7月26日(土)に東京・自由劇場にて開幕するファミリーミュージカル『カモメに飛ぶことを教えた猫』東京公演。5月下旬、カンパニーが横浜・四季芸術センターの稽古場に会し、5年5ヵ月ぶりの再演に向けて本格的な稽古が始まりました。
チリの小説家、ルイス・セプルベダの同名児童小説を基に創作され、2019年4月に全国公演で初演を迎えた本作。ある日、息も絶え絶えの母カモメから卵を託された黒猫・ゾルバが、彼女と交わした3つの約束――「卵を食べないこと」「ヒナがかえるまで面倒をみること」「ヒナに飛ぶことを教えること」――を果たすために仲間とともに奮闘する姿を描きます。やがて生まれたカモメのヒナ・フォルトゥナ―タ、そして登場するキャラクターそれぞれが自身の殻を破り、成長していく姿は全国各地で温かな感動を呼びました。

作品をより深くお届けするために、一部の演出や振付、衣裳、舞台装置などのブラシュアップが行われる今回の公演。演出の山下純輝の声を合図に読み合わせ稽古がスタート。ゾルバをはじめとした猫たちと、フォルトゥナータの心の交流が、情感豊かな音楽とともに紡がれていきます。やがてクライマックスを迎えると、種族を超えた愛と勇気の物語が幕を下ろしました。
読み合わせ後、山下からブラッシュアップに込められた思いと演出の方向性が全体に示されると、俳優たちはその意図を理解しようと真剣に耳を傾けます。
「このメンバーなら必ずいい舞台ができるはずです。絶対にいいものを作りましょう」
山下の言葉を受け止めたカンパニーは、その後も場面ごとに台詞や歌詞の意味、発声などの確認、意見の交換を行い、それぞれが課題と向き合いました。
ついに、開幕に向けて飛び立つ準備を始めたカンパニー。作品に込められた祈りをお客様にお届けするべく、稽古を重ねていきます。『カモメに飛ぶことを教えた猫』東京公演は、8月29日(金)まで。
ゾルバとフォルトゥナータが、仲間たちとともに劇場で皆様をお待ちしています。