者一人ひとりに「ありがとう、ありがとう」と肩を震わせ号泣しながら握手を求めていらっしゃる女性が。避難所で生活されていた方です。
「良かった、本当に良かった。劇団四季って名前は知っていたけれど、まさかここに来てくださるとは思いませんでした。
これまで5ヶ月ずっと避難生活をしていたのでね、この先どうなってしまうんだろうって毎日が不安で……。
だけれど、“前を向いて歩こうな”っていう劇団の方たちの応援が心に伝わって……。どれほど私たちの生きる力になったか……本当にありがとうございました」
(避難所で生活されていた女性)
「“見えないところでも、誰かが見守ってる”っていう台詞が、些細なことでも楽しみに変えられる気がして、すごく元気が出ました。
私は家族も家も被害はなく、一人ぼっちではないのですが、周りにはそれらを失ってしまった人がいます。このミュージカルはそういった方たちの励みになると思いました」
(歌津中学校 女子生徒)
「震災の後なので、一つひとつの言葉が胸を打ちました。
辛いことがあっても、次に訪れる喜びを大きく感じられるものなんだ、と物語から教えていただきました。
震災で確かに辛く大変な思いをしましたが、私たちは全国や世界中の方から支援をいただきました。悲しいことだけではなくて、震災があったために喜びとして得られたことが多いのも事実です。本当に、感謝の気持ちでいっぱいです」
(お孫さんと一緒に来場された女性)

カーテンコール時に涙する教職員の方々。/お見送りでは笑顔と涙が溢れました。
また、1回目の公演の様子をご覧になられた歌津中学校の阿部友昭校長先生は、「友だちはいいもんだ」の歌詞を模造紙に書き、体育館の入り口に掲示。
2回目の公演に来場されるお客様を、「一人はみんなのために」の言葉とともに出迎えてくださいました。
「最後の小夜子さんの歌で、必死で堪えていた涙が止まらなくなってしまいました。
でも生徒たちも同じ気持ちだと思います。汗を拭くふりをして、涙をぬぐっていた生徒も見かけましたから。
生徒たちもユタのように、命を大事にして、思いやりの心を持って、夢に向かって頑張って欲しい。
それから『友だちはいいもんだ』は良い歌です。ぜひこれからも学校で歌わせていただきたいと思います」
(阿部友昭 歌津中学校校長先生)
また歌津中学校の卒業式は震災の影響でいまだ行われておりませんでしたが、8月13日(土)に執り行われることが決定。
それを受けて、カンパニーが体育館を去る際、校長先生から
「南三陸の人たちに元気をくださった劇団四季の皆様に感謝の印として、私からの卒業証書を送らせていただきます」
と俳優・スタッフ一人ひとりの名前を書き込んだ証書が送られました。

校長先生が急遽掲示された、「友だちはいいもんだ」の歌詞/校長先生から俳優・スタッフ一人ひとりにプレゼントが贈られました。
津波の大きな爪痕が残された南三陸。この『ユタと不思議な仲間たち』が、復興へ歩む力に少しでもなって欲しいと願いながら、カンパニーは次の公演地・気仙沼へと向かいました。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
8月6日(土)。岩手県にて計5都市(大槌町・大船渡・釜石・宮古・二戸)にわたる公演を終えた『ユタと不思議な仲間たち』カンパニーは、宮城県・石巻市に入りました。
石巻は震災の犠牲者が最も多い地域と言われています。市内の学校43校のうち10校が被災し、他の学校に転居中。海沿いの街はいまだに波がさらったままの状態で、瓦礫の山がいくつも点在していました。
7日の公演を前に、ペドロ役 菊池 正(岩手県・釜石市出身)とダンジャ役 柏谷巴絵(宮城県・仙台市出身)の2名が石巻副市長・北村悦朗氏を表敬訪問しました。
副市長から語られる言葉から、津波がもたらした被害の甚大さと、住民の方々の心と街に残した傷の深さを知らされます。
「子どもたちは傍目には元気のように見えますが、県内で親を亡くした子どもは7〜800名おります。
また全国的に大きく報道され、全校児童108名のうち70名以上が亡くなってしまった大川小学校はこの近くです。現在はまだ3,500名が避難所で生活しておられます。
また街にいたっては陸だったところはまだ波が引かず、海となっているところもあります。
大川小学校の児童をはじめ、どうかみんな明日は震災のことを忘れて『ユタ―』を楽み、これからの心の癒しになってくれればと願っています」

地図を見せていただきながら、被災状況をご説明いただきました。(左から:北村悦朗石巻副市長、菊池 正、柏谷巴絵)/市役所内に掲示された震災時の写真に、言葉を失う菊池と柏谷。
同じ日の午後、地元の子どもと保護者を対象にした交流会が開かれました。
劇団四季の俳優たちが毎日行っているメソッドを伝授し、また明日の公演にそなえて『ユタと不思議な仲間たち』のナンバーを一緒に歌おうというプログラムです。
講師は寅吉役 吉谷昭雄、ユタの母役 あべ ゆき、新太役 赤間清人、ハラ子役 齋藤 舞の4名が務めました。
暑い中にも関わらず身体を元気いっぱいに動かす子どもたち。教室内に笑顔が溢れます。
しかし、『ユタ―』の劇中歌「生きているって素晴らしい」と「友だちはいいもんだ」を歌いはじめると、涙を流される方が。
「歌を聞くだけで涙が出ました。震災があってから、毎日生きていることに感謝しながら生活していますから……。明日はミュージカルが大好きな娘と一緒に観にいきます。楽しみにしています」

交流会の様子。子どもたちの笑顔で溢れました。
そして7日(日)、石巻公演当日。
公演は2回行われ、会場として体育館をお貸しいただいた河北中学校の生徒ほか、市内の小学生と保護者の方々約700名が来場しました。

石巻公演カーテンコールの様子。「みんなは一人のために、一人はみんなのために」と合唱する歌声が、体育館を包みました。
終演後。出演者によるお見送りの際、泣き崩れながらも歯を食いしばり、無言のまま俳優一人ひとりに固い握手を求めていた男性がいらっしゃいました。
校舎が被災し、河北中学校に移転している雄勝小学校の土井正弘校長先生です。
吉谷昭雄は優しい眼差しを向けて、先生の背中を叩きながら「がんばりましょう!」と声を掛けました。
「震災で体験した悲惨さが思い出され、重ね合わせながら観ていました。人間って良いなと思いました。久しぶりに、人生の感動を味あわせていただきました。
私の学校は津波で流されてしまったので、今ここ河北中学校に間借りさせていただいています。児童の6割は転校していき、およそ40名の児童が残りました。この先学校をどうするか、まだ目処は立っていません。
子どもたちの家もまた、流されてしまいました。
皆、悲しみを背負って生きていますが、彼らにはそれに負けない強さを見つけてほしい……。『ユタと不思議な仲間たち』はまさにそれを伝えてくださっていました。
これから子どもたちとしっかり前を向いて歩いてゆきます。今日は、そのための勇気をもらいました。
心から感謝を申し上げたい。
二学期の始業式で、今日来ることが出来なかった児童たちのために、改めてこのお芝居の話をしたいと思います」
(雄勝小学校校長 土井正弘氏)
「私たちは比較的震災の被害は少なかったのですが、震災で家族を亡くして一人ぼっちになってしまった人がいます。そういった方がこの劇を観てくれれば、自分は一人じゃないって、きっと勇気が与えられると思います」
(河北中学校 女子生徒)
「言葉が見つかりません。ただ、代わりに涙が出てしまって……。
今、みんな助け合いながら生きているような状況です。色々な方からたくさんの支援をいただきましたが、劇団四季の皆さんからは心の支援をいただきました。今の私たちにとって、とても大切なものです。
ユタの成長や座敷わらしの言葉から、希望と勇気をいただきました」
(河北中学校 保護者の方)

終演後のお見送りの様子。
7月下旬からスタートした『ユタと不思議な仲間たち』東北公演の旅は、まもなく折り返し地点に入ろうとしています。
これからも、一人でも多くの方に生きる希望と笑顔が取り戻せますように――。
カンパニーは次の公演地、南三陸町へ向かいます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
『ユタと不思議な仲間たち』の原作者・三浦哲郎さんの故郷であり、また作品のモデルとなった場所が残る、二戸。
8月4日(火)、ここ二戸で『ユタと不思議な仲間たち』が上演されました。

会場は「二戸市総合スポーツセンター」。2階席までお客様でいっぱいに。
公演は午前と午後の2回。合計約2200名の市内の小中学生から一般の親子連れのお客様ほか、久慈市、洋野町、野田村など、市外からも子どもたちが来場されました。
これら市外の街は、津波の被害を受けていた地域です。
震災の被害に遭われた方々をこの二戸公演にご招待することができた背景には、市の方々による強力なバックアップがありました。
劇団四季と二戸市との交流が始まったのは遡ること22年前。
1989年の『ユタ―』上演の際に大幅な演出リニューアルが行われることになり、より正しい東北の方言、南部弁が採り入れられることになりました。
そこで当時の俳優たちは南部弁習得のために原作の故郷・二戸に赴き、市のご協力のもと徹底的に身体に入れ込んだと言います。
その折に窓口となってくださったのが、当時市役所に勤務されていた小保内敏幸(おぼない としゆき)氏。
現在小保内氏は市長に就任されており、劇団四季の『ユタと不思議な仲間たち』の公演がある際は毎回カンパニーを熱く歓迎してくださっています。
今回『ユタと不思議な仲間たち』東北特別公演が決まった際にも、市長自ら「私も『ユタ―』を通して被災地を支援したい」と申し出をいただいたことから二戸公演が実現。
市外からやって来る子どもたちのバスの運送費用などは、すべて市の方々の寄付によるものです。

震災の被害を受けた市外の子どもたちがバスに乗って来場。/この公演のために作ったという“ユタTシャツ”を着用して市の職員の方々が運営をお手伝いくださいました。
こうして迎えた二戸公演当日。本作を良く知り、親しんでいる方々が多くいらっしゃることから客席の反応も独特です。
幕開け、ユタが姿を現した時には温かい拍手で迎えてくださり、ユタが成長を見せるクライマックスのダンスナンバーでは、手拍子でユタを後押し。
カーテンコールでは「友だちはいいもんだ」の大合唱となり、客席から「ありがとうー!!」と掛け声が送られました。
「『ユタと不思議な仲間たち』は大好きな作品で、全国ツアーで二戸に来てくださるときにはいつも拝見していました。
今回はこれまでとまったく違った舞台ですね。これほどの舞台を変更してまでも東北で上演しようという劇団四季の熱意が感じられ、途中から涙が止まりませんでした」
(二戸市 一般の女性)
「沿岸の方に住んでいたので家は半壊して、今、片付けをしているところです。今日ミュージカルに呼んで頂き、ユタがどんどん強くなっていく姿を見て、励まされました。
また一緒に来た子どもたちも喜んでいて……。そんな子どもたちの姿が見られたことだけでも、私にとって幸せで、有難いことでした」
(野田村から来場された女性)
「(原作者の)三浦哲郎さんがお亡くなりになってからまもなく1周忌を迎えますが、きっと喜んでいることでしょう。彼は自分の故郷を文章に残すことが使命だと思っていた方です。
自分が最も愛した作品を、劇団四季が小説という枠を越え、舞台というかたちにして全国の人たちに伝え続けてくださっている。そして震災の被害に遭われた方々が、この作品で勇気を与えられている。
三浦さんは幸せだったんじゃないかな、と思いますね」
(「三浦哲郎文学を読む会」会長 沖野 覚氏)
「子どもたちは涙ぐみながら見ていましたよ。彼らにとって『ユタ―』は自分たちの物語ですからね。
またあんなに身近な距離で役者さんたちが演じられているので、汗のしずくや、細かな表情がはっきり見える。
私の生徒たちがそうだったように、一生懸命舞台に立ってらっしゃる皆さんの姿を見ることで、たくさんの方が励まされるでしょうね」
(金田一小学校校長 槻舘行男氏)
またこの東北プロジェクトの活動について、原作本の出版社である新潮社が賛同。ぜひ協力したいとお申し出いただき、来場した子どもたちに本をプレゼントすべく合計650冊の本をご提供いただきました。
これらの本はカンパニーがお預かりするかたちで、1公演につき50冊の本を子どもたちに届けています。
二戸公演でも、カンパニーから小保内市長へと手渡されました。

終演後、二戸に咲く花“りんどう”が市の方々から出演者に贈られました/新潮社よりお預かりした文庫本を小保内市長に贈呈。

お世話になった市長や地元の方々と。
こうして温かく歓迎してくださった小保内市長から最後に、
「これから宮城・福島、そして全国とまわられるのでしょう。どうぞお身体に気をつけて、皆様に元気と勇気を与えてください!」
と熱いエールをいただき、カンパニーはその言葉を励みに次の公演地、宮城県石巻を目指しました。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
宮古公演を終え、次なる公演地・二戸に向かったカンパニー。ここ二戸市は、『ユタと不思議な仲間たち』原作者・三浦哲郎さんの故郷です。
緑に囲まれ虫の音が響く自然あふれるこの場所には、作品のモデルとなったゆかりの地が今も残されています。
8月2日(火)、宮古から二戸までの移動日を利用して、カンパニーは『ユタと不思議な仲間たち』のゆかりの地を巡りました。
本作に携わってきた俳優たちにとってここは特別な場所で、全国ツアーで二戸公演がある際はこうして立ち寄り、同じように作品が生まれた地を巡っています。

