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音楽の魅力

『アラジン』楽曲ができるまでの軌跡

ミュージカル『アラジン』の作曲は、世界的評価の高いアラン・メンケンが担当しています。
少年時代からクラシック音楽を学び、大学卒業後に舞台音楽の作曲家の道へ。1982年、作詞家ハワード・アッシュマンと共作したミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』で一躍脚光を浴び、若手有望株の一人として、キャリアを重ねてきたメンケン。その後の活躍は言うまでもないでしょう。「美女と野獣」「ポカホンタス」「ノートルダムの鐘」「ヘラクレス」「塔の上のラプンツェル」など数多くのディズニーアニメーションの作曲を手掛け、また舞台音楽の分野でも、多くのクリエイターたちと様々な作品制作に取り組んでいます。

さて「アラジン」の仕事に取り掛かったのは1988年、そのきっかけは、前述の『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の創作パートナーであるアッシュマンの企画発案からでした。メンケンはアッシュマンとともに、作品ストーリーの概要をまとめ、計6曲の「アラジン」用の楽曲を創作。現在、舞台でも用いられている「アリ王子のお通り」「フレンド・ライク・ミー」の名曲も、このとき既に出来上がっていたといいます。

制作体制が徐々に整い、ベースとなる脚本が仕上がったのは翌1989年。しかし、その時、二人は同時進行で、ディズニー長編アニメーション映画「リトル・マーメイド」の楽曲も創作していました。やがてこの映画は大ヒットし、彼らの曲の数々は、同年アカデミー賞作曲賞を受賞。中でも、海中世界の素晴らしさを謳った「アンダー・ザ・シー」は同主題歌賞、同年のゴールデングローブ賞作曲賞/主題歌賞を受賞するなど、高く評価を受けました。

その後、「アラジン」の制作が進む1991年、旗振り役であったアッシュマンは他界。映画の完成を待たず、40歳という短い生涯を閉じてしまいました。
彼の亡き後を継いだのは、『ジーザス・クライスト=スーパースター』『エビータ』で知られる作詞家ティム・ライス。ライスは、アッシュマンの創り上げた作品の調和を崩さぬよう、歌詞の微妙なフィーリングを研究し、さらに彼独自の色を加えていきました。主題歌となる「ホール・ニュー・ワールド」は、メンケンとライスの新しいコンビによって誕生しています。

こうして1992年、アッシュマンの構想を出発点にしながらも、全く新しい発想をもって制作された「アラジン」が公開され、全世界で爆発的なヒットを記録。アカデミー賞作曲賞、「ホール・ニュー・ワールド」により同主題歌賞、同年度ゴールデングローブ賞作曲賞と主題歌賞受賞等々、数多くの輝かしい栄誉も与えられ、映画史上にその名を残す大きな成功を収めることとなりました(メンケンは、前年1991年に、映画「美女と野獣」の楽曲を担当。この作品でもアカデミー賞作曲賞/主題歌賞を受賞している)。

なお今回の舞台化にあたっては、映画では使用されなかったメンケンとアッシュマンの未発表曲が3曲復活し、さらにメンケンと脚本担当チャド・ベグリンによる新曲4曲を追加。作品に新たな魅力を与えています。アラン・メンケンの多彩なメロディー、そして故ハワード・アッシュマンと、ティム・ライス、チャド・ベグリンらの心に沁みる言葉――彼らの才能と情熱は、ブロードウェイの地に、深い『アラジン』の感動をもたらしているのです。

高橋知伽江さんの描き出す、新しい『アラジン』の世界

ミュージカル『アラジン』を劇団四季が世界で二番目に上演するということで、もちろん「訳詞」も注目の的です。初めて英語以外で歌われる『アラジン』の音楽たちは、一体どんな世界を描き出すのでしょうか?

その大役を担うのが、大ヒットを記録したディズニー長編アニメーション映画「アナと雪の女王」で日本語訳詞を手掛けた高橋知伽江さんです。 高橋さんは東京外国語大学を卒業後、劇団四季に在籍し、『クレイジー・フォー・ユー』(和田誠氏と共同訳詞、日本語台詞)や『アスペクツ オブ ラブ』(訳詞協力)などの海外ミュージカルからオリジナルミュージカル『ジョン万次郎の夢』等の台本執筆まで、幅広く活躍しました。(当時は、本名の「高橋由美子」名義)
その後、新神戸オリエンタル劇場を経てフリーランスとなり、様々な演劇台本の執筆、翻訳、訳詞を手掛ける中で、数多くのディズニー作品にも携わってきました。
「魔法にかけられて」(2008年)、「プリンセスと魔法のキス」(2010年)、「塔の上のラプンツェル」(2011年)、「メリダとおそろしの森」(2012年)、そして2014年の「アナと雪の女王」。
ディズニー作品といえば、ファンタジックで魔法のような独特の世界が特徴ですが、英語から日本語へ翻訳する場合、言語の構造上、原詞の1/3程度の情報量しか含めることができないと言われています。ですから、「原詞のエッセンスを正確に掴み取り、その詞のイメージを大胆に日本語として再構築する」ことが、何より大切になります。
その意味で、高橋さんはディズニーの世界を日本語で表現する第一人者。 日本語訳詞はアニメーション映画でもお馴染みですが、今回は高橋さんが手掛けることで、新しい『アラジン』が誕生するはずです。あの名曲の数々や新曲たちが、どんな言葉で綴られるのか? 
ミュージカル『アラジン』では、高橋さんの訳詞によって、さらにディズニーらしさ満点の夢のような世界が広がることでしょう!

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