春の陽気が暖かさを運んできた４月１７日、横浜市あざみ野の四季芸術センターで、ミュージカル『アンデルセン』の稽古が始まりました。
劇団内オーディションを経て、個別の稽古を積み、この日初めて一堂に会した出演候補者たち。本作初参加の者も多く、稽古場には静かな高揚感が漂います。
前回公演で主人公ハンスを演じ、今回は演出スーパーバイザーを務める味方隆司が「改めてよろしくお願いします」と声を掛け、全員揃っての本読み稽古が始まりました。

田舎町で靴屋を営むかたわら、子どもたちに物語を語り聞かせる日々を送るハンス・クリスチャン・アンデルセン。故郷を追われるように大都会コペンハーゲンへ旅立った彼は、王立バレエ団のプリマ・バレリーナに恋をします。それは道ならぬ恋でしたが、ハンスは溢れる想いを美しい「人魚姫」の物語に綴り、彼女に捧げます。やがて「人魚姫」を原作にしたバレエが大成功を収め、ハンスの物語作家としての人生が開いていきます――。

一人の青年が、苦い恋や様々な出会いを通して自らの夢を知り、人生の扉を開く。
そんな物語を、まっすぐ丁寧に描く本作。しかもその青年とは、数々の童話を生み出したイマジネーションに溢れる人物、あのアンデルセンです。
「この作品は、リアルな日常が見えるように。言葉の裏にある意味を常にイメージして、交流してください。繊細でしなやかな作品。ガツガツやるだけでは成り立ちません」
この日、厳しくも真摯な言葉を投げた味方。フレッシュなキャスト陣はこの課題にどう取り組み、役を自分のものとしていくのか――今後のレポートをどうぞお楽しみに！

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