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『キャッツ』の魅力

横浜『キャッツ』ができるまで 〜舞台装置編〜

こんにちは、舞台装置を担当させていただいているTです。
よろしくおねがいします。

舞台装置(大道具)の仕事の流れは、

1.装置家(土屋茂昭さん)と相談して装置プランを決める。
2.予算をたてる。
3.プランを模型や図面に起こす。
4.大道具や機構の製作・改造・設営の準備・手配または実行をする。
5.大道具や機構の解体・保管・資料の管理をする。

という感じですが、いまは3と4の作業の最中です。

10月はじめに、客席壁の建て込みと客席の床にシートを貼りました。
その後は客席の取り付けが行われますので、その間は大町やあざみ野で
「前仕込み」と呼ばれる事前準備をし、まもなく本格的な仕込みに入ります。
これは客席側にも飾りがある『キャッツ』ならではの手順です。

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10月16日のキヤノン・キャッツ・シアター

私は入団以来、『鹿鳴館』『トロイ戦争は起こらないだろう』
『ブラックコメディ』『アルデールまたは聖女』など、
ストレートプレイ作品を多く担当させていただいていたのですが、
装置プランはだいたい初日の3ヶ月くらい前に動き出していました。

『キャッツ』の場合は、初日の何ヶ月前からだと思いますか?

今回の『キャッツ』横浜公演の場合は、初日の7ヵ月前・4月から
動き始めました。劇場全体にわたって飾りがあるので、
計画や準備にもたくさん時間をかける必要が出てきます。
何度も打ち合わせを重ねた後、舞台監督編でご覧いただいた
下の模型製作にとりかかったのは6月頃からでした。

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「そもそも舞台装置(大道具)って何?」
と思われる方もいらっしゃいますよね、きっと。

基本的には「手に持てない大きな物」が舞台装置となります。
『キャッツ』の場合、壁に飾られているゴミは小道具、
そのゴミを飾るための壁が舞台装置の担当となります。
上空の雲、舞台後方の月や星空、舞台上のタイヤや
電子レンジなども舞台装置です。

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五反田/大崎キャッツ・シアター(撮影:荒井 健)

『キャッツ』との出会いは小学生の頃。
地元大阪で合唱団に通っていたのですが、そこに『キャッツ』の
振り付けをされた山田 卓さんがいらしていたんです。
それがきっかけでミュージカルや芝居に興味を持ち始めました。
(生まれて初めて観た舞台は劇団四季の『赤毛のアン』でした!)

その合唱団はちょっと本格的で、作曲家・作詞家・脚本家・
伴奏のピアニスト・オーケストラの指揮者など、魅力的な大人と
たくさん接することができました。
ひとつの作品をみんなで創りあげていく過程に触れる機会が
多かったので、舞台の世界に惹かれたんじゃないかなと思います。

『キャッツ』はちょうど1年前くらい、25周年の頃から担当させて
いただくようになったのですが、山田 卓さんが特に大切にされていた
作品と聞いていましたので、身が引き締まる思いでした。

今思うと、初演の『キャッツ』を上演する際のあざみ野の様子を
話して頂いた事がありました。
猫になりきるために、稽古場内を移動するときはみんな猫の
歩き方で動いていたとか。
いつもキラッと光る笑顔で、私たちを温かく指導して下さいました。

五反田/大崎キャッツ・シアターの解体はすごかったですね。
劇場全体を移設するわけですから覚えることが多くて・・・。
でも、ロングラン公演の場合、仕込み・解体は数年に一度しか
巡ってこないので、いろいろ勉強することができました。
下の図の様なラフター(クレーン)を劇場の中に入れたりして、
大道具の解体というより、完全に工事現場という感じで新鮮でした。

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今回の横浜公演の仕込みでもつくづく感じていますが、
『キャッツ』はとにかく作品に関わる人が多いんですよね。

例えば、劇場を建てて下さっている建築現場の方達や、
大道具や舞台の機構をつくって下さる方など、普段の何倍もの人が、
『キャッツ』という作品のために一緒に働いています。
また、26年間も上演し続けているということは、それだけ
観て下さったお客様も大勢いらっしゃるということですよね。

