
横浜『キャッツ』ができるまで 〜舞台監督編〜
ブログをご覧のみなさま、こんにちは。
僕たち舞台スタッフは、『キャッツ』横浜公演の開幕に向けて
仕込みの準備に入っています。
これはキヤノン・キャッツ・シアターの模型。
設計図をもとに舞台の仕込み用に制作したものです。
『キャッツ』との出会いは1995年の品川公演。
本番付きのスタッフとして『キャッツ』に加わり、
2001年の大阪公演から舞台監督に、途中時々交代しながら、
また『キャッツ』に戻ってきました。
よくいろんな方から
「『キャッツ』は特殊な舞台だから大変じゃないですか?」
という質問をいただくことがあります。
確かに、舞台袖は無い、客席全部が舞台、しかもお客様ごと回る。
など、いろいろあることは事実なのですが、それが『キャッツ』なので、
特別視せず当たり前のこととして捉えるようにしています。
14年にわたって『キャッツ』に携わってきたわけですが、
毎日変わらぬ舞台をお届けする = 毎日同じことを繰り返す
というわけではないんです。
『キャッツ』に関わった人たちが、毎日ほんの少しずつでも
作品をより良くするための挑戦を続けてきたからこそ、
今の『キャッツ』があるんじゃないかなと思っています。
この写真はロビー入口から客席へ入る時の風景です。
僕自身は出来上がった『キャッツ』に途中から加わっているので、
初演時、全てが初めての状態でこの舞台を創りあげ、
1年間のロングラン公演を行ったというのは本当にすごいことだと思います。
先日、長野県の大町にある倉庫で昔の資料にも目を通してきたのですが、
僕たち現場の人間にとっては、やはり紙に書かれていることより、
キャッツ・シアターそのものが一番の教材となります。
「なぜここはこういう仕組みにしたんだろう?」と思って探ってみると
そこにはきちんとした理由があり、新たな発見につながっていきます。
26年間、『キャッツ』に携わってきたたくさんの人たちが積み重ねてきた
努力の結果と情熱がいっぱいに詰まっているんですよね。
だから僕自身も毎日ほんの少しずつでもいいから良い舞台に
していきたいという気持ちでやっています。
キヤノン・キャッツ・シアターでもたくさん試行錯誤するつもりです。
舞台裏でお客様の笑顔と拍手を味わえる日を楽しみにしています。
(『キャッツ』舞台監督・Y)
『キャッツ』横浜公演、開幕まであと42日!
