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舞台と衣裳

鬼才、ボブ・クローリーが描く 『リトルマーメイド』の世界

『リトルマーメイド』ヨーロッパ版の装置・衣裳デザインを担当したボブ・クローリーは、英国・ナショナルシアターのアソシエイトデザイナー。同シアターをはじめ、ドンマー・ウェアハウス、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、ロイヤル・バレエ、ロイヤル・オペラ・ハウスなど、計50以上のプロダクションに携わっています。

ブロードウェイやウェストエンドにおいても多くの作品に携わり、『回転木馬』(1994年)、『アイーダ』(2000年)、『ヒストリー・ボーイズ』(2006年)、『コースト・オブ・ユートピア』(2007年)、『メリー・ポピンズ』(2007年)、『ワンス』(2012年)、『パリのアメリカ人』(2015年)ではトニー賞最優秀装置デザイン賞を受賞。また、ドラマ・デスク賞(最優秀装置デザイン賞)やイブニング・スタンダード賞(最優秀デザイナー)でも複数の受賞歴があります。さらに、『アラジン』(2014年)の装置デザインも手掛けています。

今や世界の舞台美術界のトップデザイナーの一人となった彼ですが、その表現スタイルを一言で表すならば、「コンセプトの明快さ」といえるでしょう。一つの作品をデザインするにあたって、華美な装飾性やリアリズム的な正確さよりも、全体を貫く表現の方向性をシンボリックに観客に提示することを重要視し、そのコンセプチュアルな世界観を通し、舞台をイマジネーション溢れる空間へと変化させています。そしてその「視点」のユニークさや斬新さが、観客を演劇的な興奮に誘うのです。

事実、『リトルマーメイド』ヨーロッパ版のデザインは、まさに彼のスタイルが顕著に表れたもの。ブロードウェイ版とは異なるアプローチで臨み、海底の世界では三次元的な奥行きと広がり、地上世界では、まるで絵本から飛び出てきたような二次元的なポップさがポイントとなっています。この「視点」の変化によって生まれる驚きと興奮が、アリエルの恋と冒険の物語を立体的に見せているのです。

■ ボブ・クローリー氏 受賞歴
<トニー賞 最優秀装置デザイン賞>
『回転木馬』(1994年 ミュージカル)
『アイーダ』(2000年 ミュージカル)
『ヒストリー・ボーイズ』(2006年 芝居)
『コースト・オブ・ユートピア』(2007年 芝居)
『メリー・ポピンズ』(2007年 ミュージカル)
『ワンス』(2012年 ミュージカル)
『パリのアメリカ人』(2015年 ミュージカル)

<ドラマ・デスク賞 
最優秀装置デザイン芝居部門及びミュージカル部門>
『愛の創造』(2001年 芝居)
『コースト・オブ・ユートピア』(2007年 芝居)
『メリー・ポピンズ』(2007年 ミュージカル)
『パリのアメリカ人』(2015年 ミュージカル)

<イブニング・スタンダード賞 最優秀デザイナー>
『メリー・ポピンズ』(2005年 ミュージカル)

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