7月26日(土)に自由劇場で開幕を迎えるファミリーミュージカル『カモメに飛ぶことを教えた猫』東京公演。7月上旬、劇団四季の本拠地・四季芸術センター(横浜市あざみ野)の稽古場では連日通し稽古が行われ、最終調整に入りました。約5年半ぶりの上演となった今回の公演では、作品をより深くお届けするために、一部の演出や振付、衣裳、舞台装置などのブラッシュアップが行われました。
舞台衣裳やヘアー・メイクを身につけ、舞台セットの一部も使用して実施されたある日の通し稽古。ほどよい緊張感に包まれるなか、俳優たちは声を掛け合ってダンスの確認をしたり発声をしたり、入念な準備で集中力を高めます。
通し稽古は劇団関係者に向けて公開。見学者たちの期待のまなざしが出演者たちに一身に注がれるなか、稽古がはじまりました。
波の音とカモメの鳴き声が響きわたると、稽古場は一気にドイツ・ハンブルクの港町へ――。
物語は、黒猫のゾルバがひん死の母カモメと出会い、卵を託されることから動き始めます。「卵を食べない」「ヒナを育てる」「飛ぶことを教える」――3つの約束を守るため、仲間と力を合わせるゾルバ。苦労の末、誕生したヒナはフォルトゥナータと名付けられますが、自分を猫だと思い込み飛ぼうとしません。そして、冬が迫ろうとしていた季節、ハンブルクから飛び立たなければフォルトゥナータの命に関わると知ったゾルバは......。
見守る俳優やスタッフたちは、コミカルな掛け合いには笑顔をこぼし、一歩踏み出し成長しようとするゾルバとフォルトゥナータの姿を、真剣な表情で見つめます。最後には、稽古を見守った劇団員たちからの温かい拍手が稽古場に響き渡りました。
「いい集中力でした。思い切り出来たんじゃないかと思います」
通し稽古の後、演出を務める山下純輝はそう伝えた上で、さらなる高みを目指し、新たな課題や良かった点を一つひとつ伝えていきます。これまで積み上げてきた稽古の中で、ゾルバたちのように、成長してきた俳優たち。完成度を一層高めるべく、カンパニー一丸となって作品を磨き上げる作業が続きました。
このあとカンパニーはいよいよ自由劇場へ。舞台稽古に臨みます。
東京公演は8月29日(金)までの期間限定。本公演は、小学生以下のお子さまを対象にした、子ども料金設定があります。
夏休みの思い出に、勇気を持って一歩前にふみ出すことの大切さを教えてくれる心温まる物語を、ぜひご家族でお楽しみください!