キヤノン・キャッツ・シアターの仕込み作業をしていると、
お客様の期待を裏切らないように、少しでもプラスにできるように
という思いが日々増していきます。

これから舞台の仕込み作業は佳境を迎えますが、
横浜・みなとみらいでもたくさんのお客様に楽しんでいただくため、
スタッフ一同、安全に気をつけて作業してまいります。
開幕までもう少しだけお待ちくださいね。

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追伸:
この間、はじめて「ハングリータイガー」に行きました。
横浜では有名なんですよね? ハンバーグ、おいしかったです。

(『キャッツ』舞台装置担当・T)


『キャッツ』横浜公演、開幕まであと25日!

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横浜『キャッツ』ができるまで 〜衣裳編〜

こちらは横浜・四季芸術センターの衣裳部屋。
『キャッツ』横浜公演開幕に向けて衣裳の準備を行っています。

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『キャッツ』はもともと動きの激しい舞台ですが、
1998年の演出変更の際、より野性的な猫へと進化したため、
衣裳の消耗もとても激しくなりました。

そこで、タイツは一人(一匹?)6〜8枚ずつ準備します。
サイズがいくつか必要な場合は、ひとつのキャラクターのために
20枚ものタイツが必要になることもあります。
それが24匹分ありますので、ひたすら作業あるのみです。

作業は「模様描き」「ボカシ」「ケムンパ付け」「蒸し」の4工程。

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ペンで一本一本模様を描き

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霧吹きでアルコールを吹きかけながら
ブラシでぼかしていきます。

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こちらはタイツに飾りの毛(ケムンパ)を縫いつける作業。
飾りの毛はなぜか昔から「ケムンパ」と呼ばれているのですが、
毛虫に似ていることから、赤塚不二夫さんのマンガに
出てくる「ケムンパス」から付けたのでは?という説があります。

毛足の長い毛糸を手編みして作るのですが、ロングラン中に
毛糸が生産終了になってしまうことも少なくありません。
似たものがあるかどうかは常にチェックしています。

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最後に蒸して熱を加え、色を定着させます。
この工程は着物を染める時と同じなので、初演の頃からずっと
着物の専門業者さんにお願いしています。


タイツの作業と並行して、上着類も制作中です。

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これは、グロールタイガーのシーンで子分役となる
雄猫たちが着る衣裳。(マンゴジェリー用)

こちらはマンカストラップ用のデザイン画。

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ほんの一瞬しか見えない、もしかしたら誰も気がつかない
ようなところまでこだわることも楽しみのひとつです。

26年前の日本初演時は、写真・映像の撮影ができず、
今のようにメールで簡単に情報をやりとりできる時代でも
なかったので、とにかく舞台を繰り返し観て、
記憶を頼りに衣裳をデザイン・制作したそうです。

その仕事がこちら。グリザベラの衣裳です。

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グリザベラのコートは現在3着ありますが、
これは初演からずっと大切に使い続けてきたもの。
少し色が落ちているので、横浜公演に向けて
これから染める予定です。

『キャッツ』は、色へのアプローチというか、
色彩に対する“勘”が必要とされる作品だと思います。
初演時の衣裳やデザイン画に込められた想いや感性を読みとり、
イメージをふくらませて良いものを創れるかどうか。
そこが難しくもあり面白いところでもあります。

最近は舞台装置はコンピューター制御され、
衣裳も専門の業者に依頼をすることも多くなってきましたが、
『キャッツ』は舞台装置のほとんどをスタッフが動かし、
衣裳も全て劇団四季でひとつひとつ手作りしています。

最新技術を駆使した舞台も華やかで素敵ですが、
『キャッツ』のような昔ながらのスタイルも
大切にしていきたいと思っています。

『キャッツ』は本当に良く考えられた素晴らしい作品ですし、
まさに「総合芸術」の名にふさわしい舞台だと思います。
横浜でもたくさんのお客様に楽しんでいただけますように。

(『キャッツ』衣裳担当・G)


『キャッツ』横浜公演、開幕まであと30日!

