ミュージカル『ミュージカル李香蘭』

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はじめに Introduction

『ミュージカル李香蘭』は、日本の激動の時代、1920年代から1945年までの歴史を、
客観的に、かつダイナミックに描き出しながら、
大きな歴史の流れに翻弄されたアジアの歌姫の数奇な運命を浮き彫りにしています。
1人の女性の半生を描くことで
昭和という1つの時代を浮き彫りにする『ミュージカル李香蘭』への反響は非常に大きく、
公演のたびに劇団に寄せられる感動の声、そして再演の希望は後を絶ちません。

反響は国内にとどまらず、
1992年には中国政府の招聘を受け中国4都市(北京・瀋陽・長春・大連)、
1997年、シンガポールでも上演を行い、海外でも深い感動を伝えてきたのです。

次第に忘れ去られてゆきつつある戦争でどのようなことが人々の身に起こったのか。
これからも劇団四季は『ミュージカル李香蘭』の上演を通して
21世紀という新しい時代を担う人たちに、戦争と平和を語り継いでいきます。

ストーリー Story

祖国反逆者の裁きの場で——

第二次世界大戦直後の中国——「殺せ! 漢奸、裏切り者を」という民衆の声が響きます。
戦争中に敵国日本に協力した漢奸(祖国反逆者)を弾劾する裁判が開かれているのです。

被告席に立つのは、美貌の女優<李香蘭>。
日本語、中国語を流暢に話し、歌う映画女優として満洲映画協会で活躍した香蘭は、
日本の宣伝工作に加担した裏切り者としてその罪を問われることになります。
検察官が死刑を求刑したその時、李香蘭は驚くべき告白をします。

「私は中国人ではありません。日本人なんです」

日本人であれば「祖国反逆」の罪に問うことは出来ない——
人々が困惑する中、日本人「山口淑子」がどのようにして
希代の歌姫<李香蘭>になったのか、その半生が語られてゆきます。