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『コーラスライン』見どころガイド

ブロードウェイの歴史を塗り替えた異色のバックステージ・ミュージカル!

ミュージカルに興味を持ち始めると、必ず耳にする作品があります。1975年の初演以来、圧倒的な人気でブロードウェイの歴史を次々と塗り替えることになった伝説の舞台、それが『コーラスライン』です。

初演翌年の76年のトニー賞において、最優秀作品賞を筆頭に9部門を制覇!その後、90年までの15年間、ミュージカルの頂点に君臨し続け、重ねた公演回数は6137回、観客動員は664万人。この『コーラスライン』が打ち立てたブロードウェイ史上最長ロングラン記録が更新されるのは、97年の『キャッツ』まで待たなくてはなりませんでした。

劇団四季では1979年に初演。公演回数は2000回を超えます。しかし、『コーラスライン』が歴史的作品である理由は、その記録だけではありません。豪華な装置もきらびやかな衣裳もない、1本の白いラインが引かれただけの舞台。そこで赤裸々に描き出される、ショウ・ビジネスの世界に生きる若者たちの等身大のドラマ。そう、この舞台は従来のミュージカルとは一線を画す、異色の“バックステージ・ミュージカル”です。

そこには純粋でひたむきな舞台への祈りがあります。そして、歓喜と苦難に満ちた人生への賛歌に溢れています。シンプルであればこそ、ダイレクトに伝わる感動があります。

あらゆる世代、国境を超えて、私たちの心を揺さぶり続けるリアルなヒューマンドラマ。それが、ブロードウェイの歴史に名を刻む傑作『コーラスライン』なのです!

ただ一本の白いラインに賭けた真実の告白。鮮やかに浮かび上がる「青春の光と影」

原案・振付・演出のマイケル・ベネット氏は、舞台の仕事を求めてオーディションを渡り歩くブロードウェイのダンサーたちの物語を創りたいと、実際にダンサーを集めてインタビューを行いました。彼らが告白するその身の上話を基に、名作『コーラスライン』は生まれたのです。決してスター(主役)ではない、舞台の枠を飾るためのコーラスダンサー。苦悩と葛藤を抱えながら、それでもミュージカルの舞台を目指す彼らの“舞台裏の真実”にこそ熱いドラマがあったのです。

舞台に引かれた、たった1本の白いライン――『コーラスライン』に人生を賭けた若者たち。それぞれの生い立ち、悩み、不安、そして希望を持った彼らに、演出家ザックは静かに問いかけます。「履歴書に書いていないことを話してもらおう。君たちがどんな人間なのか―」

この風変わりな要求にダンサーたちは戸惑いながらも、各々、自らの人生のエピソードを語り始めます。

姉のレッスンについていったことがきっかけでダンスを始めたマイク。複雑な家庭環境の中で、何もかも美しく夢のようなバレエに憧れたシーラ、ビビ、マギー。ダンスは得意だが音痴のクリスティン。高校の授業で落ちこぼれ、独学で女優になったディアナ。美容整形を受けてから仕事に恵まれるようになったヴァル。女装のショーで踊っていたポール。そしてザックのかつてのパートナーで、ハリウッドの現実に失望し、再度コーラスダンサーからやり直そうと戻ってきたキャシー。

人生という一度きりのドラマを生きる若者たちの“青春の光と影”が、真っ直ぐに伸びた白いラインの上で鮮やかに浮かび上がっていきます。

そして、「もし明日踊れなくなったらどうする?」という究極の選択に迫られた時、彼らが出した答えとは?ダンサーたちのリアルな物語は、いつしか私たち自身の物語に重なり、深い共感と感動を呼び起こします。

絶え間なく奏でられるメロディーは、まるで映画のよう

上演時間のうち、ほとんどのシーンで音楽が流れているという“シネマ的手法”も、この舞台の大きな魅力のひとつ!それもそのはず、名曲「ワン」をはじめとした『コーラスライン』の音楽を作曲したのは、『追憶』や『スティング』でアカデミー賞を獲得した映画音楽の巨匠マーヴィン・ハムリッシュです。ダンサーたちが歌うナンバーはもちろん、バックグラウンドミュージックとして流れているメロディーにも耳を澄ませてみましょう。見事に物語の起承転結や登場人物の心理とリンクし、まるで名画を見ているような心地よさを感じることができるはず。

白いラインが引かれただけの舞台上で、激しく華麗なダンスとポップで物語性豊かな音楽、そして若者たちのリアルな生き様が重なり合う時、私たちはこれまで体験したことのないミュージカルの感動を知ることになるのです!

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はじめに Introduction

永遠のミュージカル『コーラスライン』

ストーリー Story

舞台上には1本の白いライン―――コーラスライン

クリエイター<マイケルベネットが語る>

マイケル・ベネットが語る