【詳報】新作ミュージカル『パリのアメリカ人』オーディションレポート

先月速報をお届けした最新ミュージカル『パリのアメリカ人』の出演候補者オーディション。
「ダンス、音楽、芝居――すべての要素が三位一体となった作品」と、演出・振付のクリストファー・ウィールドン氏が語る本作への挑戦は、俳優たちにとってどんな意味を持つのか。早くもその一端が垣間見えることとなった、2日間にわたる濃密なオーディションの詳細をレポートします。

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来日したクリストファー・ウィールドン氏(演出・振付)、ドンティー・キーン氏(演出補)、トッド・エリソン氏(音楽スーパーバイザー)、スチュアート・オーケン氏(プロデューサー)を交えて迎えた、最終審査1日目。

アンサンブルキャストの審査には、男女ともにバレエ経験豊富な劇団メンバーが参加。バレエに続き、ジャズコンビネーションやタップダンスも行い、多様な種類のダンスを踊り分ける力が試されました。

主人公であるジェリーとリズの審査では、それぞれにソロのダンスと歌を披露したあと、台詞のやり取りへ。
戦後のパリで画家を夢見るアメリカ人の青年・ジェリーと、彼が恋に落ちたフランス人のバレエダンサー・リズ。心の奥に抱えた戦争の傷跡をつかの間忘れ、歩み寄ろうとするふたりの台詞を、俳優の組み合わせを様々に変えて確認します。
一転、ペアダンスでは、一切の台詞無しに踊りだけでふたりの心の解放を表現。キャラクターの心情を繊細に表現する歌や芝居と、非常に高度なダンステクニック、その全てが求められるのです。

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2日目には、その他メインキャストの審査が行われました。
ジェリーと同じくアメリカの退役軍人で、ピアニストとして生計を立てながら作曲家を目指すアダムと、フランス人資産家の息子で、ショーマンを夢見るアンリ。パリで出会った3人の男たちが、芸術や人生について熱く語り合うシーンでは、コミカルな掛け合いが笑いを誘います。
さらに、ジェリーの絵の才能と彼自身に惚れ込む裕福なアメリカ人女性・マイロ、厳格なアンリの父親ムッシュー・ボーレルとその妻マダム・ボーレルなど、物語を彩る主要キャラクターの審査が続きました。

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オーディション中、ウィールドン氏やキーン氏は、受験者一人ひとりの近くで具体的なアドバイスを送ったり、時には自ら踊りの手本を見せることも。また、審査の最後にはジェリー役とリズ役の候補者を集めてワークショップを行うなど、早くも俳優たちにキャラクター造形のための多くの手掛かりを与え、意義深い2日間となりました。

いよいよ動き出した、『パリのアメリカ人』日本初演プロダクション。
今後の続報を、どうぞお楽しみに!

>>『パリのアメリカ人』作品紹介はこちら
>>作品の魅力に迫る!演出・振付:クリストファー・ウィールドン氏 インタビューはこちら


◆ 2019年1月開幕 東急シアターオーブ(渋谷区)
◆ 2019年3月開幕 KAAT神奈川芸術劇場<ホール>(横浜市)
※公演日程、発売日などの詳細は決定次第、当オフィシャルウェブサイトにてお知らせいたします。

(撮影:下坂敦俊、荒井 健)