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横浜『キャッツ』ができるまで 〜舞台監督編〜

ブログをご覧のみなさま、こんにちは。
僕たち舞台スタッフは、『キャッツ』横浜公演の開幕に向けて
仕込みの準備に入っています。

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これはキヤノン・キャッツ・シアターの模型。
設計図をもとに舞台の仕込み用に制作したものです。

『キャッツ』との出会いは1995年の品川公演。
本番付きのスタッフとして『キャッツ』に加わり、
2001年の大阪公演から舞台監督に、途中時々交代しながら、
また『キャッツ』に戻ってきました。

よくいろんな方から
「『キャッツ』は特殊な舞台だから大変じゃないですか?」
という質問をいただくことがあります。

確かに、舞台袖は無い、客席全部が舞台、しかもお客様ごと回る。
など、いろいろあることは事実なのですが、それが『キャッツ』なので、
特別視せず当たり前のこととして捉えるようにしています。

14年にわたって『キャッツ』に携わってきたわけですが、
毎日変わらぬ舞台をお届けする = 毎日同じことを繰り返す
というわけではないんです。
『キャッツ』に関わった人たちが、毎日ほんの少しずつでも
作品をより良くするための挑戦を続けてきたからこそ、
今の『キャッツ』があるんじゃないかなと思っています。

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この写真はロビー入口から客席へ入る時の風景です。
僕自身は出来上がった『キャッツ』に途中から加わっているので、
初演時、全てが初めての状態でこの舞台を創りあげ、
1年間のロングラン公演を行ったというのは本当にすごいことだと思います。

先日、長野県の大町にある倉庫で昔の資料にも目を通してきたのですが、
僕たち現場の人間にとっては、やはり紙に書かれていることより、
キャッツ・シアターそのものが一番の教材となります。

「なぜここはこういう仕組みにしたんだろう?」と思って探ってみると
そこにはきちんとした理由があり、新たな発見につながっていきます。
26年間、『キャッツ』に携わってきたたくさんの人たちが積み重ねてきた
努力の結果と情熱がいっぱいに詰まっているんですよね。

だから僕自身も毎日ほんの少しずつでもいいから良い舞台に
していきたいという気持ちでやっています。

キヤノン・キャッツ・シアターでもたくさん試行錯誤するつもりです。
舞台裏でお客様の笑顔と拍手を味わえる日を楽しみにしています。

(『キャッツ』舞台監督・Y)

『キャッツ』横浜公演、開幕まであと42日!

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携帯待ち受けの秘密2 〜ボンバルリーナ編〜

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(撮影:荒井 健)

ごきげんよう。ボンバルリーナ役の西村麗子です。

私が湘南の海に出たり、山下公園で潮風にあたったりすると
日常がリセットされて瑞々しい気持ちで毎日が送れるように、

横浜近辺のみなさまには、
『キャッツ』という別世界と生の舞台の面白さを、
ご自分の庭の様に何度となくお楽しみ頂けたら幸いです。

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生まれ育った湘南の海にて

東京などの少し離れた関東圏からお越し頂くお客様には、
横浜が開港当時から持つ、「洒落たところ、珍しいところを呑み込み、
潮風でさわやかに洗って根付かせるような独特な気風」を
気軽に満喫して頂きたいです。
品川からはわずか20分の気軽さですので、横浜独特の魅力と、
『キャッツ』独特の魅力を小旅行のように味わって頂き、
「『キャッツ』に行けば、必ず何かに出逢える」
と心のお守りにして頂けたら幸いです。

全国各地からお越し頂くお客様には、
「『キャッツ』を見れば人生の新しい発見があり毎日が生まれ変わってゆく」
横浜の「キヤノン・キャッツ・シアター」がみなさまにとって
そんな場所であれたらと心の底から願います。

幼稚園から小学校に上がる春休みに母と祖母とで
山下公演沿いに碇泊している氷川丸を観に行きました。
そして小学校の初めての図工の時間には氷川丸の絵を描きました。

バレエ少女だった時代、山下公園沿いのホールに
パリ・オペラ座やベジャール、プリセツカヤのバレエ等を
よく観に行っていました。

申しきれないのですが、横浜には自分の人生の節目ごとの
大切な思い出がいっぱいに詰まっています。

一番のおすすめは関内の日本大通りから山下公園沿いの道を通り、
バーニーズ辺りから中華街にぐっと入ってゆくルートでしょうか。
今も無性に楽しく、ほっとします。

そして、もう一つは外人墓地周辺。
ここは3才の頃の、父・母とのドライブに始まり、
甘い甘い思い出まで見届けてくれている素敵な場所です。
別世界への入り口があるような場所です。

