原作者・斎藤惇夫さんからのメッセージ

原作の小説を書いたのは、八丈島を訪れたときに、あるイタチに出会ったことがきっかけでした。もともと八丈島のイタチは、ネズミを駆除するために持ち込まれたものです。そして、私が見たイタチは、太陽の光を受けて体が白く輝いていたのです。とても印象に残り物語にしようと思ったのですが、私が主人公にしたのは、人間の都合によって住み家を追われるネズミたちの方でした。

八丈島のネズミたちのように、世の中には過酷な運命やままならないものが溢れています。若者たちは、自分の力ではどうにもならない、大きな社会という壁にぶつかることもあるでしょう。愛を通い合わせる幸福の裏には、必ず悲しい別れのときがやってきます。この私たちを取り巻く生きづらさや閉そく感は、時代を追うごとに大きくなっていると思います。

ですが、どうかガンバのように大きな壁に立ち向かい、乗り越えてゆく勇気を失わないで欲しい。どんなときも、前を向いて生きて欲しい。恐れることなく、人生という大海を自由に旅して欲しい。それが、この物語に込めた私の願いです。

40年もの歳月を経て、若い俳優の方々がこの舞台を演じている姿を見ると、私はいつも目頭が熱くなってしまいます。この物語はすでに私の手を離れ、今を生きる世代に受け継がれて新たな命を宿しています。私は、ひとりの観客として感動に包まれるとともに、物語に込めた私の願いが、この舞台を通じて皆さんに伝わっていくことに大きな喜びを覚えます。

どうぞ皆さん、嵐のような苦難にも勇気を振り絞って立ち向かっていくガンバと仲間たちの姿を、劇場でご覧になってください。そして、前を向いて生きる勇気と素晴らしさを受け取ってください。

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