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【追悼】吉井澄雄さん(照明家・劇団四季創立メンバー)

劇団四季の創立メンバーの一人、吉井 澄雄(よしい すみお)が2025年7月2日、老衰により逝去いたしましたのでお知らせ申し上げます。享年92歳でした。葬儀につきましては親族のみで執り行い、後日、自由劇場にてお別れの会を実施させていただく予定です。詳細につきましては、決まり次第当ウェブサイトにてお知らせいたします。

吉井さんは1933年1月24日生まれ、東京都出身。1953年、東京学芸大学在学中に、浅利慶太、日下武史らとともに劇団四季の創立に参加。以来、演劇、オペラ、ミュージカル、舞踊と幅広い分野で、照明デザインの第一人者として活躍、手掛けた舞台の数は優に1500を超えます。四季での活動においても、創立第1回公演『アルデール又は聖女』を皮切りに、『間奏曲』『ひばり』『オンディーヌ』『はだかの王様』『夢から醒めた夢』など、多くの舞台を担当。64年からは日生劇場と二期会を中心に、モーツァルトとワーグナーのほとんど全作品を担当し、日本のオペラ照明の技法を確立しました。
また、70年より97年の新国立劇場開場まで、舞台設備全般の計画、設計に関与し、浅利慶太をはじめ、市川猿之助、蜷川幸雄、鈴木敬介、石井ふく子の諸氏他、日本を代表する多くの演出家による作品の照明も担当。85年ミラノ・スカラ座『蝶々夫人』(浅利慶太演出)、パリ・オペラ座『サンドリョン』、ミュンヘン・バイエルン国立歌劇場『影のない女』など海外での仕事も多く、92年にはローレンス・オリビエ賞「ライティングデザイナー・オブ・ザ・イヤー」にノミネート。芸術選奨文部大臣賞、東京都民文化栄誉章、紫綬褒章、読売演劇大賞芸術栄誉賞など、多くの賞を受賞され、日本照明家協会名誉会長を務められています。

劇作家や演出家にくらべ、スポットライトがあたる機会の少ない照明家という仕事。しかし、〈光〉と〈時間〉を自由に操作できる存在として、実は舞台芸術において非常に重要な役割を担っていることを後世に示し、照明家の第一人者としてその分野を目指すひとたちの道筋を照らした吉井さん。創立メンバーのおひとりとして四季の活動をいつも見守ってくださいました。劇団員一同、心より感謝と哀悼の意を表し、安らかなお眠りをお祈り申し上げます。

吉井澄雄さん 主な作品

『アルデール又は聖女』(1954)
『間奏曲』(1954)
『ひかりごけ』(1955)
『ひばり』(1957)
『オンディーヌ』(1958)
『はだかの王様』(1964)
『ウェストサイド物語』(1974)
『夢から醒めた夢』(1987)
『思い出を売る男』(1992)
『鹿鳴館』(2006)

(撮影:山之上雅信、上原タカシ)

『ひかりごけ』

『ひかりごけ』

『オンディーヌ』

『オンディーヌ』

『思い出を売る男』

『思い出を売る男』

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