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氷川丸

ボンバルリーナは、雌として非常に成熟した猫です。
首輪は無く、飼い馴らされる事無く、堂々と自分の野性に
忠実に生きる雌猫です。
野性と猫としての量感が彼女を美しくしています。
成熟しているからこそ、物事の表と裏を感受する純度と
振り幅は高く、悪徳にすら美や憧れを見出します。
故に、犯罪王であり悪徳の化身であるマキャヴィティの事を
謳い上げます。
「爆弾バレエ猫(Bombalurina)」という名の通り、
バレエの身体の使い方ががっつりしみ透った猫です。

『キャッツ』東京公演の際には、五反田・大崎の街に
ミストフェリーズやランパスキャットが現れるような錯覚を
持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

横浜では、
山下公園近くの教会にオールドデュトロノミーが、
赤レンガ倉庫にスキンブルシャンクスが、
フランス山の文学館の庭にヴィクトリアが、
外人墓地にマキャヴィティが、
石川町のジャズスポットの脇にボンバルリーナが、
中華街の店の厨房裏にマンゴジェリー&ランペルティーザが、
関内の美食処の玄関にバストファジョーンズが居るかもしれません。

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どうぞ皆様それぞれの横浜『キャッツ』の魅力に思う存分ひたって下さい。
横浜での『キャッツ』の魅力を、皆様と共に深めてゆけますよう!!

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(ボンバルリーナ役 西村麗子)

『キャッツ』横浜公演、開幕まであと53日!

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携帯待ち受けの秘密2 〜カッサンドラ編〜

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(撮影:荒井 健)

ブログをご覧のみなさま、こんにちは。カッサンドラ役の大口朋子です。

私は逗子のほうの出身なので、子どもの頃の横浜の印象は
「週末に家族でちょっとぜいたくを楽しみに行くところ」という感じでした。

ドライブがてら元町に行ってショッピングをして、夕方になると洋食屋さんに
行ってハンバーグセットやお子様ランチを食べるんです。
当時の元町は「昔ながらのお洒落な商店街」という感じでしたし、
洋食屋さんもお洒落なお店が多いので、ちょっと大人になった気分を
味わえて、いつも週末が楽しみでした。

高校生になると・・・やっぱりショッピングですね(笑)。
友達と中華街に行ってかわいいサンダルを見つけたり雑貨めぐりをしたり。
今も相変わらず買い物は大好きです。

みなとみらいのおすすめは、観覧車。
周りのビルが高いのであまりそう見えないかもしれないのですが、
頂上はかなり高さがあるんですよね。
ゴンドラから見る横浜の景色もとっても素敵ですよ。

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さて、私が演じているカッサンドラという役について
ちょっとご紹介してみたいと思います。

カッサンドラはいつもオス猫のタンブルブルータスと一緒。
タンブルブルータスが男性の象徴、カッサンドラは女性の象徴なんです。

『キャッツ』に出てくる猫たちの中でも、カッサンドラは特に月を
いつも意識していて、1幕のタイヤの上でのアダジオや、
2幕冒頭も月に惹かれてつい踊りだす、神秘的な猫なんです。
(ちゃんと神秘的に見えていればいいのですが・・・)

タンブルブルータスと2人で踊るシーンが多いので、
相手が変わる度に入念に確認をします。
それぞれ呼吸や間が違うのですが、だんだん息が合ってくると、
違いが楽しくなりますね。
なんといっても男性の象徴なので心強いし安心できます。

『キャッツ』横浜公演が始まったら、昔良く行ったところを
もう一度のんびり巡ってみようかなと今から楽しみにしています。

全国各地からたくさんのお客様が地元に来てくださるというのは
やっぱりすごく嬉しいです。
ぜひ『キャッツ』と横浜の両方を楽しんでくださいね。

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(カッサンドラ役 大口朋子)

『キャッツ』横浜公演 開幕まであと55日!

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