全国各地の子どもたちに演劇の感動を届けたいという想いが込められた「こころの劇場」(※)。
2024年9月から日本全国を巡演し、今年8月に千秋楽を迎えたファミリーミュージカル『ふたりのロッテ』より、8月下旬に訪れた「こころの劇場」ツアー最北端の地、北海道・利尻島での公演の様子をレポートします。
8月19日(火)、『ふたりのロッテ』カンパニーはフェリーで稚内を出発し、利尻島に到着。利尻島の鴛泊(おしどまり)港では、利尻町役場の皆様が横断幕を掲げて迎え入れてくださいました。俳優たちも船上から手を振って歓迎に応えます。船を降りた後は、フェリーをバックに記念撮影。温かな交流のひと時となりました。
20日(水)には、カンパニーを代表して俳優の田原真綾、田原沙綾、岸佳宏の3人が利尻富士町・田村祥三町長、吉田秀昭教育長と、利尻町・上遠野浩志町長、澤谷敬副町長、宮道信之教育長を訪問。利尻富士町・利尻町の自然や特産物のお話などで盛り上がり、なごやかな表敬訪問となりました。
翌日21日(木)、会場の「利尻町交流促進施設どんと」では朝から舞台仕込みが始まりました。そして夕方からは俳優によるリハーサルを実施。利尻町役場の皆様も、客席の椅子を設置したり、受付を設営したりしてくださり、子どもたちを迎える準備は万端です。
そして公演当日の22日(金)。利尻町、利尻富士町から、小学校1年生から高校3年生までの児童・生徒たちが来場。
開場中は、利尻町での初上演となる『ふたりのロッテ』がどんな作品なのか楽しみな様子でリーフレットを読んで待つ姿が見られました。
幕が開くと、息を呑むように舞台を見つめ、作品の世界に惹(ひ)きこまれている様子で観劇。ロッテとルイーゼと一緒に心を動かし、物語の幸せな結末を見届けると大きな拍手が会場に響き渡りました。終演後には「劇団四季に入りたい」とお手紙を用意してくれた児童や、ロビーでのお見送りをする俳優に「楽しかったです!」と感想を伝えてくれた児童も。毎年の公演を楽しみにしてくれている熱い思いも感じられました。
これからもご支援してくださる皆様と手を携えながら、全国各地の子どもたちに観劇の輪を広げてまいります。
(※)「こころの劇場」について
子どもたちの心に、「生命の大切さ」「人を思いやる心」「信じあう喜び」など生きていくうえで大切なことを、舞台を通じて語り掛けたい――。そうした願いを込めて、一般財団法人舞台芸術センターと劇団四季が主催する「こころの劇場」は、日本全国の子どもたちを劇場に無料招待。「北は北海道・利尻から南は沖縄県・石垣島まで」を合言葉に、今年は『ふたりのロッテ』『王子と少年』『カモメに飛ぶことを教えた猫』の3作品を全国各地で上演し、合計約50万人の児童を招待する予定です。
日本最北端の離島・利尻島での初公演は、2004年の『桃次郎の冒険』。劇団四季の舞台を島の子どもたちに見せたいという当時の利尻町長の強い思いから実現し、以来地元のたくさんの方々と協力しながら公演を重ね、2008年からは「こころの劇場」として上演。今年の『ふたりのロッテ』が17回目の公演となりました。