『ユタと不思議な仲間たち』のゆかりの地を、バスでご案内いただきました。
ゆかりの場所の中でも全国的に有名なのが、座敷わらしが棲むと言われている「緑風荘」という宿。ユタが座敷わらしと出会う、“銀林荘”のモデルとなった場所です。
劇団の俳優も幾度かここに泊まらせていただき、中には不思議な体験をしたと話す者もいました。
しかし、ここ緑風荘は2009年に火災によって全焼。
再来した吉谷昭雄、菊池 正らは、草が生い茂る野原となった跡地を見て、寂しそうな表情を浮かべながらも、火事という原作と同じ運命を辿ることになったことに、不思議な巡り合わせを感じます。

緑風荘の跡地。「座敷わらし」の看板は今も立っていました。
その後、ペドロの生まれた“ペンドロ沼”や、クルミ先生の学校の“分教場”、ダンジャが生まれた“檀沢”をまわった一向。また飢餓やききん、凶作で亡くなった人々の供養をする石碑が街の中に点在しており、天災によって失われた命の重さと、その事実を改めて思い知りました。

クルミ先生の分教場。/ユタが座敷わらしと“鐘の輪”に乗って空を飛ぶ、“鐘”はここ「長寿寺」がモデルに。

ペンドロ沼があったとされる跡地へ/ダンジャが生まれた“壇沢”。ここは作家三浦哲郎さんの父の実家。
初めてここ二戸を訪れたユタ役の上川一哉は、
「これまで原作を読んで、“どんな場所だろう”ってイメージを膨らませてきましたが、こうして目で見れたことで実感が湧いてきました。今日感じた感覚を大事にして、これからの『ユタ』舞台臨んでいきたいですね」
と笑顔を見せます。
二戸公演中は、緑風荘跡の近くに旅館に宿泊する俳優。1泊目にして、早速座敷わらしの存在を感じさせる出来事があったと、目を輝かせながら話していました。
二戸公演は、明日8月4日(木)。
公演を前に行われたミーティングの場で、吉谷がカンパニーに言葉を掛けます。
「皆さんもよくお分かりの通り、ここは原作の舞台です。また南部弁を話す人たちが見に来ますから、そのことを良く念頭においてくださいね。
また座敷わらしたちは、なぜ自分が命を落として死んでしまったのか、事実をしっかりと伝えるためにも言葉を流さないで、意味を深くしてしゃべりましょう」
草や樹や花、虫の呼吸が聞こえそうなほどの大自然にあふれた『ユタ―』の舞台、二戸。物語の世界の中に入り込んだ特別な舞台が、明日上演されます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
7月30日(土)。4つ目の公演地である宮古公演の3日前、寅吉役 吉谷昭雄、小夜子役 奥平光紀、劇団四季会長 佐々木典夫の3名は宮古市長 山本正徳氏のもとを訪問しました。

山本正徳市長のもとを訪問した、劇団四季会長 佐々木典夫、寅吉役 吉谷昭雄、小夜子役 奥平光紀
「震災以降、市民は感動を求めています。心は沈滞しており、何とか気持ちを上げたいと思っても、自分の力ではなかなかできないのが現状です。ぜひ劇団四季さんの力で宮古の人々の気持ちを上げてください」
と、激励。
また山本市長は、市長室の窓からすぐ目の前に流れている閉伊川を指差しながら、
「ここから津波が押し寄せてくる光景は何度もニュースで流れました。真っ黒い波が盛り上がるようにして湧き上がり、あっという間に街を呑み込んだのです。
最初の2ヶ月は毎日防災無線を使ってライフラインの復旧情報をアナウンスしていました。その際毎回必ず『勇気と希望を持って立ち上がりましょう。宮古は必ずや復興します』と呼びかけるようにしています。その放送も、今では回数が減りました。
あと1週間で市民全員が避難所から仮設住宅に移る予定です」
と震災について状況をお話しくださいました。
実際、市長自らがアナウンスするこの放送を、朝耳にしていた俳優たち。ここ宮古に来て、地元の方の力強い発言や観光地の再開などから、わずかながらも復興の兆しを感じた気がしていました。

表敬訪問の後、車を降りて町の様子を見渡す吉谷昭雄と奥平光紀。/津波によってなぎ倒された信号機。
そして8月1日(月)、河南中学校の体育館にて宮古公演が行われました。
公演は午前と午後の2回行われ、河南中学校を含めて市内6校の小中学生ほか、一般の方も来場。合計1,300名以上の方が招待されました。
終演後のお見送りの際には「良かったです!」と、俳優一人ひとりに力強い握手を求める男子中学生や、涙ながらに感動を訴えてくださる女性のお客様が。
また公演が終わった後も「友だちはいいもんだ」を口ずさむ生徒たちの歌が、校舎内から聞こえてきました。
「震災に遭った私たちに勇気を与えてくれる舞台だったと思います。
家や家族を失った人が多い中で、今日の劇団四季さんのように自分たちを励まそうとして頑張っている人の存在は心の支えであり、明日も頑張ろうと生きる活力になると思います」
(花輪中学校 女子生徒)
「きれいな歌声と切れのあるダンスで、本当に素晴らしかったですよ。
私は海沿いに住んでいたものですから、家は津波ですべて流されたんですね。震災の話をするとどうしてもまだ涙が出てしまうのですが……今日ミュージカルを観て流した涙はこれまでの涙と違いますね。お芝居の中で“生きるってことは大切だ”ということを唄ってらして、それがどんなに勇気と感動をくれたか……。来てくださって、本当にありがとうございました」
(一般女性)

ユタがたくましく成長してゆくクライマックスシーン。
またカーテンコール時に、生徒たちのそばでひと際大きな拍手を送ってくださった方が。体育館をお貸しいただいた河南中学校の佐々木校長先生です。
「友情や命の大切さを描いたテーマが、震災に遭った子どもたちにとってタイムリーな内容。この舞台を観せていただいた価値というのは、非常に高いと思います。
震災直後の子どもたちというのは、“頑張り過ぎて”いたように思うのです。周りから『頑張っていかなきゃいけない』と声を掛けられる度に、エネルギーを出して自らを奮い立たせていました。
その姿は私の立場から見ると、心が疲れないだろうかと心配になっていた部分でもあるんです。
だから今日は色々な大切なことを学びながらも、純粋に舞台の楽しさを満喫して、力を抜くことが出来たんじゃないかなと思います。
ユタがあのような成長を見せたように、子どもたちには自分の弱い部分もさらけ出しながらも、無理せず自分の力で前に進んでいけばいいんだということを、無意識のうちに気づいてくれたらよいですね」
また、この公演を支えてくださった教育委員会 文化課長の竹下將男さんは
「ユタが“勇気”の“勇太”になる変わり目。あそこは涙が出てしまいましたよね。
観客と近いところで役者さんが演じられるという環境が、一層心を掴むことになったのでしょう。またこういう時期ですから、普段以上に子どもたちの感情に届いたことと思います。
それは帰りがけの皆さんの顔を見ればよく分かりますよね。長い間子どもたちの記憶に残ることと思います」
と、しみじみとお話しくださいました。

身を乗り出して、ユタの成長を見守る子どもたち。
地元の方の熱い思いに支えらながら、カンパニーは『ユタと不思議な仲間たち』の舞台となったゆかりの地、二戸に向かいます。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演 初日VTR
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
7月25日(月)、岩手県・大槌町の吉里吉里中学校にて『ユタと不思議な仲間たち』特別招待巡演が始まりました。

東日本大震災の被災地・東北の子どもたちの元気と笑顔を取り戻したい――。
劇団四季のオリジナルミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』を被災地の子どもたちに届ける東北巡演プロジェクトが決定したのは今年の5月のこと。
この2ヶ月間の道のりは、四季にとっては非常に長い道のりでした。
現地視察に赴いたのが6月上旬。その日から技術スタッフ陣は演出変更のプランニングと新しい舞台の制作を進行。同時に俳優たちは新しいステージングと振り付けを身体に入れる稽古を連日行ってきました。
劇団創立以来最大とも言える大規模なこのプロジェクトをなんとしてでも実現すべく、劇団員が一丸となって準備を進め、ついにたどり着いた、今日の初日。
開演前、演出家・浅利慶太は「無事に成功するだろうかと心配な気持ちもあります」と正直な心の内を話しながらも、
「“生きる喜び”、“生きることの感動”、“生きているって素晴らしい”ということ。それが子どもたちに届けば良い。
それからどんな環境でも情熱を持って生きていけば、人生は変わってくるんだよ、ということを伝えたい」
と静かに熱く語りました。

津波被害の爪痕が残された街。右奥は大槌町役場/東北特別招待公演の意気込みを語る演出家・浅利慶太。

学校に到着すると、生徒の皆様が歓迎してくださいました。/学校の視聴覚室をお借りして、ウォーミングアップをする俳優たち。集中力を高めます。
公演には会場となった吉里吉里中学校の生徒96名のほか、震災後同中学校内に移転した大槌中学校の生徒287名、そして地域の小学生5校102名と教員ら総勢560名が来場。
大槌中学校の生徒は、修学旅行で『ライオンキング』を観劇する予定でした。しかし震災の影響からやむを得ず中止に。そんな中、招待公演の実施が決定し、今日の日を心から楽しみにしてくださっていたのでした。

7月半ばに、劇団宛に届けられた大槌中学校からの便り。このメッセージを胸に、カンパニーは東北に旅立っていました。
この日ばかりは見慣れた体育館が劇場へと様変わりし、子どもたちは驚きの表情を浮かべます。円形の舞台に沿って着席。
劇中は子どもたちの明るい笑い声が聞こえ、激しいダンスナンバーでは集中して舞台を食い入る姿が見られました。

子どもたちの笑い声が体育館に響きました
カーテンコールは、劇中のテーマ曲「友だちはいいもんだ」をみんなで合唱。“一人はみんなのために、みんなは一人のために”の歌声が体育館に響き渡りました。

カーテンコールの様子

出演者に見送られながら、生徒たちは教室、また他校から来た生徒はバスで学校へ。
終演後、俳優たちに思い掛けないサプライズがありました。生徒たちから感謝の言葉が送られたのです。
「この震災で私たちは家や家族などたくさんの大切なものを失ってしまいました。その悲しみは語りきれないもので、立ち直ろうという気持ちにはなかなかなれませんでした。
しかし、今私たちは世界中の人から応援をいただいていて、そのお陰で少しずつですが笑顔と元気を取り戻しています。
この公演でも勇気を踏み出そうというメッセージが伝わり、復興への大きな力になりました。
勇気と希望を持てば、ここ大槌町も以前のように活気のある元気な街になることを信じ、感謝の気持ちを忘れずに明日へ一歩一歩、歩んでいきます。ありがとうございました」
この力強いメッセージから、逆に勇気をいただいた俳優たち。ユタ役の上川一哉は「ありがとうございました」と、涙をこぼしながら精一杯のひと言を伝えました。

大槌中学校の生徒から感謝の言葉に、カンパニーは強く励まされました。
無事に大槌町公演を終えた『ユタ』カンパニー。明日は次なる公演地、大船渡へ向かいます。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演 初日・大槌町公演VTR
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
7月29日(金)、東北巡演3ヶ所目、釜石公演が行われました。
今回会場としてお借りした釜石中学校の体育館は、避難所として使用され、大勢の方々がここで生活していらっしゃいました。
現在は仮設住宅等への転居が進み、体育館は空いたものの、校舎内の武道場や旧体育館はいまだ避難所として使用。
また同校には、全壊してしまった釜石東中学校が間借りするかたちで転居し、同じ校舎内で2つの学校の生徒が勉強されています。
公演は午前と午後の2回行われ、午前の部には鵜住居(うのすまい)小学校や唐丹(とうに)小学校など市内6校より5・6年生の、計485名が来場しました。
両校もまた津波による甚大な被害を受けて校舎が全壊。他校の教室を間借りして授業を受けています。

子どもたちの明るい笑い声が響きました。
午後の回には釜石中学校の生徒ほか、校内の避難所や仮設住宅で生活されている方など一般の方も来場されました。
劇中は子どもから大人まで終始笑い声が絶えず、命の尊さを唄った「生きているって素晴らしい」のナンバーの終わりには、歌詞への共感を表すような温かい拍手が。
またクライマックスの「ユタの体力づくり」では、一人、二人、そして三人と手拍子が起こり始め、皆がユタの成長を応援してくださいました。
四季の舞台を初めてご覧になる方が圧倒的に多い中で起きた自然な拍手や笑いに、いつしか舞台と客席の間に一体感が。

