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『キャッツ』の世界へようこそ―その魅力に迫る

今やミュージカルの王者とも呼ばれている『キャッツ』は、来る11月11日に、横浜公演1周年、日本公演開幕27周年を迎えようとしています。今なお人々を惹きつけ、客足が絶えない本作の、その魅力とは一体―?

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誰もが驚く『キャッツ』ワールド全開のあのシーン。(撮影:荒井 健)

サーカスのような『キャッツ』

初めて見た時、まるでサーカスみたいだと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。劇場に一歩足を踏み入れたら、そこはもう都会のゴミ捨て場。客席の周りには、通常の3倍に作られた"ゴミ"が床から天井まで隙間なく積み上げられ、自分が猫のサイズになったかのような錯覚を起こしそう。そして、物語が始まった途端、前方の客席が回転。他のどの作品にもない"何か"が起こる予感がする瞬間です。

しかしそれはまだ序章に過ぎません。オーバーチュアの音楽と共に、次々と起こる『キャッツ』ならではの演出が、皆さまをミラクルな世界へと誘ってゆきます。ゴミに見立てられた"靴"が天井から落ちてきたり、神出鬼没のネコが登場したり、迫力満点のタップダンスやマジックショーが始まったり――。

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(左)ミストフェリーズのマジックショーには驚くべき仕掛けがたくさん。(右)空中ブランコを自由自在に操るギルバート。(撮影:荒井健)

「上演中にこれだけ動く箇所があるステージというのは、他にあまりありません。客席まで回るとなると、唯一無二です。それだけ、驚きと感動があるからこそ、これだけ長い間皆さまに愛され続けているのですが、その分、舞台上は危険も伴います。私たちスタッフは、何一つ見落とせません。他の演目と同じように毎日入念なチェックをしていますが、特に『キャッツ』では、普段から違う角度から見られる感覚を身に付けることが必要とされます」というのは舞台監督の吉野亘(よしのわたる)。キャッツ・シアターは、お客様に毎回新たな発見をして頂くための掛けが散りばめられている分だけ、360度あらゆる角度からの点検が必要となるのです。

キヤノン・キャッツ・シアターと銘打たれているように、現在横浜で『キャッツ』を上演している劇場は、『キャッツ』のために設計された劇場です。そこには、1983年東京・西新宿での日本初演時から劇団四季の中で脈々と受け継がれているノウハウが凝縮されています。作品を安全に上演するためのノウハウも、もちろんそこには含まれ、それを掌握しているのが、舞台監督。俳優と同じく、舞台は生ものであるということを日々感じながら、吉野は、絶対に慣れてしまわないようスタッフに指導しています。

ストーリー性に富んだミュージカル『キャッツ』

『キャッツ』は台詞も殆どなく、歌とダンスで構成されていることから、一見ショーのように捉えている方も多いのではないでしょうか。しかし、『キャッツ』はショーではなく紛れもないミュージカル。多くのお客様に感動を与え、長い間愛され続けている劇団四季の代表作です。

「ジェリクルキャッツが選ばれ、その猫が天上に上っていくシーンは見せ場です。そこに行きつくまでに、歌詞を通していろんなメッセージが込められています。一見、1つ1つの紙片になっているような作品ですが、物語が進むにつれて、その紙片は紡がれてゆき、最終的に昇天のシーンに繋がっている。『キャッツ』の振り付けを担当した加藤敬二は、『キャッツ』はショーではない、ミュージカルなんだと俳優たちに指導しているのですが、僕たちスタッフもそれを意識するようにしています」と吉野も言います。

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猫たちがどこからか運んできたあるものを使って、あっという間にスキンブルシャンクスの列車が完成します。(撮影:荒井健)

そして、よく言われるのが24匹それぞれの猫は、それぞれの人間にたとえられるということ。締めくくりのナンバーの中でも「とても似ているあなたと とても似ているあの人と とても似ている人間と さあ猫にご挨拶を」という歌詞がでてきます。舞台上の俳優だけでなく、それを支えるスタッフ、そしてもちろんお客様の一人一人が、24匹のどれかに似ている。そんな作品だからこそ、『キャッツ』は、キャッツ・シアターで生き生きと輝き、毎公演ごとに違った化学反応を起こして、様々な表情を見せるのかもしれません。

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迫力満点のクライマックスシーン。(撮影:荒井 健)

キャッツ・シアターに入れば、あなたも『キャッツ』の一員。その空間で、あなたがそこにいることで起こる、その日、その時の奇跡を、ぜひ体感してみて下さい。




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