ブロードウェイ製作スタッフによる取材会

昨年12月、ニューヨーク・ブロードウェイにて日本のメディアに向けた取材会が実施されました!
プロデューサーであるディズニー・シアトリカル・プロダクションズ社長のトーマス・シューマーカー氏、作曲のアラン・メンケン氏、演出・振付のケイシー・ニコロウ氏が取材会に参加。アラン・メンケン氏が即興でピアノを演奏する、というサプライズパフォーマンスもあり、豪華なひとときとなりました。

※本ページ下方では取材会の様子をVTRにてご覧いただけます。お楽しみください!

トーマス・シューマーカー
ディズニー・シアトリカル・プロダクションズ社長

世界でも有名な『アラジン』の物語は「千夜一夜物語(アラビアンナイト)」が原点。しかし「アラジンと魔法のランプ」の話は、実は18世紀にフランス人が書いて物語の中に入れたものだと言われています。3つの願いを叶える人物に出会う物語、そしてアラジンとジーニーの関係は世界中の誰もが憧れ、こうあったらいいと願うものです。
アラン・メンケンの作曲とハワード・アッシュマンの作詞により生まれたディズニーの『アラジン』は非常に大きなプロジェクトとして、たくさんの曲が誕生しましたが、その製作途中でアッシュマンが病に倒れ、作詞はティム・ライスに引き継がれました。アニメーションは上映時間に限りがあるため、使われなかった曲も多くありましたが、結果的にアニメーション部門に留まらずこの1992年から93年の1年間に公開された全映画の中で最大のヒット作となりました。また「ホール・ニュー・ワールド」は大ヒットナンバーとなり、アカデミー賞やグラミー賞など数々の賞を受賞しました。
『アラジン』のアニメーションはアクション・アドベンチャーですが、これをいかに舞台で再構築していくかが大きな課題でした。実は、アラン・メンケンがそのきっかけを作ってくれたのです。製作初期のアイディアやアニメーションで使われなかったスコアなどすべてを持ち出してきてくれ、それを新たに舞台用に練り直し、脚本家のチャド・ベグリンも加わって最後の仕上げをするなど、非常に重要な役割を果たしました。ミュージカルではアニメーションでカットしたナンバーを加え、さらに舞台用に書き下ろした曲も追加しています(映画=9曲。復活ナンバー=5曲、書き下ろしナンバー=5曲、舞台=合計19曲)。
これらすべてを作曲したアラン・メンケンは、これまでに史上最多の8つのオスカーを受賞。ゴールデングローブ賞では7回、さらにグラミー賞(11回)やトニー賞、エミー賞も受賞しています。彼なしでは、「美女と野獣」「アラジン」「ポカホンタス」「ノートルダムの鐘」「ヘラクレス」「魔法にかけられて」も存在しなかったでしょう。

アラン・メンケン 作曲

実は『アラジン』はアッシュマンと共に『リトルマーメイド』と並行して作曲していました。まず『リトルマーメイド』を作り上げ、『アラジン』を半分くらい進めたところでアッシュマンの病が進行し、亡くなってしまいました。
『アラジン』には、大きく分けて3つのジャンルの音楽が用いられています。まずはアラビアを想起させるエスニック調の曲。ラクダが砂漠を歩いているようなイメージです。これにジャズやクラシカルなバラードの要素を入れていきました。
私は1930〜40年代に活躍していたジャズピアニストのファッツ・ウォーラーが大好きで、彼やジャズ・シンガーのキャブ・キャロウェイを意識して、かなりジャズの要素が強い「フレンド・ライク・ミー」や「プリンス・アリ」を作りました。
「プラウド・オブ・ユア・ボーイ」。これも気に入っている曲です。悪いこともしているアラジンが、母親に誇りに思ってもらうため、いつか立派な人間になる決意をする大切な歌。アニメーションではカットされましたが、この世界ではよくあることなので仕方ないと思っていました。それが舞台のミュージカルナンバーとなって甦ったのでとても嬉しいです。
また、魔法の絨毯にアラジンとヒロインのジャスミンが乗っている時のロマンティックなバラードが必要だということをアッシュマンとも話していました。アッシュマンが亡くなった後、シューマーカー氏のオフィスでティム・ライスを紹介されました。実はティムに会うのに手ぶらで行くのも悪いから、何か持っていこうと思って、飛行機に乗る前の晩に3曲作ったのです(「One Jump Ahead」「ホール・ニュー・ワールド」「Why Me」(※未使用ナンバー))。僕も歌詞を考えていたんですが、ティムが「A Whole New World~」と付けたらピッタリきました。本当にいい曲です。

──「ホール・ニュー・ワールド」についての想い

体も心も地上から離れ浮き上がるものすごくロマンティックな歌です。「美女と野獣」と同じくらい有名ですね。舞台化するにあたって、アニメーション用のアレンジだけでは有名すぎて新鮮味がないことにリハーサル中に気付きました。そこで曲も"ホール・ニュー・アレンジ"(=まったく新しいアレンジ)にしました(笑)。

ケイシー・ニコロウ 演出・振付

自分はもともと俳優。アニメーションの大ファンなので、この仕事に携われることにとても興奮しました。 シューマーカー氏が話していたように、アクション・アドベンチャーの舞台化、というところが一番の挑戦でしたが、曲を聴いていると従来のミュージカルコメディの要素もあると感じました。また、ジーニーというと、アニメーション版声優のロビン・ウィリアムズを想像されるかと思いますが、そうではなく、もともとのモデルであるキャブ・キャロウェイやファッツ・ウォーラーなどの原点に立ち返ることにしました。初めて手掛けたディズニー作品ですが、物語をしっかり観客に伝え、観客が楽しみや喜びを感じられるようにすることを大切に作っていきました。 『アラジン』では、演劇界で知られているトリックというトリックはすべて使っていて、本物の花火も使用しています。魔法の絨毯に関しては、本当に空を飛んでいるかのような感覚が必要です。そのため製作にはおそらく4年くらいかかりましたが、マジカルで素晴らしいものになりました。そして最も驚いたのが、この作品が魔法のように、そして化学反応を起こすように完成したことです。様々な困難もありましたが、本当に魔法のようにできてしまったのです。

──劇団四季の『アラジン』に期待すること

とても楽しみです。俳優の写真を見ただけで「彼はアラジン役だ」とキャラクターが分かったくらいです。また同じものをコピーするのではなく、ゼロから役を作りあげていくことが大事だと思うので、日本で稽古することを楽しみにしています。

取材会の模様の一部をVTRにてお楽しみください!

翻訳監修:劇団四季国際部

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