そしてカーテンコールになると、笑顔で溢れた本編から一転して、女性も男性も子どもも、ほとんどの方が涙を流され、唇を震わせながら「友だちはいいもんだ」を合唱しました。

涙で迎えたカーテンコール。
真っ赤な目をしながら笑顔で「元気が出たよ!」と声を掛けてくださるお客様に、俳優たちは涙で声をくもらせながら「ありがとうございました」と、一人ひとり固く長い握手を交わしました。

「家が半壊して、今は家族と仮設住宅で暮らしています。ユタが頑張っていたので、僕も頑張らなきゃと思いました」(鵜住居小学校 6年生男子)
「真夏の暑いときに、私たちを応援するために来てくださってありがとうございます。
縮小した舞台を上演するのではなく、東京と変わらない舞台を釜石まで来て上演してくださった。
そして皆さんが私たちのために一生懸命やってくださった。それがとにかく嬉しかった……。
震災でたくさんの方が応援してくださり、それらを比較することは出来ませんが、今日のはまた格別でした」(女性のお客様)
この公演に尽力してくださった教育委員会職員の立石 孝さんは、
「こんなに近い距離で舞台が観られるなんて、子どもたちにとってこんな体験はもう無いかもしれませんね。
震災で失ったものは多く、取り戻すことの出来ないものはたくさんあります。
けれど劇団四季さんをはじめ、多くの方々が釜石に来てコンサート等を開いてくださいました。震災がなかったら、おそらくそれは経験することが無かったことかもしれません。
子どもたちに夢を与えてくださったことは本当に有難く、希望をいただきましたよね」
と語りながら、舞台の撤収作業をスタッフに交ざって作業してくださいました。
そして、「ボランティアでいいから故郷・釜石に行きたかった」と思い続けてきたことが、舞台を通じてその役目を果たすことが出来た菊池。
「ホッとしました。お見送りで皆さんと触れ合ってようやく、ああ、伝えたかったことが伝えられたんだなという実感が沸きました。
『ユタ』には長く出演していますが、今日はこれまで経験したことのない反応でした。お客様が感動の空気を作ってくださった。
出身地ということでこの釜石公演に対しては色々な思いはありましたが、舞台への心構えというのはどの公演地においても変わることはありません。被災した人たちの苦しい思いに大小はありませんからね。
東北公演はまだ始まったばかりですから、これからも頑張りますよ!!」
と、右手にこぶしを作り、晴れやかな笑顔を見せます。

地元の方々がボランティアで撤収作業を手伝ってくださいました/釜石公演を終えて撤収作業をする菊池 正。
この日の会場の一体感は、大切なメッセージを届けるために東北を旅するカンパニーにとって、強い手応えを感じた公演となりました。この思いを胸に、次の公演地宮古に臨みます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
『ユタと不思議な仲間たち』釜石招待公演を翌日に控えた7月28日(木)。
ここ岩手県・釜石市出身の菊池 正、宮城県出身の柏谷巴絵、劇団四季会長・佐々木典夫の3名は釜石市長の野田武則氏のもとを訪問しました。

左から:野田武則釜石市長、菊池 正、柏谷巴絵、劇団四季会長 佐々木典夫
「よくおいでくださいました。公演を実現してくださって、誠にありがとうございます」と歓迎してくださった野田氏は、震災について「自分が生きている間にこんな震災に遭うとは思いもしなかった。私だけでない。みんながそう思っていた」と話し、当時の状況と子どもたちの様子を詳しく説明してくださいました。
「ライフラインが途絶え、3日間閉じ込められました。自衛隊の姿を見た瞬間、“ああ、助かったんだ”と思いましたね。
釜石市が津波に襲われる映像はニュースですぐに流れましたが、情報を持つ術がなかった私たちはここ周辺だけが被害にあったものだと思っていました。ところがそうではなかった。情報が入ってくるようになるにつれ、事態の深刻さを知りました。
釜石市の学校は3校が全壊。これらの学校は別の学校に移設して、今授業を受けています。
明日児童が鑑賞に来る鵜住居(うのすまい)小学校もその一つ。日頃から避難訓練を徹底していたお陰で生徒は全員無事でしたが、ご家族を失った児童は30名います」
また、「ニュースで津波の映像を見て、私はここ(東京)にいていいのかな、という疑問が常に頭にありましてね……。ボランティアで行きたいって、思っていたんです」
と複雑な表情で話す菊池を心配し、市長は彼の実家のある地区の状況も教えてくださいました。
これまで2公演を終え、出会った子どもたちが元気でいる姿を見てカンパニーが逆に勇気づけられていることをお伝えすると、
「一見元気そうに見えますが、子どもたちの心の奥にある傷は深く、癒えていません。だからと言って、皆様は心配なさらないでください。“生きる”というメッセージを送り続けること。それが今の子どもたちに大切なのですから」
と激励をいただきました。
その後、吉谷昭雄、菊池 正、道口瑞之、あべ ゆき、柏谷巴絵、和田侑子の6名は鵜住居小学校の5・6年生を対象にしたソングセミナーを実施しました。
この学校は、先に市長からお話いただいたように、校舎が全壊してしまったため現在小佐野小学校に移設。
明日、公演を観に来てくれる彼らと、劇中歌の「生きているって素晴らしい」と「友だちはいいもんだ」を練習し、合唱しました。

鵜住居小学校児童との交流の様子
このあと菊池は、ある方にお会いするため、津波の被害を受けた「釜石市民文化会館」を訪れました。菊池が面会したのは、釜石教育委員会元職員の立石 孝さん。
実は釜石公演が上演されるまでには、立石さんほか、地元の方の熱い尽力と働きかけがあったのです。
釜石市での劇団四季公演は1991年に上演した『雪ん子』以来、行われておりませんでした。しかし、劇団四季をもう一度釜石に呼んで子どもたちに観せてあげたいと願っていた立石さんは、同郷の俳優が劇団にいると知って菊池を頼って連絡。その熱い思いを受け取った菊池は仲立ちとなり、公演実施に向けて動いてきました。
その甲斐あって、ついに釜石公演が今年9月に決定。「こころの劇場」(児童招待公演)の『はだかの王様』が上演されることになりました。
10年ぶりとなる念願の劇団四季公演に、立石さんや地元の方々はとても喜び、感謝してくださったと話します。
しかし、会場予定だった「釜石市民文化会館」は津波の被害に遭って半壊。公演は中止となってしまいました。
ところがその後、東北巡演プロジェクトが始動。『ユタと不思議な仲間たち』釜石公演が実現することになったのです。
市民文化会館で立石さんと再会した菊池は、握手を交わします。そして1階部分がほとんど津波に流されてしまった劇場を案内いただきました。
『はだかの王様』を上演する予定だったホールはすべて椅子が撤去され、むき出しの状態に。
立石さんは、「シートが古びてきたので張り替えようとした矢先に震災。このような状況でシートを取り外すことになるとは思いもしませんでした」
と無念の色を浮かべます。
また震災時、会館は公共施設ということで避難所として使用することになりつつありました。しかし大津波が来るかもしれないという知らせが入り、集まった人たちはすぐに別の高台へ避難。
その直後に3メートル以上の波が押し寄せましたが、皆すでに避難を終え、人命の被害は免れたそうです。

半壊した釜石市文化会館/釜石公演において尽力くださった立石 孝さんと菊池 正

会館内の様子。壁には波で浸水した跡が残されていました/2階は現在、ボランティアや自衛隊の方々が集められた拾得物の管理場所に。
明日の『ユタと不思議な仲間たち』釜石公演に向けて舞台設営とリハーサルが行われていた釜石中学校の様子を、立石さんは窓の向こうから見つめていらっしゃいました。
「こういう形で実現させてくれて本当にありがたい。私が手伝わせてもらったのは、ただ最初の方だけ。あとはもう、みんなが楽しんでくれればそれで嬉しいです」
これらの情報は、その日のうちに、俳優ミーティングの場で伝えられました。
四季の舞台を心から待ってくださっている方々がいる。公演を実現するまでには多くの方々の、大きな力がある。
“生きる勇気”、“仲間の大切さ”。四季は『ユタと不思議な仲間たち』の舞台から、メッセージを発信し続けます。

釜石市の現状が伝えられた、俳優ミーティング。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
7月27日(水)、『ユタと不思議な仲間たち』東北巡演2ヶ所目の大船渡公演が行われました。
会場は大船渡市立第一中学校。午前と午後の2回公演が実施され、市内の小中学校から合わせて約700名の生徒が鑑賞しました。
第一中学校の生徒の皆様は、先生のはからいにより本作のテーマ曲「友だちはいいもんだ」を事前に練習してくださったとのこと。実際、前日に舞台設営のため学校を訪れていた際、各教室から「友だちはいいもんだ」のきれいな合唱が聞こえてきていました。
「みんなでこの日のために準備をして、ずっとずっと楽しみにしていたんですよ」と、先生は嬉しそうに話します。
上演中は終始生徒たちの明るい笑い声が響き、いじめられっ子だったユタがたくましく成長を見せるダンスシーンでは、前のめりになりながら小さく手拍子をして一身で応援してくれている子どもの姿がありました。

笑顔で溢れた公演。/子どもたちは祈るようにしてユタを一生懸命応援してくれました。(写真右)
終演後、大船渡第一中学校の生徒会長を務めている女子生徒から、出演者らに感謝の言葉が送られました。
「今日は、お忙しい中私たちにミュージカルを観させていただいて本当にありがとうございました。
震災でたくさんの命が奪われてしまって悲しい思いをたくさんしましたが、生き残った命も大切だということを教えてもらいました。
これからは私たちが引っ張って、故郷を復興出来るようにがんばっていきたいと思います」

終演後、第一中学校 生徒会長から感謝の気持ちが伝えられました。
津波の大きな爪痕が残されたままの街を通りながら学校に入ったカンパニーにとって、子どもたちの前向きな力強い言葉と笑顔には、ただただ感動と、大きな勇気をいただくばかりです。
子どもたちからもらった「ありがとう」の言葉を胸に、次なる公演地、釜石市を目指します。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
昨日25日(月)に『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演を無事にスタートしたカンパニー。
26日(火)、カンパニーは2つ目の公演地、岩手県大船渡の会場「大船渡第一中学校」に入りました。今日は本番に備えての準備の日。舞台設営とリハーサルを行い、明日の公演に臨みます。
東北巡演中は、舞台仕込み作業を俳優も率先して行います。
それは、スタッフがわずか9名と少人数で構成されているという理由のほかに、このプロジェクトはセクションの垣根を越えて、一丸となって公演に臨むべきだと考えられているから。
舞台監督の指示のもと、男性陣はトラックから荷物を体育館に運び入れ、床を張り、舞台セットのよしずやススキをセッティングしてゆきます。

汗をこぼしながら舞台設営を行う男性陣。
その頃女性陣は出演者みんなの衣裳を洗濯していました。これら衣裳の運搬は、普段はトラックに積んで輸送しますが、今回は小さめのトラックで巡演しているため、俳優自身が毎回手荷物として運んでいます。
この東北巡演はみんなが協力し、補い合って公演が成り立っているのです。

何度も洗濯機を回して大量の衣裳を洗濯する女性陣。
そんな俳優・スタッフの設営準備の様子を、体育館の入り口から生徒たちが興味深そうにこっそり覗きに来ていました。やがてその数はいつしか大人数に……。
そんな生徒たちから「協力できることがあったら、ぜひ手伝わせてください」という嬉しい申し出が。
明日観劇するための椅子の設置や片付けなど、手際よく手伝ってくださいました。

明日の公演を楽しみに待つ生徒の皆様が設営の準備をしてくださいました。
彼ら、彼女たちの大きな力を借りて、舞台設営が終了。その後は入念な舞台リハーサルを行い、万全の状態で明日の公演に臨みます。

舞台リハーサルの様子
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
7月23日(土)、特別招待公演に向けて『ユタと不思議な仲間たち』カンパニーが東北へと出発しました。
東京駅から新幹線で岩手県・新花巻駅へ向かった一行は、バスに乗り換えて夜のうちに宿泊地へ。

東北に出発した『ユタと不思議な仲間たち』カンパニー。写真は東京駅にて。
そして本日24日(日)朝、初日公演会場となる大槌町立吉里吉里中学校に入りました。
スタッフを乗せたバスは朝7時前に宿泊地を出発し、ひと足先に学校に到着。
海に向かって黙祷を捧げると、舞台・大道具・小道具・照明・音響・衣裳・床山・営業の各スタッフは、セクションの垣根を越え、総出で舞台設営に取り掛かります。

黙祷をするスタッフ/その後、『ユタ』東北版の舞台設営に取り掛かりました
ほどなくして、俳優を乗せたバスも到着しました。同じように黙祷を捧げた後、公演委員長の吉谷昭雄は全員に言葉を掛けます。
「今バスの中から見た街は、想像を絶した光景でした。我々がここで何をすべきか、目的は一つです。謙虚な気持ちで、ただ見てもらいたいという一身で、やっていきましょう」

