5月6日(日)、神奈川県・座間公演を皮切りにスタートするファミリーミュージカル『王様の耳はロバの耳』全国公演。横浜市あざみ野・四季芸術センターでは、その稽古が進んでいます。
劇作家・寺山修司が書き下ろしたこの作品。わがままな性格ゆえに耳をロバの耳にされてしまった王様と、その秘密を知ってしまい苦しむ床屋の物語です。軽快なテンポで運ばれるストーリーには、"本当のことを言う勇気"の大切さが描かれています。
若手の俳優から、長く劇団に携わるベテラン俳優まで揃うこのカンパニー。稽古は、呼吸法と開口発声の訓練から始まります。「セリフを届けるのは音量ではなく、言葉の分離。ひとつひとつの音がしっかり粒立つように話してください」と俳優たちにアドバイスを送るのは、本作の演出スーパーバイザーを務める荒木美保。発声を経て基本をしっかり確かめたあと、シーンごとに繰り返す"小返し"稽古が開始されました。
この日、重点的に行ったのは、1幕冒頭から床屋が王様のもとへ行き恐ろしい秘密を知ってしまうまでのシーン。「自分都合の間はなくしてください。そうすると必要な間が生きてきて、物語がわかりやすくなるから」「音量を出そうとするのではなく、自分の身体をしっかり支えてしゃべって」。どんな大きさの劇場でも物語をきちんと起して確実にお客様にお届けできるよう、ひとりひとりが真剣にアドバイスに耳を傾け、カンパニー一丸となった稽古が続きました。
わがままな王様と、真実を伝えるべきかどうか思い悩む床屋を待ち受ける結末とは?"本当のことを言う勇気"がもたらす心温まるラストを、ぜひお近くの劇場でご覧ください。