来月日本初演18周年を迎え、来年3月には札幌公演の開幕を控えるミュージカル『ライオンキング』。
物語冒頭、呪術師ラフィキが謳う「サークル・オブ・ライフ」とともに登場するサバンナの動物たちの中でもひときわ注目を浴びるのが、威風堂々と歩く巨大なゾウです。
札幌公演を控えた今回、このゾウに改良を加え、新しく製作することになりました。
これまでも定期的なメンテナンスは行ってきましたが、ゼロからの製作は、東京・大阪での初演以来初の試み。『オペラ座の怪人』大道具製作でも実績のある永幡工業株式会社と、『むかしむかしゾウがきた』に登場するゾウの九郎衛門を製作し、多くの特撮映画やテーマパークの美術担当にも携わっている有限会社ツエニーの協力を得て、製作に挑みます。
フレームに布を組み合わせたミニマムな構造が芸術的にも美しいゾウ。しかし、その重量は約60キロあり、大人4人がかりで操作しています。まず、終演後の舞台上で俳優とスタッフは実際にゾウを動かしながら議論を重ね、全体を軽量化させるという改良ポイントを共有。その後いよいよ製作がスタートしました。
11月下旬、四季の小道具スタッフは、東京・西多摩にあるツエニーの工場へ。フレームに部品や胴体部分の縫製生地が取り付けられ、装いも新たになったゾウが姿を現しました。
デザインは従来のものを踏襲しているため、パッと見では違いがわかりません。しかしその細部には、今回最大の目的である「軽量化」を実現するための工夫が隠されていました。
各パーツを繋ぐ部品ひとつひとつを軽量な素材に変更したり、強度を保ちながらも出来る限り無駄な部分を削ぎ落としたりするなど、至るところに光る職人技。操作の確認と重量の測定をしてみると、小道具スタッフは軽量化されたことを実感、製作に携わったメンバーから思わず安堵の声が漏れます。
他の改良点も打ち合わせ、仕上げに向けて最終の調整が行われることに。
デザインの芸術性を生かしながら、操作のしやすさを追究し、より良いパフォーマンスを目指す試みは、こうして今日も続いています。
新しくなったゾウは、四季劇場[春]の舞台に出演ののち、いよいよ来年札幌公演でお目見えします。ぜひ、劇場に会いにきてくださいね!
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