黙祷をする俳優/東北巡演の意気込みを表する吉谷昭雄(右)
舞台設営が進行している間、吉谷昭雄(青森県出身)、菊池 正(岩手県出身)、あべゆき(山形県出身)、柏谷巴絵(宮城県出身)の4名は、会場から車で5分ほどの場所にある避難所、大槌町立安渡小学校を訪問しました。
温かい拍手で出迎えてくださった皆様に、まずは一人ずつ名前と出身地を告げて自己紹介。
特に菊池がここ大槌町から程近い釜石市出身であることが伝えられると、驚きの表情を浮かべられていました。
菊池は込み上げる涙を抑えながら、伝えます。
「皆様は今もなお、大変な生活をしていらっしゃると思います。私は東京で過ごしていましたが、ここのことを忘れたことは、ありません」
俳優たちがこの日のために企画したのは、『ユタ―』のナンバーから二つの曲を一緒に歌うというもの。その曲とは、「生きているって素晴らしい」と「友だちはいいもんだ」。
震災で傷ついた方々に四季が伝えたいメッセージが凝縮された、作品の代表的なナンバーです。
生きているって素晴らしい 今日から 明日へ希望がつづく
生きているって素晴らしい 大きくのびて 行けるんだ
でっかい夢を追いながら 大地を踏んで 行けるんだ
(「生きているって素晴らしい」より)
友だちはいいもんだ 目と目でものが言えるんだ
困ったときは力を貸そう 遠慮はいらない
いつでも どこでも 君を見てるよ
愛を心に 君と歩こう
みんなは一人のために 一人はみんなのために
(「友だちはいいもんだ」より)

避難所訪問の様子
思いを乗せて俳優たちが語りかけるように歌うと、覚えたての曲を涙しながら一生懸命うたってくださる方が。最後には、みんなで輪になり肩を組んで、もう一度“みんなは一人のために”と、「友だちはいいもんだ」を合唱しました。

皆で円になり、“みんなは一人のために”と合唱しました。

昼食には地元大槌町の方々のご好意で、炊き出しを提供いただきました。
避難所の皆様から明日の公演へのエールを頂いて送り出された一行は、『ユタ―』の舞台が作られた体育館へ戻り、舞台稽古を始めました。
日が暮れ始めた頃に、稽古は終了。最後に演出家の浅利慶太が俳優たちに檄を飛ばしました。
「みんな今日街の光景を見ただろう。こんなに大きな被害を受けた子どもたちが明日、見に来るんだ。
我々劇団が伝えたいことが凝縮された舞台を、確実に一人ひとりの子どもに届けるんだ」

舞台稽古の様子/稽古終了後、明日からの東北巡演について演出家・浅利慶太と振付家・加藤敬二から檄が飛ばされました
東日本大震災の被害を受けた方々に、作品を通して生きる勇気を与えたい――。
いよいよ明日、『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演の旅が始まります。
『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演 取材会VTR
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
7月25日(月)岩手県・大槌町公演より、『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演が始まります。
このプロジェクトに携わる者の多くが、東北出身者。故郷を東北にもつ出演者たちが、『ユタ―』東北公演の舞台に立ち、大切なメッセージを届けようとしています。
出発を目前に控えた、東北巡演に懸ける出演者たちの想いをご紹介いたします。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演 取材会VTR
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
7月25日(月)岩手県・大槌町公演より、『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演が始まります。
このプロジェクトに携わる者の多くが、東北出身者。故郷を東北にもつ出演者たちが、『ユタ―』東北公演の舞台に立ち、大切なメッセージを届けようとしています。
出発を目前に控えた、東北巡演に懸ける出演者たちの想いをご紹介いたします。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演 取材会VTR
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
7月18日(月)・19日(火)の2日間にわたり、『ユタと不思議な仲間たち』東北公演に向けての公開稽古が行われました。

これまで稽古は仮設のセットを利用して行われてきましたが、総仕上げに向けて稽古場には本番用の道具・照明・音響設備が仕込まれました。これで、実際に上演される体育館と同じ環境に。
舞台後方には背の高いよしずが立ち並び、円形にかたどられた床には緑のススキが植えられてゆきます。
これが『ユタと不思議な仲間たち』東北版の舞台。草や木が生い茂る美しい東北の風景は、体育館の劇場でもしっかりと再現されています。

本番用の舞台道具・照明・音響設備がセッティングされました。
稽古は関係者に公開され、劇団員の家族も来館。円形の舞台を囲むようにして、床の上に着席してゆきます。
身体に伝わる振動。はっきりと見える飛び散る汗。降って来るような力強く美しい歌声。目と目で伝わる感覚。
ステージと客席が同じ空間の中に存在する舞台は、ユタや座敷わらしたちの言葉を、ストレートに客席に届けます。
そして大きなエネルギーと、熱いメッセージを受け取った見学者たちの目からは大粒の涙が……。隣同士、涙でぬれた顔を気恥ずかしそうに照れ笑いする姿も見られました。
明るい客席は、いつしか観客同士の一体感も芽生えさせていたようです。

終了後。エネルギーの余韻が残る稽古場で、演出家・浅利慶太や振付家・加藤敬二は最後まで出演者らに求め続けました。
「『居て・捨てて・語る』を肝に銘じて、淡々と『ユタ』の世界を生きること。観客の反応を決して意識しないように。リアルな交流を描くことで、観客ははじめて作品に感動するのだから」
「指の先まで、身体の末端まで神経を張りめぐらせて、強く、必死で求めてください」
「座敷わらしは、思いつきでユタを助けようと思ったわけではない。この世で生きられなかったから、人のために何か役に立ちたいと、ずーっと思ってきたんだよね?ポージングだけでなくその意思をちゃんと見せて。“一人はみんなのために”って、その意思を届けに東北に行くんでしょう?」
「カーテンコールでは子どもたちの心に踏み込むくらい、一人ひとりの目をしっかり見て、訴えて、語りかけて」
この後稽古場の外で旅支度を始める出演者たちに、仲間の劇団員たちが声をかけ、エールを送る姿がありました。
「この舞台に参加できることは素晴らしい。しっかり、東北の方たちに届けてきてね」
「大変な旅になると思うけれど、頑張って。東京から成功を祈っています」
創立58年を迎えた劇団四季が挑む、大きなプロジェクト。
舞台装置に頼らない、芝居の原点である演劇を、東北に届けます。

『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演 取材会VTR
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
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7月12日(火)、横浜市にある四季芸術センターにて、『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演の合同取材会が催されました。
東北公演は7月25日(月)から8月26日(金)までの1ヵ月をかけて、東北3県(岩手・宮城、福島)の計13都市を巡演。地域の子どもたち中心に約13,700名をご招待させていただく予定です。
上演場所は学校の体育館。スペースや設備面において、これまで上演してきた劇場環境とまったく異なるため、振付をはじめ舞台セットや照明などの演出プランを一新する、“東北バージョン”で臨みます。(※東北巡演プロジェクトについて>>)

合同取材会の様子
このプロジェクトについては多くのマスコミの方々からも注目をいただいていたため、この度取材会の場を設けて稽古や公演計画の進行状況についてご説明させていただくこととなりました。
報道陣は、朝から始められた小返し稽古と午後には1幕の通し稽古を見学。
“子どもたち(観客)に囲まれ、子どもたちと同じ視線で演じる”というコンセプトの基に作られた新しい舞台で、実際に観劇する子どもたちと同じ目線で見学いただきました。

1幕通し稽古の様子
通し稽古終了後には会見が開かれ、演出家・浅利慶太、振付家・加藤敬二、俳優の吉谷昭雄、菊池 正、上川一哉、奥平光紀が登壇。東北公演プロジェクトを決定するまでのいきさつや、公演に懸ける思いをそれぞれの言葉で語りました。

浅利慶太 「東北の失われた美しさや豊かさを子どもたちの心に取り戻すためには、この作品を上演するのが最も相応しいと考えました。上演するのであれば、特に被害の大きい沿岸部をまわるべきだ、と。
しかし劇場は被災してありませんから、舞台の無いところでも上演できるよう、平面で芝居をするというプランを立てました。子どもたちと同じ目線で、手と手をとり合う、新しい発想の舞台です。
しかし同時に“芝居”という語源は、“芝の上で演じる”ということに由来します。
そういった意味では、一つの床の上で演じるこの東北用の舞台は、本質的な意味も持ちあわせた良い舞台になる、そう感じています」
加藤敬二 「『ユタ―』のほとんどのシーンは野外です。ですから演出家から『芝の上でも演るぞ』とこのプロジェクトの話しを聞いた時、この作品にとっては面白い方向にいくのではと思いました。
実際上演する場所は体育館となりましたが、それでも客席と密接した距離感は、ユタと同じように、子どもたちにしっかりと生きる勇気が与えられる環境だと思います。
この作品を通して被災地の皆さんに、明日という光が灯すことができれば幸いです」
吉谷昭雄(青森県出身) 「これまでは豪華なセットや照明の中で演じていましたが、今回はご覧いただいた通り、わずかなセットとフラットな床の上で上演することになります。体育館は、冷房も無いでしょう。しかし私共はどんな過酷な条件であれ、やり抜く覚悟でございます。待ってくださっているお子様方の心の中に、“生きていく”という心の種をまいていければ良いなと思っております」
菊池 正(岩手県出身) 「子どもたちとの距離が近い分、芝居における細かい心理の動きや交流について嘘はつけないと痛感しております。精一杯、やらせていただきます」
上川一哉 「辛く悲しい日々を送るユタの気持ちは、被災された子どもたちと通じるものがあるのではと思います。だからこそ、嘘のないリアルな芝居をするよう肝に銘じて演じてまいります」
奥平光紀(青森県出身) 「小夜子の台詞の中には、作品の大切なメッセージとなる言葉がたくさんあります。“人間は大きな自然からパワーをもらって見守られながら生きている”。このメッセージを、被災地の皆様にしっかりと届けることが出来るよう、努めてまいります」

演出家・浅利慶太/振付家・加藤敬二/寅吉役・吉谷昭雄/ペドロ役・菊池 正/ユタ役・上川一哉/小夜子役・奥平光紀
また「地元である被災地で公演を行う意気込みは?」という記者からの質問に対し、岩手県釜石市出身の菊池は話の途中、思いが込み上げ、言葉を詰まらせながらその胸中を語りました。
「テレビの報道で、地元の釜石が津波に呑み込まれるのを見たんですね。すごいショックを受けまして、自分も何か役に立ちたい、ボランティアでも良いから行きたい、そう思っていました。
そんな時に浅利先生から話があり、このプロジェクトに参加させていただくことが出来ました。とても幸せに思っています。
子どもたちはもちろん、大人も心に計りしれない傷を負っていると思います。その方々に『ユタ―』をご覧いただくことで、心の支えとなる“何か”を受け取っていただきたいと思います」
“みんなは一人のために、一人はみんなのために――”。思いやりの心で包み込む『ユタと不思議な仲間たち』東北公演は、およそ2週間後の7月25日(月)岩手県大槌町公演を皮切りにはじまります。

『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演 取材会VTR
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
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四季芸術センター内にある小道具工房。
『ユタと不思議な仲間たち』東北公演に向けて、ここでは小道具スタッフが東北バージョン用に改良した道具を制作していました。

今彼らがイチから作り上げているのは、狛犬(神社などに祭られている獅子や犬に似た像)。
この狛犬は、主人公の少年ユタがいじめっ子たちに囲まれ捕まりそうになった時、突然犬のように動き出し、ユタを守ります。
これはユタを助けるための、座敷わらしのいたずら。
今回、大幅な演出変更となった場面の一つに、これら座敷わらしが起こす不思議な力の表現方法が見直されました。
従来の舞台装置が使用できないところは、新しい東北バージョンの舞台に合った演出で行われます。
この狛犬については、シンプルで素朴な東北版の舞台の雰囲気に合わせるため、これまでのリアルで精巧に作られたものから一新。
険しい狛犬の表情や毛並みを木の板に一筆一筆丁寧に描きいれ、シンプルながらも味わい深く仕上げられようとしていました。

同時に、狛犬を動かすための仕掛けも施されます。
目を赤く光らせ、身体を反り、口を大きく開いて、前足を動かして子どもたちを威嚇。
「狛犬の作業員は一人ですから、これだけの動きをスムーズに行うためには一つの操作で複数のアクションが行えるような仕掛けが必要です。筆のタッチや動き方などデザイナーの要望に応えながら、どういう仕掛けを作るか、色々なパターンを考えました」
と、小道具スタッフは話します。
実際、狛犬の登場時間はほんのわずか。しかし最後まで調整を続けながら、東北の舞台に届けようとしています。

