劇団四季

『ウェストサイド物語』技術スタッフ製作レポート

ジョーイ・マクニーリー氏を演出家に迎え、稽古が活発化する『ウェストサイド物語』。

俳優たちが高い集中力で稽古に取り組むその頃、技術スタッフもまた、マクニーリー氏による指揮のもと制作に取り掛かっていました。
今回は横浜市あざみ野・四季芸術センターにある、小道具工房から製作現場をレポートします!

設計から手作り、一新される小道具

1月某日。工房を訪れると、スタッフらが総出で新規制作やメンテナンス作業に打ち込んでいました。

1950年代のアメリカを彷彿とさせる、レトロなパッケージの缶やボックスの数々。ひと際存在感を放つジュークボックス(レコード式音楽プレーヤー)は、これまでの公演から一新。設計から手作りで制作しています。

物語のカギを握るナイフは、より強度に、また刃が鋭く飛び出すように仕掛けをリメイク。クライマックスで登場する銃はデザインから重さまで、まるで本物のように再現されています。
こうした新規制作やこれまでの公演で馴染みのある道具もある一方で、省くことになった道具も少なくないと言います。

ジュークボックスをライトアップして試験運用。照明スタッフを交えて意見交換します。

レトロなパッケージが印象的な缶やボックスたちは、ドックの店で登場。

ナイフは仕掛けをリメイク。クライマックスで登場する銃は、まるで本物のように再現。

"物語において、すべてに存在する「理由」がある"

昨年12月に行われた、技術スタッフとの打ち合わせの様子。

昨年、マクニーリー氏と四季の技術スタッフとの打ち合わせが行われた際、舞台装置や小道具、照明、衣裳など各部門の演出プランを説明するなかで、彼は一貫して大きく二つの演出意図を説いていました。

一つは"物語において、すべてに存在する「理由」がある"ということ。
そしてもう一つは、登場人物が身に着けるものを"カラーリング(ここでは「色分け」の意)"するということです。

人種差別や虐待、貧困格差などアメリカが抱える社会問題を背景に描く本作は、明確なドラマが存在します。複雑で高度と言われる振り付けも、賑やかしでなく人物の感情やストーリーに基づくものです。つまり、すべての振り付けや舞台上の道具、デザインは、単なる飾りでなく、物語を語る上で存在する理由がある。反対に理由のないものは、省いてシンプル化する。それが彼の考えです。

ドックの店で登場するスツールの色を、ジェット団のカラーイメージである青に変更。

そしてもう一つの"カラーリング"は特に衣裳で見られ、対立する白人系少年グループ「ジェット団」とプエルトリコ系「シャーク団」のチームをカラーやトーンで分けて明確化。また、心情の変化を衣裳のカラーに投影させています。

これらの一貫した演出によって、ドラマ性を際立たせるマクニーリー氏。
劇団四季の創作活動の熱は高まるばかりです。

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