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コラム

『カモメに飛ぶことを教えた猫』東京公演の稽古が進んでいます

7月26日(土)、東京・自由劇場で幕をあけるファミリーミュージカル『カモメに飛ぶことを教えた猫』東京公演。
6月下旬、稽古は動線や振付を確認するステージングを経て、シーンを区切って繰り返し行う小返し稽古の段階に入りました。

この日は1幕冒頭から、キャラクターたちの心情とそれによる行動がどのように繋がっているのかなど、一つひとつ掘り下げる作業が進められました。
原作は、チリの小説家、ルイス・セプルベダの同名児童小説。ひん死の母カモメから卵を託された猫のゾルバが、彼女と交わした3つの約束を果たすため、仲間と力を合わせて奮闘する姿が描かれます。

稽古は物語の冒頭、カモメの群れが海の上を飛んでいる様子をダンスで表現したナンバーから。振付を手がける萩原隆匡は、一つひとつの動きに込められた意味やニュアンスを丁寧に解説。「気持ちをひとつに、音をよく聞いて」とアドバイスを送り、鏡を見ながら確認をする場面も。動きの余韻を大切にした繊細な表現から、力強さを感じさせるダイナミックな動作まで、緩急をつけた振付が物語に生命を宿していきます。

続いて、猫のゾルバがひん死の母カモメから卵とともに3つの約束を託される場面。「卵を食べないこと」「ヒナがかえるまで面倒をみること」「ヒナに飛ぶことを教えること」――ゾルバはとまどいながらも、幼い頃、自分を助けて命を落とした母の姿を重ね、その願いを受け止めて約束を果たそうと決意を固めます。
「猫がカモメに飛ぶことを教えるなんて無茶だ」と仲間たちがゾルバに向かって口を揃えるシーンでは、演出の山下純輝が、ゾルバが抱える想いを説明します。
「ゾルバは、自分の母親を助けることが出来なかった過去を背負いながら、母カモメとの約束を交わした。ゾルバにとって、約束を果たすことは自分の過去と向き合うことであり、自分の生き方に関わること。絶対にやらなければならないという強い意志を持って」
この作品の核となる大切なシーンをより深く届けられるよう、その後も繰り返し稽古が重ねられました。

『カモメに飛ぶことを教えた猫』東京公演は8月29日(金)までの期間限定。
勇気を持って一歩前にふみ出すことの大切さを教えてくれる心温まる物語。この夏休み、ぜひご家族みんなでお楽しみください!

撮影:上原タカシ、樋口隆宏

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