試演会で新しい狛犬が披露されると、会場から温かい笑いがこぼれました。
「『ユタ』を観ている瞬間だけは、苦しいことも辛いことも忘れて楽しんでほしい。僕たちの作った狛犬は舞台の一部に過ぎませんが、そういう思いで作りました」(小道具スタッフ)
シンプルながらも素朴で温かい舞台となりつつある、『ユタと不思議な仲間たち』東北版。
キャスト・スタッフ、心を込めて、届けます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別公演に向け、劇団四季の各セクションスタッフは“東北バージョン”となる新演出プランの制作を行っていました。
東北公演の会場は、学校の体育館。
これまで『ユタ―』を上演してきた劇場とまったく異なる環境という逆境に対し、演出家や美術デザイナーらは舞台セットをただ単にダウンサイズするのではなく、体育館という空間を活かしたプランで再構築しました。
“子どもたち(観客)に囲まれ、子どもたちと同じ視線で演じる”をコンセプトに、舞台(ステージ)を使わず、子どもたちが座る同じ床の上で演じます。(※新演出プランについての記事はこちら>>)
この演出プランが固まると、スタッフらは早速セクションごとに計画を立てて制作を進めました。
今回は大道具の制作現場をご紹介します。
美術デザイナーの図面を模型に起こし、検証と制作が始められたのが6月半ば。
スタッフらが制作しているのは、舞台中央に設置する「高み」となる台です。直径約3メートルと、約1.5メートルの2つの円形の台が作られます。
これは、後ろに座る子どもたちにも見えやすいようにするための工夫。しかしただ設置するだけではありません。
円は4つに分割され、場面によって様々な形に変わります。

“東北バージョン”の舞台模型。
これら円形の台は、大地の色に染められます。

子どもたちが座る客席にも様々な効果が与えられます。
その一つが、客席の花道に沿って植えられる青ススキ。
葉の1本1本には、斑点が加えられます。これは自然っぽさを出すための工夫。

劇場の舞台でも使用されていた、枯れススキも登場。春から秋へと移ろう季節感を、こうして出してゆきます。

「東北の皆様に早くこの舞台を届けたい。そして一日でも早く元気を取り戻してくれたら、嬉しいですね。それをやり甲斐に今、作っています」と大道具スタッフ。
待っている子どもたちのためにまごころ込めて作った舞台がもう間もなく、東北に届けられます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東北特別招待公演
7月25日((月)〜8月26日(金)
東北3県(岩手・宮城・福島) 計13都市 27回公演
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7月18日(月・祝)からの『ユタと不思議な仲間たち』全国公演「四季の会」会員先行予約のうち、9月19日(月・祝)笠岡公演、及び9月23日(金・祝)岡山公演は、『雪ん子』からの振替公演となります。
既に『雪ん子』のチケットをお求めいただいておりました方のお座席を、『ユタと不思議な仲間たち』公演に振り替えをいたしております。
お求めいただく際には、何卒ご了承をいただけますようお願い申し上げます。
これまで劇場チケットボックスでのみ当日券を販売してまいりましたが、7月15日(金)より、劇団四季予約センターでも当日券をご予約いただけるようになりました。
また、よりお求めになりやすいよう受付時間もこの夏に限り変更いたしました。
ぜひ当日券予約をご利用ください。
<当日券のご予約方法 7月15日(金)より>
◆劇団四季予約センター(オペレーター予約:0120−489444) ※劇団四季専用劇場(四季劇場[春]/四季劇場[秋]/自由劇場/電通四季劇場[海]/四季劇場[夏]/キヤノン・キャッツ・シアター/北海道四季劇場/新名古屋ミュージカル劇場/大阪四季劇場)と、京都劇場、キャナルシティ劇場(『ウィキッド』福岡公演)での公演が対象となります。 ◆劇場チケットボックス |
このたび劇団四季では、ミュージカル『雪ん子』笠岡公演<9月19日(月・祝) >、岡山公演<同月23日(金・祝)> の演目を変更し、『ユタと不思議な仲間たち』を上演させていただくこととなりました。
『ユタと不思議な仲間たち』は、東北地方を舞台とした四季のオリジナルミュージカルです。先の震災を受け、現在、岩手・宮城・福島3県を巡る特別ツアー上演の準備を進めております。
一方、そうした中で、全国のお客様からも多数上演のリクエストをいただいております。
そこで、そのお声にお応えするべく、今後秋より全国公演を予定しておりました『雪ん子』から、同作品の上演へと切り替えさせていただきました。
両都市では、既に販売を開始しております公演ではございますが、何卒ご理解とご容赦をくださいますようお願い申し上げます。
なお『雪ん子』のチケットをご購入いただいておりますお客様で、お払戻をご希望される方は下記の方法でお手続きを行わせていただきます。
このまま『ユタと不思議な仲間たち』のご観劇をご希望されるお客様につきましては、お手持ちのチケットと同じお座席をご用意させていただきます。下記お手続き方法をご参照ください。
また、『ユタと不思議な仲間たち』に関してましては、7月18日(月・祝)より「四季の会」会員先行予約、7月22日(金)より一般発売を開始させていただきます。
今後とも劇団四季の活動にご支援賜りますようお願い申し上げます。
『ユタと不思議な仲間たち』「四季の会」会員先行予約7/18(月・祝)午前10時より
笠岡・岡山公演におきましてはチケットぴあでの「四季の会」会員としてのお取り扱いはございません。ご予約の際はご注意ください。
※「四季の会」会員先行予約初日は、専用劇場チケットボックスでの発売は正午(12時)からとなります。
(自由劇場、京都劇場での前売りのお取り扱いは行っておりません)
上演時間/未定
※スケジュール画像をクリックすると拡大して表示されます

※笠岡公演は、上記以外にA席自由席の設定がございます。
また、記載している料金の他に車椅子席(3,000円)の設定がございます。詳しくは主催にお問い合わせください。
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『雪ん子』笠岡・岡山公演のチケットをお持ちの皆様へ
(1)劇団四季予約センター・劇団四季自動予約・劇団四季インターネット予約(パソコン・携帯)でご購入いただいた方
◆『ユタと不思議な仲間たち』をご観劇いただく場合
お手持ちの『雪ん子』と同じお座席をご用意させていただきます。
「四季の会」会員のお客様は劇団四季「四季の会」事務局:045−903−1038へ、
それ以外のお客様は劇団四季全国公演本部:0120−660−442へご連絡ください。
『ユタと不思議な仲間たち』のチケットは、事前に郵送いたします。
お手元の『雪ん子』のチケットは、当日劇場へお持ちください。受付にて回収いたします。
◆『ユタと不思議な仲間たち』をご観劇いただかない場合
ご購入いただきましたチケットにつきましては、払い戻しをさせていただきます。
【払い戻し方法】
ご予約いただいているチケットを、下記必要事項をご記入の上、ご返送ください。なお、郵送事故防止のため、簡易書留にてお送りください。(※簡易書留代につきましては、後日チケット代とともにご返金させていただきます)
□ご送付先
〒225−8585
横浜市青葉区あざみ野1−24−7 劇団四季 「四季の会」事務局(『雪ん子』 ○○公演 ○月○日分)
□同封物
1.チケット
2.下記内容を記入したメモ
・お名前(「四季の会」会員の方は会員番号)
・ご返金を行う金融機関口座 金融機関名・支店名・口座種別・口座番号(郵便局の場合は記号+番号)・口座名義(フリガナもお願いいたします)
・郵便番号
・ご住所
・電話番号(ご連絡がとれる電話番号をお願いいたします)
(2)その他プレイガイドでご購入いただいた方
上記、各公演のお問合せ先までお問い合わせください。
□お問合せ先
劇団四季全国公演本部 0120−660−442(10時〜18時)
劇団四季チケット予約システムの変更に伴い、下記の各種サービスについて営業時間が変更となります。
「インターネット予約」「自動予約」
7月3日(日)20時 〜 7月4日(月)12時30分 までサービス停止
※当初14時の予定でしたが、12時30分より再開いたします。
「劇団四季予約センター(0120−489444)」
7月4日(月)休業
「四季の会」事務局
7月4日(月)は、正午(12時)より営業
※7月5日(火)の公演については「前日予約」はご利用いただけません。「当日券」のみの販売とさせていただきます。
大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
| 「四季の会」会報誌「ラ・アルプ」6月号および当ウェブサイトでお知らせしておりました 『雪ん子』甲州・坂井・桑名・尼崎公演(7月9日(土)「四季の会」会員先行予約)は、『ユタと不思議な仲間たち』に演目を変更させていただくこととなりました。 急遽の変更となりますこと、何卒、ご理解とご容赦くださいますようお願い申し上げます。 なお、『ユタと不思議な仲間たち』全国公演の公演日程・発売概要は以下の通りです。 <「四季の会」会員先行予約開始日> その他の公演地に関しましては、今後当ウェブサイト及び「四季の会」会報誌「ラ・アルプ」にて随時発表させていただきます。 |
『ユタと不思議な仲間たち』「四季の会」会員先行予約 7/18(月・祝)午前10時より
全国公演におきましてはチケットぴあでの「四季の会」会員としてのお取り扱いはございません。ご予約の際はご注意ください。
※「四季の会」会員先行予約初日は、専用劇場チケットボックスでの発売は正午(12時)からとなります。
(自由劇場、京都劇場での前売りのお取り扱いは行っておりません)
上演時間/未定
※甲州公演は、記載している料金のほかに車椅子席(2,000円)の設定がございます。詳しくは主催にお問い合わせください。
※坂井公演の当日券は、前売りの500円増しになります。

日頃より劇団四季にご声援を賜り、誠にありがとうございます。
この度、東日本大震災の影響による電力供給の状況を考慮して、7月1日より、劇団四季予約センターの営業時間を短縮するとともに、チケットボックスの営業日を変更させていただくこととなりました。
ご利用の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
<変更の対象となるサービス>
劇団四季予約センター(オペレーター予約:0120−489444)
変更前(6/30まで):午前10時〜午後8時
↓
変更後(7/1より):午前10時〜午後6時
これに伴い、前日予約の受付時間も変更となります。
変更前(6/30まで):午後3時(「四季の会」会員は午後2時)〜午後8時
↓
変更後(7/1より):午後3時(「四季の会」会員は午後2時)〜午後6時
また劇団四季専用劇場のチケットボックスにおきましても、7月1日より、「休演日」の営業を休業とさせていただきます。
<専用劇場チケットボックス>
四季劇場/※自由劇場/電通四季劇場[海]/四季劇場[夏]/キヤノン・キャッツ・シアター/
北海道四季劇場/新名古屋ミュージカル劇場/大阪四季劇場/※京都劇場
※自由劇場と京都劇場のチケットボックスでは前売券の販売は行っておりません。
◎インターネット予約 および 自動予約(「四季の会」会員のみ)は、これまで通りご利用いただけます。
6月25日(土)、ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』東京公演が千秋楽を迎えました。
5月下旬に開幕したこの度の公演は、東日本大震災の大きな被害を受けた東北へ祈りを込めて上演されました。
いじめにより心に傷をもった少年ユタと、天災によって生きることが叶わなかった座敷わらしとの交流を描いた本作は、美しい自然あふれる東北が舞台になっているということに加え、“仲間の絆”、“生命の尊さ”といったテーマが流れています。
“一人はみんなのために、みんなは一人のために――。”
劇中歌「友だちはいいもんだ」の歌詞に代表されるこのメッセージを、カンパニーは劇場から発信し続けてきました。

『ユタと不思議な仲間たち』が上演された四季劇場[秋]/開演前、ロビーに掲げられた劇団からのメッセージを読み込むお客様
また公演中には東北から避難されている方およそ1000名をご招待し、作品をご覧いただく機会が設けられました。来場されたお客様からは、
「平凡な言葉ですが、とてもとても感動しました。涙が出ました。身近で亡くなった人はたくさんいます。今、自分が生きていることはキセキだと思います。がんばって生きて行きます」
「一人はみんなのために、みんなは一人のために。今の日本に求められている事だと思います。みんなで一致団結し、一歩一歩前に進んでいきたいと思います。生きていること、生かされていることに感謝」
という言葉が。
終演後にロビーで行われる出演者のお見送りでも、涙ながらに感動を伝えるお客様の姿が後を絶ちませんでした。
迎えた千秋楽公演には、多くのご家族連れのお客様が来場。最後の公演を見守ります。
「“生きてる”ってことをあたり前のことだと思って無駄にすごすんでねえぞ。思いっきり大事にするんだ」
座敷わらしがユタに掛ける優しい言葉の数々は、ユタの身体を通して客席に伝えられます。そして強くたくましく成長するユタの勇姿を、何度も涙を拭いながら見つめるお客様の姿があちらこちらに見受けられました。
笑顔と涙の中で迎えたカーテンコール。俳優たちが客席に降りて、「友だちはいいもんだ」をみんなで合唱。お見送りの際も、双方が別れを名残惜しむようにいつまでも握手と言葉を交わしていました。

