浅利鶴雄(三田英児)と田中絹代が、新郎新婦の正装でチンとおさまる写真がある。「主婦之友」の1928年(昭和3年)新年号でモデルになったものだ。いわく現代的結婚式の仕方。同じ年の3月には「婦人倶楽部(くらぶ)」の理想の婦人アンケートに「勝(すぐ)れた魂を持つてゐて、奥床(おくゆか)しい情火(じょうび)を静かに胸にたゝへてゐるやうな人」と答えている。鶴雄がスターとして珍重されていたことがしのばれる。
大正は婦人雑誌が次々生まれ、しのぎを削る時代だった。「主婦之友」は1917年(大正6年)、「婦人倶楽部」はその3年後に創刊された。昭和のはじめごろ、女性誌が新時代の活動写真(映画)の人気をあてこむのは自然の成り行きだった。