日本全国の子どもたちを無料で劇場に招待し、演劇の感動を届けるプロジェクト「こころの劇場」。その東京公演を行っているファミリーミュージカル『ガンバの大冒険』の出演俳優が、『美しい日本語の話し方教室』(劇団四季の方法論の一つである"母音法"を用いて、子どもたちにはっきりと聞き取りやすい話し方を身につけてもらうことを目的とした授業)を実施しました。
この日授業を受けたのは、八丈島にある八丈町立三根小学校の6年生。
八丈島は、『ガンバの大冒険』原作者・斎藤惇夫さんが訪れた際にとあるイタチに出会ったことで想を得て、原作の小説を書くきっかけとなった場所です。
そんなゆかりの地からやってきた児童たちは、まず、四季劇場[秋]で『ガンバの大冒険』を観劇しました。
終演後の興奮冷めやらぬまま、場所を移動し、観劇の感想を話し合いながら授業の開始を待ちます。
時間になり、俳優たちがやってくると、代表の児童が「今日は私たちのためにこのような時間を作ってくださり、ありがとうございます」とまず挨拶をしてくれました。
さっきまで観ていた舞台にたずさわっている俳優たちが目の前に登場した時は緊張の面持ちでいた子も、授業が進むにつれて笑顔が増え、最後にははっきりと聞き取りやすい話し方が出来るようになりました。
授業が終わると、「"言葉を伝える"ということを学びました。友達や家族と話すときに今日学んだことを思い出したいです」という感想とともに、全員で母音法を意識して「ありがとうございました」とお礼の挨拶をしてくれました。
校長先生からも、「原作者の斎藤先生が、7年前に講演会で本校にいらっしゃいました。そして今回『ガンバの大冒険』を観られるということにご縁を感じています。冬には学芸会があるので、今日の経験を役立ててくれると思います」と感想をいただきました。
児童たちは数日間滞在し、帰りはフェリーで10時間かけて島へ戻ります。
人を思いやる心や仲間の大切さを、舞台を通して語りかけたい―。劇団の思いは、八丈島の児童たちにもしっかり伝わったようです。
『ガンバの大冒険』は7月15日(金)まで「こころの劇場」東京公演を行い、その後23日(土)より東京・自由劇場にて一般公演、9月13日(火)からは福岡公演を皮切りに全国ツアーに出発します。
八丈島で生まれたガンバたちの冒険を、ぜひ劇場でご覧ください!