「友だちはいいもんだ」の合唱となったカーテンコール。

出演者によるお見送りの様子。お互い名残惜しむようにして握手を交わします。
東京で大きな感動を呼んだ『ユタと不思議な仲間たち』。次は直接この感動を被災地に届けるべく、東北にて特別巡演を実施いたします。
今回の東京公演で頂いたお客様からの力強い言葉、温かいメッセージを胸に、カンパニーはこの後東北公演に向けた稽古に励みます。
“一人はみんなのために、みんなは一人のために。”
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東日本大震災の大きな被害を受けた東北に、ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』を届ける東北巡演プロジェクト。(プロジェクトの詳細はこちら>>)
技術スタッフによる演出プランが進行する中、俳優たちも東北上演に向けた稽古を開始させました。
一同が集まったのは、『ユタ―』東京公演の休演日にあたる6月13日(月)。現地視察が行われた1週間後のことです。

この日までにはすでに美術プランの方向性が固まりつつあり、稽古場には仮設のセットが用意。
稽古場に足を踏み入れた俳優たちは、これまでとまったく違う舞台になることを思い知ります。
床に描かれた大きな円い線と、その中央に置かれた円形の台。この見慣れないシンプルなセットから、“どんな環境においても作品の感動を届ける”という意思の表れを感じとり、頬を引き締めます。
そんな彼らは、東北出身者。傷付いた故郷での上演を、誰よりも望んでいる者たちの一人です。

まずは模型を使って、スタッフが俳優たちに舞台の造りを説明。場面によって舞台演出・振付・効果を大幅に変更する必要のあることが伝えられます。
“子どもたち(観客)に囲まれ、子どもたちと同じ視線で演じる”ことをコンセプトに置いたスタッフたちの演出プランを引き継ぎ、新しい演出・振付・ステージングを任されたのは、本作の振付を担当した加藤敬二。別作品に出演中だった加藤も公演の合間をぬって、稽古場に駆けつけていました。
加藤は舞台中央の大小2つの円形の台(高み)や、客席に延びる花道を効果的に利用。円形の台はそれぞれ4つに分割され、場面によって円から半円になったり、扇形になったりと形を変えます。
また出演者は子どもたちの真横にある花道を通り、客席エリア後方まで駆け抜ける演出も。
体育館のフロアを全面に使ったダイナミックなステージングで、客席も舞台の一部と化します。
「通常の舞台と違って円形なので、動きが中心の方に向かいがち。意識を外に向けてステージを広く使って」
「照明や特殊効果も使うことが出来ないので、いつも通りにやるのでは伝わりづらい。アクションをハッキリと膨らませて」
感覚を研ぎ澄ませて、新しい演出をつけてゆく加藤敬二。子どもたちに囲まれる円形舞台が、最大限に活かされます。

またこれまで装置を使った仕掛けを必要としていた場面は新しい演出で生まれ変わります。
例えば、ユタをいじめっ子たちから助けるために、座敷わらしが様々ないたずらをする冒頭シーン。
劇場での公演では機械操作により“不思議な現象”を起こしていましたが、今回は座敷わらし自らが直接いたずらを仕掛けます。
これまでと違いその姿をこっそり現すことで、彼らのユタへの優しい眼差しやいたずら心を垣間見せてくれるのです。
芝居の原点に帰るような、素朴であたたかい『ユタと不思議な仲間たち』東北版。
カンパニーはその後も現在上演中の東京公演のあいた時間や休演日の度に稽古場に集合し、新しい振付を身体に入れ込んでいます。
『ユタ―』の故郷、東北の子どもたちの心を癒し、笑顔を届けるために――。

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東日本大震災の大きな被害を受けた東北に、劇団四季のオリジナルミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』を届ける東北巡演プロジェクト。
7月下旬から8月にかけて東北3県11都市(予定)を訪れ、子どもたちを中心に地元の方々をご招待させていただきます。
6月上旬に行われた演出・技術スタッフの現地視察を皮切りに、劇団では実現に向けて急ピッチでプロジェクトが動き出しました。(現地視察の記事はこちら>>)
舞台美術家の土屋茂昭氏が、現地の体育館を視察して考え出した舞台美術プラン。それは、ステージ(舞台)を利用するのではなく、“体育館の床を舞台にする”というものでした。
コンセプトは、「子どもたちに囲まれ、子どもたちと同じ目線で演じる」、とういこと。
“人は決してひとりではない。いつも誰かに見守られている――”
仲間との絆をテーマの一つとして描かれる『ユタと不思議な仲間たち』の感動を、心に傷を抱える被災地の子どもたちに最大限に届ける方法。それを具現化させた演出プランです。
舞台美術家・土屋茂昭によるデッサンと図面
“床をステージにする”ということは、“子どもたちと同じ目線で演じる”というコンセプトに加えて、どんな舞台条件においても対応できるという利点があります。
今回上演のために利用させていただく体育館は学校ごとに大きさ、設備条件が異なります。しかし体育館のフロアを舞台にすることにより、どのような条件でもフレキシブルに対応できるのです。
また舞台装置や衣裳などの運搬も、大事な検討課題の一つ。大型バン1台にすべての舞台装置を収納して移動することを想定して、舞台、大道具、小道具、照明、音響、衣裳、床山(ヘア・メイク)スタッフがプランを熟考しています。
並行して、土屋茂昭が描き上げたこの美術プランの基、舞台模型が制作されました。
円形劇場のような造りの舞台中央には円形の“高み”を設置します。これを場面によってうまく利用することで、後ろに座る子どもも出演者が見やすいようになります。
また子どもたちは、円形舞台を取り囲むように座ります。その“客席エリア”の周囲には、青すすきが。
子どもたちの視線からは、すすき越しに舞台が見える仕組みです。さらに“客席エリア”の外からこの光景を見ると、あたかも子どもたちが原っぱにいるようにも見えます。
“自然いっぱいの美しい東北”を舞台にした『ユタ―』を、体育館の劇場でもこうして再現しようというアイディアです。

美術プランを基に作成された舞台模型/各セクションのスタッフが打ち合わせをしてプランを練ります
これらの演出プランは、出演者による稽古でさらに検討が重ねられてゆきます。
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『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
6月25日(土)まで好評上演中
現在、四季劇場[秋]で上演中の『ユタと不思議な仲間たち』において「オフステージトークイベント」が開催されました。
今回のイベントでは趣向を変えた3つのコーナーを設けて実施いたします。
まず1つ目のコーナーは、恒例のお客様から出演俳優への質問コーナー。事前に集めた質問に出演俳優が丁寧に答えます。
「座敷わらしやお化けの存在を信じますか?」
というお客様からの質問には本作品の出演者ならではのちょっぴり不思議な体験話も・・・。
最初は少し緊張気味だったお客さまも、出演者たちのアットホームな雰囲気とユニークな回答に自然と笑みがこぼれます。

質問に答える出演者 左から道口瑞之、奥平光紀、安宅小百合、伊藤潤一郎
2つ目のコーナーは『ユタ』カンパニーから今日のイベント出演メンバーに寄せられた質問に答えるコーナー。
ユタの母役・あべゆきからは「おススメの郷土料理はなんですか?」という質問や、モンゼ役・和田侑子からは「東京で通じなかった方言は?」という質問が。
今回の『ユタと不思議な仲間たち』には東北出身者が多くキャスティングされているのです。南部せんべいの変わった食べ方や、東京では聞くことのない言葉など地元トークに花が咲きます。
そして最後のコーナーはクイズコーナー。出演者たちもほとんど分からないという『ユタと不思議な仲間たち』ならではの難問クイズに客席は大盛り上がり。どんなクイズが出題されるかはイベントに参加してのお楽しみ!!
『ユタと不思議な仲間たち』オフステージトークはあと1回!6月22日(水)にも実施します。この機会をお見逃しなく!!
イベント情報はこちら>>
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
6月25日(土)まで好評上演中
劇団四季では、7月下旬〜8月にかけ、ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』の東北特別招待公演<東北3県11都市予定>を実施し、被災地の方々をご招待させていただくことが決定。
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県を東北地方の公立学校が夏休みとなる約1ヶ月間にわたり巡演し、子どもたちを中心にご招待させていただきます。
会場は、小中学校の体育館を予定しています。
去る6月6日(月)。劇団四季のスタッフが、上演候補となる学校の視察のため、現地に赴きました。
舞台装置担当の土屋茂昭氏、演出助手の横山清崇、舞台、音響、照明スタッフで構成された、今回の視察団。岩手県大船渡市、釜石市、大槌町、宮古市、宮城県気仙沼市、南三陸町の計6都市をまわり、上演候補校の9校を訪問しました。
現地入りした一行は車で移動。瓦礫の山、打ち上げられた船、折れ曲がった道路標識、寸断された道路・・・。
津波被害の規模と、大きな爪痕が残されたままである現実を受け止めながら、学校へと向かいます。

津波の大きな爪痕を残す町の様子
学校に到着すると、校長先生や教育委員会の方々からお話を伺い、震災時から現在に至るまでの状況や子どもたちの様子を知ります。
沿岸部では校舎が津波によって流されてしまった学校も多く、そういった学校は被害の少なかった校舎へ移り今は合同で授業を受けているということ。また体育館が今も被災者の方々の避難所となっている学校、校庭が自衛隊のベースになっている学校、校庭に仮設住宅が建てられて学校など、状況は様々。
子どもたちについては
「学校では元気にしていても、夜になり仮設住宅や避難所に戻ると、精神が不安定になる子も多い。夜になると完全な暗闇に覆われるため、恐怖を感じてしまうのでしょう」
と、話します。
実際、学校に到着すると、子どもたちの元気な声が耳に届き、その声にわずかながらも心が救われたような気がしていた一行。しかし、子どもたちの見えない深い傷を、先生の言葉から思い知ります。
劇場となる体育館に向かった視察団は、演出、美術、舞台、照明、音響それぞれの目で調査を行いました。
スペースからあらゆる設備などの環境が舞台と異なるため、演出プランの変更が余儀なくされます。この視察は、それぞれの体育館の条件に合ったプランを練り出すためのもの。
会場の大きさのみならず、床の状況、音の響き具合、周辺道路や、舞台セットの搬入経路、電源の確保など多方面の視察を行いました。

広さや設備を確認し、情報を集める視察スタッフたち。
南三陸町で、校長先生にお伺いした話
「南三陸町は周囲の地域との連絡路をすべて絶たれてしまったので、完全に陸の孤島になってしまいました。震災直後は、中学校の体育館に700名が集まっていましたが、とにかく食糧・水・毛布の不足が甚だしく、学校中のカーテンを外して毛布の代わりにしました。
5月10日から授業を始めましたが、毎年劇団四季の作品を見せてもらっていた修学旅行は中止に。今年は『ライオンキング』を観に行く予定だった矢先のことでした。
しかし今四季の舞台を、南三陸で見ることができたら、どんなに素晴らしいことでしょうか。
なんとか子どもたちのために、公演を実現させてもらいたい」
釜石市で、教育委員会の担当者にお伺いした話
「特に小学生は津波の恐怖など、まだ忘れられていないようで、救急車や消防車のサイレンを聞いただけで、動揺している子が多く見受けられます。
心に見えない傷を負った子どもたちの救いになれば」
大槌町で、校長先生にお伺いした話
「悲しいことはたくさん起きてしまいましたが、沈んでいても駄目。こんなときだからこそ、明るく生きなければと生徒たちにも言っています。
四季のミュージカルを観て、元気をもらえればこんなに嬉しいことはありません」

校庭を駆け回る子どもたち。その後ろには波に押し寄せられた瓦礫が。
東北の皆様の笑顔と元気が一日でも早く取り戻せるよう、劇団員が一丸となりこのプロジェクトを進めています。

視察後、模型を作成して打ち合わせをするスタッフ陣。/稽古場には仮のセットが組まれ、俳優たちが稽古を開始しました。
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
6月25日(土)まで好評上演中
四季劇場[秋](東京・浜松町)にて上演中の『ユタと不思議な仲間たち』では、現在「湯の花村散策バックステージツアー」イベントが好評開催中です。
このイベントは客席からは決して見ることの出来ない舞台裏にお客様をお連れして、舞台にまつわる様々な秘密をのぞいてもらおうという、体験イベント。6月2日に行われた第1回目の様子をご紹介いたします。

第1回「湯の花村散策バックステージツアー」イベントの様子
少年ユタと座敷わらしの交流を描いた『ユタと不思議な仲間たち』の物語は、東北の田舎の村を舞台に描かれます。
イベントのタイトルにある「湯の花村」というのが、その村の名前。ススキなどの草木が生い茂った自然あふれる舞台美術は、東北の風景をそのまま切り取ってきたかのようにリアルで美しく、そしてどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。
そんな湯の花村に、舞台監督がお客様をご案内。舞台の特徴を解説した後、まずスタッフによる舞台転換の様子をご覧いただきました。
舞台を見ている時、“いつの間に舞台セットが変わったんだろう”と不思議に思われたことはありませんか?
場面と場面の変わり目である転換の方法は作品によって様々ですが、『ユタ』の場合はセットの入れ替えが大きく変化します。舞台スタッフたちが暗がりの中、音を立てないように限られた短い時間の中でセットを入れ替えているのです。
そんな幕の向こう側で行われている仕事ぶりを、イベントでは特別に幕を開けた状態で披露。
観劇の最中には知る由もなかった、チームワーク良く行われるスタッフたちの作業に、お客様も興味津々のご様子。舞台の裏にある、大きな力と存在感を感じさせます。

