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『壁抜け男』の魅力 その1

『壁抜け男』とは?その魅力をご紹介

  • 芸術家の街・モンマルトル
  • 巨匠ミシェル・ルグランが奏でる名曲の数々
  • 劇団四季が待ち望んだ"歌う芝居"がここに
  • モンマルトルの一画に、パリ市民から愛されている一体の彫像があります。 壁を通り抜けようとして、そのまま壁の中に囚われてしまったような奇妙な姿の男。彼こそが、ミュージカル『壁抜け男』の主人公・デュティユルです。

    彫像がある広場は、原作者である国民的作家マルセル・エイメ(Marcel Ayme 1902-1967)が暮らしていたことから"マルセル・エイメ広場"と名づけられています。
    この地に"壁抜け男"デュティユルが閉じ込められていることを知った俳優・彫刻家のジャン・マレーは、顔はマルセル・エイメを、そして手は最愛の人であった偉大な芸術家ジャン・コクトーを模して、この彫像を作り上げたと言われています。

    このように『壁抜け男』を紐解けば、そこからはフランスの芸術家たちの息吹が溢れ出します。
    舞台は、若き日のピカソやモディリアーニ、ユトリロらが集った芸術の街・モンマルトル。
    パリの中でも、個性豊かで文化の薫り高いこの街の空気をそのままに感じることができる、そんな作品なのです。

  • 美しくも切ない『壁抜け男』の物語に、瑞々しい輝きと生命力を与えているのが、ミュージカル音楽の巨匠ミシェル・ルグランによる30曲以上にも及ぶ楽曲たちです。

    幼い頃から天才ピアニストの名をほしいままにしたルグランは、映画界に進出するとゴダールやジャック・ドゥミといったヌーヴェル・ヴァーグを代表する監督の作品に参加。カトリーヌ・ドヌーヴ主演のミュージカル映画『シェルブールの雨傘』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞するなど、現代フランスを代表する音楽家のひとりです。

    そのルグランが「上演の予定さえないのに作曲していた」というのが、この『壁抜け男』なのです。フランス最高の文学賞ゴンクール賞を受賞したディディエ・ヴァン・コーヴェレールの脚本、そのすべての台詞がルグランの変化に富んだ音符にのせられ、観客を心地よい作品世界へと誘います。それはまるで"音楽と言葉の結婚"!

    巨匠ルグランが紡いだ、生きる歓び溢れる音楽を、どうぞ心ゆくまでご堪能ください。

  • 頑固なまでにミュージカルを受け付けないと思われていたフランス人をも熱狂させ、異例となる1年2カ月のロングランを成功させたミュージカル『壁抜け男』。
    この作品を劇団四季が上演することは、偶然ではありません。むしろ"待ちに待った"と言ってもいいかもしれません。

    なぜなら、ミュージカルを日本へ根付かせてきた四季も、その出発点はアヌイ・ジロドゥというフランス演劇だからです。

    ファンタジックな歓びに満ちながらも、小粋で洗練された雰囲気に一抹のほろ苦さを漂わせる『壁抜け男』は、フランス演劇とミュージカルの醍醐味が交わる"歌う芝居"。
    ミュージカル・ストレートプレイ、その双方を磨き上げ、積み重ねてきた四季が目指す、ひとつの答えがここにあるのです。

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『壁抜け男』の魅力 その2

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