『エクウス』の稽古場から

5月下旬、四季芸術センターの『エクウス』の稽古場には、回転装置が備わったサークル(円形舞台)が組み立てられ、実際の舞台に近い環境での稽古が始まりました。サークルの内側にはスクエア(平方形)に仕切られた芝居空間。さらに正面奥と左右には金属と革で編まれた馬の仮面が飾られ、独特で厳粛な空気に包まれます。

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6頭の馬の目をピックでつぶすという事件を起こした少年アランと、彼の心を救おうと深層心理に迫る精神科医ダイサート。物語はダイサートを中心に、アランや彼の周りの大人たちとの対話によって展開され、スクエアでは様々な視点から事件の背景が語られていきます。

とある日、1幕の小返し稽古(場面を繰り返しながら行う稽古)が行われました。

「急ぐ必要はありません。ダイサートの言葉をよく聞いて、もっと素直な反応で」
「馬の話になる時だけは違う。相手の言葉が聞こえないほど心酔して感情が解き放たれていく。その切り替えをはっきり」

稽古を牽引するのは、約20年前にアラン役を演じた加藤敬二。時に自らが実際に演じて見せ、助言します。
そして初めての通し稽古を行うとき、加藤はこう伝えました。

「スクエアでは(感情を)引かないで。この空間は、アランも、両親も、馬主も皆それぞれの視点と言葉でダイサートに打ち明ける場。すべてを吐き出してください」

登場人物らが入れ替わりにスクエアで語る光景は、まるで裁判のようにも錯覚させます。そしてすべてが明るみになった時、言いようのない少年の悲しみがダイサートに押し寄せると同時に、それを見守る観客は陪審員さながら、ある一つの問題を問うことでしょう。"正常とは何か――"。

開幕は6月26日(日)。2週間限定で自由劇場にて上演いたします。どうぞご期待ください!


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