舞台転換の様子を披露。大きな岩のセット(左)から、瞬く間に湯の花村のセット(右)へと移ろいます。
この転換によって舞台には通称「秋盆」と呼ばれる、湯の花村の秋の風景が現れました。物語のクライマックスの場面です。舞台に差し込む照明が夕日を再現し、本作の中でも特に自然の存在感を際立たせる美しい風景です。

抽選で2名のお客様に、ユタと小夜子が演じるクライマックスのシーンを体験いただきました。/こちらは実際の舞台。
ここでお客様は舞台上へ。秋の湯の花村を散策していただきます。
小さなお子様を連れたご家族も多くいらっしゃり、草木をすり抜けて小道や石橋を無邪気に散策する子どもたちの様子は微笑ましく、温かい空気が流れます。
それから舞台の袖には、ユタと座敷わらしが出会う古い家「銀林荘」や、学校の分教場の場面で登場したセット、また小道具たちが陳列。
「座敷わらしって、どうやって現れるの?」
「この絵は本当に俳優さんが描いているの?」
など、お客様からの疑問質問には、スタッフが丁寧に解説します。

湯の花村の散策の様子/お客様の疑問には、スタッフが丁寧に対応します。
見て、聞いて、体験して、『ユタと不思議な仲間たち』をまた別の角度からお楽しみいただけるこのバックステージツアーイベント。
残る開催日6月9日(木)、15日(水)には、また別の場面にお客様をご案内させていただく予定です。
『ユタと不思議な仲間たち』の本編とあわせて、ぜひ美しい東北の舞台をご堪能ください。
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演 イベント情報
☆湯の花村散策バックステージツアー 開催日:6月9日(木)、15日(水) ☆座敷わらしからのプレゼント 期間:6月25日(土)まで ☆舞台美術セミナー〜“銀林荘と不思議な世界”は不思議な世界〜 開催日:6月23日(木) |
『ユタと不思議な仲間たち』プロモーションVTR
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
6月25日(土)まで好評上演中
チケットのお求めはコチラ>>
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7月1日(金)より劇団四季専用劇場チケットボックス窓口の営業を、「休演日」には休業とさせていただきます。
ご利用の際にはご注意ください。
※詳しくは各劇場情報をご覧ください。
本日5月29日(日)、ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』東京公演に、東北地方より都内へ避難されている方々をご招待いたしました。
『ユタと不思議な仲間たち』の物語は、自然豊かな東北を舞台に描かれます。
同級生からのいじめに苦しむ少年ユタと、天災によって現世で生きることが叶わなかった座敷わらし。彼らの交流から、生命の尊さ、仲間の素晴らしさなど、生きる上で大切なことが導き出されます。

この度の東京公演は、東日本大震災における被災地の再生と復興への祈りを込めて、上演が決定されました。
開幕から5日目の29日の公演には現在旧グランドプリンス赤坂に避難されている方々をご招待。当日、会場の四季劇場[秋]には35組85名のお客様がご家族おそろいで来場され、開場前にはミュージカルへ期待を寄せる明るい声が聞こえてきました。

開場前の受付の様子。明るい子どもたちの声がロビーに響きました。
みんなは一人のために
一人はみんなのために
カーテンコールでは、テーマ曲「友だちはいいもんだ」を舞台と客席一緒になって合唱。
終演後、出演者らがお見送りをする際には、「がんばりましょう!」などの言葉がかけられ、ご来場いただいた招待の方々からは涙ながらに感想をお話いただきました。

『ユタと不思議な仲間たち』カーテンコールの様子。
福島県出身のお母様とお嬢様
「ユタが頑張っている姿に自分の身をなぞらえて観ていました。辛いとき、ユタの頑張りを思い出していきたいです。また座敷わらしの言葉に励まされました。これからもみんなで力を合わせて生きていきます」
福島県出身のご家族
「涙が止まりませんでした。方言が懐かしい気持ちにさせてくれました。
『友達はいいもんだ』は僕たちに歌ってくれているみたいで嬉しかったです。
今はホテルに避難させてもらっていますが、舞台の樹や橋を見て、自分たちの故郷を思い出しました」
福島県ご出身のお祖父様とお孫様
「ありがとうございました。ホテルに帰ったらお母さんに、今日歌った歌を教えてあげたいです。
『みんなは一人のために 一人はみんなのために』の歌詞を聞いて、助けてくれた人たちを思い出しました。僕もこれから頑張りたいです」
本日を皮切りに、『ユタと不思議な仲間たち』東京公演期間中は引き続き都内に避難されている子どもたちを招待してまいります。(※)

出演者によるお見送りの様子。感動の言葉を伝えながら堅い握手を交わします。
また劇団四季ではもう一つのプロジェクトが進行しています。現在、『ユタと不思議な仲間たち』の東北特別招待公演を実施すべく調整を行っているのです。
東北地方の公立学校が夏休み期間となる7月下旬から8月の約1ヶ月にかけて東北3県<岩手県・宮城県・福島県>計11都市を巡演する予定。
各地の小中学校の体育館での上演を検討し、地域の子どもたちを中心にご招待させていだく予定です。
創立以来、劇団四季は演劇の中で「人生の感動」を謳い続けてきました。演劇を通じて被災された東北の皆様の笑顔と元気が取り戻せるよう、これらのプロジェクトを進めてまいります。
※『ユタと不思議な仲間たち』東京公演へのご招待は、教育委員会を通じて各学校に案内させていただいております。
5月24日(火)、『ユタと不思議な仲間たち』が四季劇場[秋](東京・浜松町)にて開幕しました。

『ユタと不思議な仲間たち』東京公演初日カーテンコールの様子
「この作品で、東北の人を元気づけよう」
開演前に行われたミーティングで、演出家・浅利慶太や俳優の吉谷昭雄からこう話がありました。
『ユタと不思議な仲間たち』は三浦哲郎氏の同名小説を舞台化した、劇団四季のオリジナルミュージカルです。物語の舞台は、三浦さんの故郷である東北。
ミュージカル化するにあたり、演出家は東北が持つ美しさを再現しようと作品づくりに徹しました。
台詞にはこの土地の方言である南部弁が採り入れられ、舞台セットにはススキなどの草や樹が生い茂ります。また雨降りのシーンには、本物の水を使用。
そして舞台に差し込む照明は太陽の光さながらに、草木に輝きを与えます。
そんな自然の呼吸が聞こえそうなほどの美しい舞台で、一人の少年の成長物語が描かれます。
父親を亡くし、東京から母親の故郷である東北へ越してきた転校生、ユタ。同級生からは「東京のモヤシッ子」といじめられ、つらく寂しい日々を送っていました。
そんなある日、ユタは村に伝わる“座敷わらし伝説”を耳にします。座敷わらしとは、生まれて間もなくして死んでいった子どもの精霊。
満月の晩に姿を現した5人の座敷わらしは、ユタを励まします。
「せっかくもらった生命は自分でみがきかけねば石っころと同じセ」
「ユタはおれたちと違って、“何か”をするためにこの世での存在をゆるされたんだ」
「何をするかは、自分でみつけることだ!」

一時は自分の命を投げ出そうと考えていたユタ。一方、飢饉(ききん)や凶作により、親の手で命を奪われてしまった座敷わらし。
座敷わらしはユタが同級生と仲良くなれるように手助けをし、その目覚ましい成長ぶりに座敷わらしもまた、新しい歓びを見出すのでした。
初日公演のカーテンコール。舞台を務めた俳優たちが登場すると、温かい拍手が送られました。
そして出演者とお客様みんなで、『ユタと不思議な仲間たち』のテーマ曲「友だちはいいもんだ」を合唱。お帰りの際には出演者によるお見送りも行われ、ロビーは笑顔で溢れました。

カーテンコールではテーマソング「友だちはいいもんだ」を全員で合唱。「みんなは一人のために、一人はみんなのために」の歌詞が響き渡ります。
「本当にすばらしかったです。これからも応援しています」
「すみません、涙が止まらなくて・・・。感動をありがとうございました」
握手を交わしながら、出演者たちにお客様から声がかけられました。その言葉を胸に、カンパニーは東北への祈りを込めた舞台を劇場から発信し続けます。上演は6月25日(土)まで。この感動を共有しに、ぜひ劇場へお越しください。

終演後のお見送りの様子。
『ユタと不思議な仲間たち』公開舞台稽古VTR
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
6月25日(土)まで好評上演中
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「はりきり過ぎないで丁寧にやること。東北の良さを、美しさを舞台から届けよう。じゃあ、スタンバイ!」
「よろしくお願いします!」
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演開幕を翌日に控えた5月23日(月)、最終通し稽古が行われました。開始直前、演出家・浅利慶太が俳優たちに言葉を掛け、士気を高めます。

『ユタと不思議な仲間たち』公開舞台稽古より
自然豊かな東北を舞台に、生命の輝き、仲間の大切さを描いた本作。東日本大震災で東北が傷ついている今この時こそこの作品を上演することに、俳優・スタッフたちは意義と強い使命感を持って稽古に取り組んできました。
またキャスティングされた俳優の多くは、青森・岩手・山形・宮城・福島などの東北出身者。震災の傷を抱える中での、稽古でした。
すべての成果が問われる最終稽古は劇団関係者やマスコミに公開。期待に満ちた眼差しが舞台に注がれます。
同級生からのいじめに遭い、孤独でつらい毎日を送っていた少年ユタ。そんな彼の姿をいつも近くで見守り、こっそり手助けをしていた者がいます。それは、5人の座敷わらし。ある晩、とうとう姿を現した座敷わらしに、ユタは告白します。
「何もやる気が起こらないんだ。……死にたくなって何度も鉄橋のところまでいったんだ……」
座敷わらしは、生まれてから間もなくしてこの世を去ってしまった子どもの魂です。生きたくても生きられなかった彼らは、ユタに強い思いで話しかけます。
明日に希望が続くこと、毎日誰かに会えること、夢を追いかけること。つまり、生きていることがどんなに素晴らしいことなのかを――。
胸に迫る座敷わらしのメッセージに、静まり返る客席からはすすり泣く声が。また彼らが可愛らしいいたずらを仕掛ける場面では笑いがこぼれ、場内に温かい空気が流れました。

稽古終了後。俳優たちは、もう何度も読み込んでボロボロになった台本を開いて、演出家の言葉を待ちます。
「演劇の三大要素は、作者と、役者と、そしてお客様。作品というのは、俳優の肉体を借りて作者からお客様へと届けるもの。だから役者は透明でなければならない。自らの欲は捨て、作品の心を、お客様の心に伝えるんだ」
俳優たちの力強い返事が響き渡りました。
美しき故郷・東北に祈りを込めた舞台が、明日、開幕します。

『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
5月24日(火)開幕!
6月25日(土)公演分まで好評発売中
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『ユタと不思議な仲間たち』東京公演開幕まであと3日。5月21日、四季劇場[秋]では、舞台稽古がスタートしました。

『ユタと不思議な仲間たち』舞台稽古より
「これだけの仕掛けのある舞台ですから、集中して、ケガのないようにやっていきましょう」
舞台稽古初日。稽古の進行を担うベテラン俳優の吉谷昭雄が言葉を掛けます。
稽古場を離れ初めて舞台空間へ入ったこの日の稽古内容は、ポジションや舞台セットの感触を確かめることが主な目的。
稽古場で身体に入れ込んできた芝居を広い劇場においても表現しきるには、まずは舞台に慣れること、そしてバランス良くポジションを計ることが前提です。この作業は当たり前のことのようにも思えますが、その厳密さはほんの数センチの立ち位置までも修正が入るほど。
また音響や照明など技術面のチェックも同時に行われ、俳優・スタッフで声を掛け合いながら丁寧に舞台を創り上げてゆきます。
物語の舞台は東北の田舎の村、“湯の花村”。草や木が生い茂る、自然あふれる舞台セットからは、温かさとどこか懐かしさを感じさせます。
そんな一見素朴さが漂う舞台に、信じられないような“不思議な現象”が次々と起こります。

東京からここ“湯の花村”に越してきた少年ユタを、学校からの帰り道、追い掛けまわすクラスのいじめっ子たち。ユタが捕らえられそうになるその度に、不思議な力が働きます。
動くはずのない狛犬が突然動き出したり、石階段が変形したり、時の流れが止まったり……。そのおかげでいじめっ子たちは散々な目に遭い、ユタはどうにか救われるのでした。
この“不思議な力”の正体は、座敷わらし。一人で寂しい思いをしているユタを助けてあげようと、いじめっ子たちにいたずらを仕掛けていたのです。
このオープニング場面は、これら不思議な力で観客を惹き込み、目に見えない座敷わらしの存在を感じさせる、重要なシーン。それゆえ稽古は入念に繰り返されました。
樹や橋や階段などのセットが入り組んだ舞台上を、ユタを追いかける子どもたちが全速力で走りまわります。その途中に起こる様々な仕掛け。少しの油断がケガを招きかねないため、客席で見守る吉谷からは、厳しい指導が送られ続けました。

