春めく陽射しが降り注ぐ3月半ば。横浜市・四季芸術センターでは、4月に開幕を迎える『ノートルダムの鐘』横浜公演(KAAT神奈川芸術劇場<ホール>)に向けた稽古が行われていました。
この作品の初演は、2016年・東京。迫りくるような感動と衝撃が話題を呼び、開幕後、チケットは瞬く間に完売。その人気ぶりは、続く上演地・京都公演で輪をかけて大きくなり、開幕前に全公演のチケットが完売するなど、異例の反響を呼びました。
そして今、横浜公演に向け、稽古場には俳優たちが集中力を高め、作品と向き合う姿が――。
その面々は初演から出演してきた俳優のほかに、新たな顔ぶれも。深みとフレッシュさが交りあう新たなカンパニーを、演出スーパーバイザー・味方隆司と助手を務める北澤裕輔が指揮をとり、作品を深めていきます。
「皆さん経験を積んで、役と慣れ親しんできたと思います。そこでもう一度、それぞれの人物について振り返ってみてください。この人はどのように生きてきたのか、今はどの階級でどんな立場なのか。そして、カジモドという他者を見て何を思うのか......」(味方)
生まれながらに障がいを抱えるカジモド。その彼に、「お前は醜い」と説き、ノートルダム大聖堂の鐘突き塔で密かに育てていた聖職者フロロー。大聖堂の警備隊長・フィーバス。
そして、彼ら3人の前に現れた美しきジプシーの娘エスメラルダ。
彼女の出現は、感じたことのない感情、完璧であったはずの理性、また、それぞれの関係に変化をもたらし、その後に起きる事件の引き金ともなるのです。
15世紀末のパリを舞台に描きながらも、現代に通じる社会的テーマをも含んだ本作。物語の語り部として、お客様に届けるという使命を担った俳優たちは、演じる人物を見つめ、自己を磨いていきます。
『ノートルダムの鐘』横浜公演は4月8日(日)開幕。今なら5月以降のご予約がおすすめです。また、"早く観たい!"という方は、4月にも「サイドイス付立見」席に空席があります。人間の"光"と"闇"を真正面から描いた話題作を、ぜひご覧ください!