8月に開幕を控える新作オリジナルファミリーミュージカル『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』。横浜市あざみ野の四季芸術センターでは、クリエイターやスタッフによる技術製作が進められてきました。
この森でもなければ、その森でもない、あの森でもなければ、どの森でもない、「こそあどの森」。そんな不思議な森と、そこで暮らす個性豊かな住人たちの世界が、どのように立体化されるのか――。
舞台装置をはじめその全貌は開幕までのお楽しみにするとして、今回は舞台に登場する小道具の製作現場から、そのディティールに込められた、作品へのこだわりに迫ります。
主人公・スキッパーが暮らすのは、ウニを乗せた船のような形をした「ウニマル」と呼ばれる家。そこに配置される家具は、素材からこだわり、本物の家具作りと同様の工程で製作されています。

丸みを帯びたフォルムが可愛らしいストーブや、背もたれのデザインが特徴的な椅子(写真は着色前の状態)

ストーブの本体と煙突部分に着色を施し、質感を出していきます
本を読むことが大好きな少年スキッパーの家には、たくさんの本が並びます。小道具スタッフが手掛けるその数、実に100冊。一冊ずつ、実物の重厚さを表現しながらも、軽量な小道具に仕上げられます。

重そうに見える本ですが、中身はサンペルカという素材で厚みを出し、軽量化の工夫が
お腹を空かせたホタルギツネに、スキッパーが差し出すのが、缶詰。人間の食べ物に、はじめは戸惑うホタルギツネですが......。二人の心の距離を近づけるのに一役買うアイテムに、ご注目ください。

缶詰のラベルをシールにプリントし、丁寧に切り貼り。全部で40缶ほどを製作します

本物さながらの美味しそうなイワシはサンペルカ、サバはスタイロフォームと呼ばれる素材を土台に、紙粘土を貼り付けて作られています

本物の缶詰の写真と比べても、このリアルさ。オイルの質感は樹脂で再現
こちらはトマトさんとポットさんの家にあるパン焼き窯。物語の佳境で重要な役割を果たします。台所で見かける、ある物の形を模しているのですが......完成形は劇場でお確かめください。

綺麗に着色した状態(下段左)から、実際に使用した場合を想像しながら汚し加工を入れることで、年季が入ったような質感に(同右)
そしてこちらは、珍しい動物型の楽器。実際にペルーから輸入されたものをベースに、演出・山下純輝が求める理想の形に仕上げました。本作では様々な楽器が登場。どのシーンで登場し、どんな音色を響かせるのか?ご注目ください。

輸入された実物の楽器。こちらをベースに、新たな造形を製作します

シリコンを塗り付けて製作した型にゼリー状の樹脂を流し込み、固めて取り出した状態

ベースとなる黄色から、さらに色を重ねて......どこかとぼけたような表情も愛らしい、動物型の楽器が完成!
少しずつ姿を現しはじめた、「こそあどの森」の世界。オフィシャルウェブサイトでは今後も、創作の様子を順次レポートしていきます。
※『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』東京公演(自由劇場)は好評により前売りチケットが完売いたしました(ただし、劇団四季idセンター「チケット出品サービス」により、随時若干枚数が出品される可能性があります)。
東京公演に続き、9月からは全国公演が開幕。以下のチケット発売をぜひご利用ください。
発売日程 | 7月24日(土)午前10時「四季の会」会員先行予約開始 ※一般発売は公演地により異なります。 |
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対象公演 | 座間(神奈川)、川口(埼玉)、所沢(埼玉)、宮古(岩手)、釜石(岩手)、大船渡(岩手)、名取(宮城)、多賀城(宮城)、いわき(福島)、二戸(岩手)、南相馬(福島)、陸前高田(岩手)、仙台(宮城)、石巻(宮城) 「四季の会」会員先行予約初日は、下記よりご予約ください。 ※8月には、北海道、新潟県、広島県の公演チケットを発売予定。 |