こうして丸一日をかけて、ラストナンバーまで入念に動きの確認が行われました。明日は、芝居のための小返し稽古が行われます。
「もっと生きてるってことを大事にするんだよ!いいか、生きてるってことはなあ、それはそれだけで、たいしたいいもんなんだぞ……!」
あたり前だと思っていた、花や樹などの自然。人の命。生きたくても生きることが叶わなかった座敷わらしが、ありふれたものの素晴らしさをそっと教えてくれます。
東京公演開幕まで、もう間もなくです――。
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
5月24日(火)開幕!
6月14日(火)〜6月25日(土)公演分
5月22日(日)一般発売開始(「四季の会」会員先行予約は受付中)
※6月12日(日)公演分までは好評発売中!
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新緑が美しく、目に映える時期となってきた5月19日(木)、千代田区立番町小学校で『美しい日本語の話し方教室』が行われました。
『美しい日本語の話し方教室』とは、劇団四季と財団法人舞台芸術センターが、2005年度より実施している社会貢献活動の一つです。日常会話において、はっきりと聞きとりやすい言葉を話す方法を身につけてもらおうと、俳優たちが東京都内・神奈川県内にある小学校へ毎日訪問しています。
今回、訪問した千代田区立番町小学校では、東日本大震災で被害にあった児童約25名の受け入れを実施しています。“子どもたちに、希望を持たせ、力づけてあげたい”という先生方の思いにより実施となりました。

講師を務めた、田村 圭(右)、町田兼一(中央)、新保綾那(左)
朝の挨拶「おはようございます」を例に挙げ、母音だけで話してみるところから始まります。これは、「母音法」といい、言葉をはっきりと聞こえるようにトレーニングする劇団四季独自の発声法の一つです。
「おはようございます」を母音だけで表すと、「おあおーおあいあう」。生徒たちは、母音だけで話す俳優たちをジーっと興味深く見つめます。
その後も、積極的に手を挙げ発言する姿や、大きな口をあけて練習したり、前で発表したりと、溌剌とした元気な授業が続きます。

授業の様子。積極的に発言する児童が多く、活気ある授業となりました
最後には、劇団四季のオリジナルミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』のテーマ曲である、「友だちはいいもんだ」をみんなで輪になりお互いの目を見ながら合唱します。
当日授業に参加した福島県からの避難児童は、
「母音を意識するだけでこんなにはっきりと聞こえて驚きました。『友だちはいいもんだ』の歌詞を聞いて、被災地で助けてもらったボランティアの方を思い出しました」
「福島では体験したことない授業だったので、とてもありがたかったです。(震災について)辛い経験をしましたが、立ち直れそうな気がしました」
といった声が。

輪になり、『ユタと不思議な仲間たち』のテーマ曲「友だちはいいもんだ」を歌います
「美しい日本語の話し方教室」で扱うナンバー「友だちはいいもんだ」は劇団四季オリジナルミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』のテーマ曲でもあります。父親を亡くし転校先でいじめにあうユタは、その土地で出会った座敷わらしたちとの交流を通して、命の尊さ、生きることの素晴らしさを学びます。
今日出会った生徒のみなさんもこの歌を通して何か感じとってくれたのではないでしょうか。
「みんなは一人のために、一人はみんなのために」
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演開幕まで残り1週間に迫りました。
芝居を中心とした稽古が終了した夕方過ぎ。一部の俳優たちが様々な大きさの銀色の輪を手に、再び稽古場に集まります。
出演者全員での稽古が終了した後、あるナンバーに関係する俳優たちで稽古を行っているのです。そのナンバーとは、少年ユタが座敷わらしたちと空を飛ぶ場面――。

ユタが座敷わらしと空を飛ぶナンバー「鐘の音の輪にのって」の稽古の様子
劇団四季のオリジナルミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』は、1977年の初演から今年で34年目。この間数回の演出リニューアルをし、時代の流れとともに進化してきました。
現在の大きな輪を用いた演出が採り入れられたのは2009年、夏。振り付けを担当したのは、加藤敬二です。
加藤は1989年、主人公の少年ユタ役で本作においてデビューしました。ちょうどこの年、舞台装置や音楽など大幅な演出リニューアルを計画。新しい振付についても試行錯誤されていた時、ユタの稽古をしていた加藤に、演出家が声をかけます。
「敬二、(振付を)やってみるか」、と。
ユタ役を稽古しながら、加藤はアイディアを振り絞ったと言います。彼が重視したのは、ただのダンスとしての存在ではなく、物語と溶け合う自然さ、ドラマ性。そこで、ユタが同級生らにいじめを受ける場面や、彼らに立ち向かい格闘するクライマックスの振り付けには、空手や京劇の要素が採り入れられました。しかしそれは当時、“自分でも踊りきれないほどの振付を創った”と、後に笑い話になるほどの運動量と過酷さ。重ねる稽古で習得したこの振付に、演出家は採用を決定しました。
これが“振付家・加藤敬二”誕生の瞬間です。

いじめられていた少年ユタが、同級生たちと向き合うクライマックスのダンスシーン。開幕に向けて加藤敬二による特訓が行われています。
これら振付を含め、『ユタと不思議な仲間たち』の舞台はフライングやレーザー光線を用いて、幻想的な空間を演出し、お客さまに親しまれてきました。特にユタと座敷わらしが空を飛ぶフライングのシーンには拍手が送られるほど。
そして記憶に新しい2009年にはこのフライングシーンをさらにブラッシュアップ。従来のフライング技術に加えて、巨大フラフープを使った振付、客席に向けて噴射されるスモークの輪など、その目新しい演出に多くの称賛の声が届きました。
今回の再演に向け、この特殊な場面の稽古には特別に時間が設けられました。この場面に出演しない俳優も手伝いに来たり、見守ったり、稽古場の隅で自分の稽古をしたり、合同稽古が終った後も同じ場所で時間を共有します。
「振付は身体に入っていると思います。次からは、“鐘の音の輪”に乗って空を飛んでいる感覚で」
何度かこの場面を繰り返した後、加藤敬二がアドバイスを送りました。
座敷わらしは、寺の鐘が奏でる音の輪に乗って天高く空を飛びます。その“輪”の象徴が、銀色の輪。俳優たちは巨大な輪を操りながら、踊り、飛び、宙を舞うのです。

『ユタと不思議な仲間たち』の舞台、東北に祈りを込めて、朝から夜まで稽古は続けられます。
東北の美しい自然の中で語られる生命の尊さ。『ユタと不思議な仲間たち』は演出家や振付家、作曲家たちの創作者、そして俳優たちの祈りと熱意によって磨かれ深化してゆきます。
5月24日に再演を迎えるこの舞台に、どうぞご期待ください。
◆「『ユタと不思議な仲間たち』稽古場レポート1」はコチラ>>
『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
5月24日(火)開幕!
6月14日(火)〜6月25日(土)公演分
5月22日(日)一般発売開始(「四季の会」会員先行予約は受付中)
※6月12日(日)公演分までは好評発売中!
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「感覚をもっともっと広げて! 空気を、音を、香りを精一杯感じて」
「躊躇しないで。役を生ききってください。歌は歌として聴こえるのではない。ダンスはダンスとして見えるのでもない。物語を、彼らの人生を見せて」
四季芸術センターの稽古場。10ある稽古場のうち2つを使って、今、ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』の稽古が行われています。
一つの稽古場で指導にあたっていたのは本作の振り付けを担当し、1989年から10年以上ユタ役を務めてきた加藤敬二。
そしてもう一つの稽古場では、1977年の初演から寅吉じいさん役を一人で務め続けているベテラン俳優の吉谷昭雄が指導にあたります。

『ユタと不思議な仲間たち』は、父を亡くして東京から東北の田舎に越してきた少年、ユタの成長を描いた物語。転校先の同級生からいじめに遭い、つらく苦しい日々を過ごしていたユタは、村に伝説として伝わる座敷わらしと出会います。“座敷わらし”とは、その昔、飢饉(ききん)や凶作の災害によって赤ん坊のうちに命を落としてしまった、子どもの魂。
一時は自殺を考えていたユタは、生きたくても生きることが叶わなかった座敷わらしとの交流により、命の尊さを知るのです。
5月24日に迎える東京公演に向けて集められた面々には、本作に長く出演してきた経験者をはじめ今回新たに挑戦する新メンバーの姿もありました。ほとんどの役はダブル・トリプルキャストの厚い層で編成。そんな彼らの多くにはある共通点がありました。
青森、岩手、秋田、山形、宮城、福島を故郷に持つ、東北出身者たちが揃えられたのです。
理由は、“本物”へのこだわり。『ユタと不思議な仲間たち』の舞台は東北・岩手県。セリフには東北地方の方言、南部弁が用いられています。キャラクターと相似していることはもちろんのこと、発音や古き良き田舎の風景を知る彼らから滲み出るものが、舞台に東北の空気を息づかせるからです。
また同時に、今彼らが抱える共通の想いもあります。それは、先日発生した東日本大震災からの復興への願い――。
指導を務める加藤と吉谷の言葉から伝わる熱もさることながら、頬を引き締め、厳しい要求に食らいつくようにして応える出演者たちの姿から、その強い想いが見てとれます。
今この作品を上演すること、舞台に立つことを宿命に感じ、自分たちの務めと責任を果たそうとしているのです。

加藤敬二によるダンス稽古。「振り付けはパフォーマンスではない。付けられた動きにはすべて意味や物語があります。ただの振りにならないように、心を動かして、行動に繋げて」と指示が飛びます。
ユタが勇気を持っていじめっ子たちに立ち向かうラストは、まさに渾身のダンス。その激しさは、ナンバーが終わると息を上げて床に倒れ込むほど。どうにか呼吸を整えて立ち上がると、再び稽古に挑みます。

もう一方の稽古場では吉谷昭雄による、芝居の稽古が行われています。青森県出身の吉谷は、南部弁のイントネーションを指導。稽古が開始された頃は、この南部弁稽古に多くの時間が費やされていました。
今も稽古中に言葉の強弱、こもり具合などを指摘し、正確に発音が出来るようになるまで、繰り返します。
ある日の稽古中、ペドロ役を務める岩手県出身の菊池 正が口を開きました。
「3月の震災、テレビのニュースで見る光景とはまったく違うと知り合いから聞いている。もっと悲惨だって……」
故郷の知り合いや、様々な文献を読んだ情報を言葉少なく伝えた菊池。この世に生を授かることが出来なかった座敷わらしを生きようと稽古する、俳優にかけた言葉でした。
座敷わらしたちの悲しい運命と向き合う俳優たちの目頭と鼻の先が、何度も稽古を繰り返していくうちに、うっすらと赤く染まってゆきます。
開幕まで、あと1週間あまり。『ユタと不思議な仲間たち』の稽古場からは、今日も夜遅くまで音楽が響いています。

『ユタと不思議な仲間たち』東京公演
四季劇場[秋]
5月24日(火)開幕!
6月14日(火)〜6月25日(土)公演分
5月14日(土)「四季の会」会員先行予約開始
5月22日(日)一般発売開始
※6月12日(日)公演分までは好評発売中!
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『ユタと不思議な仲間たち』の作家・三浦哲郎さんが8月29日(日)、逝去されました。79歳でした。
劇団四季と三浦さんの関りは1977年に遡ります。「こどものためのミュージカル・プレイ」として、三浦さんの小説『ユタと不思議な仲間たち』をミュージカル化。少年・ユタと座敷わらしの交流を描いた物語は、観る者の心を温めると同時に、“生命の尊さ”や“仲間の大切さ”を問いかけました。
89年には演出を一新。子どもから大人まで幅広い層のお客様から熱い支持をいただき、劇団四季オリジナルミュージカルの代表作の一つとなりました。
本作はその後も大切に上演が繰り返され、2007年には社会問題化していた“いじめ問題”に真正面から取り組むべく、『ユタと不思議な仲間たち』全国ツアーを実施。翌年の2008年までの2年間で、合計30万人の子どもたちを招待しました。
その効果を受けて、このプロジェクトは「こころの劇場」と名を改め、現在も活動の輪を広げています。
三浦哲郎さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

『ユタと不思議な仲間たち』08年東京公演より (撮影:荒井 健)
| 『ユタと不思議な仲間たち』これまでの上演記録
1977年 ヤクルト名作劇場 (※当時の題名は『ユタとふしぎな仲間たち』) |
2月28日(日)は「東京マラソン2010」(主催:(財)日本陸上競技連盟、東京都)が開催されます。
このため各劇場周辺道路及び各交通機関の混雑が予想されております。
劇団四季公演と一部時間が重なっておりますので、劇場にお越しの際は十分にお気をつけください。

