6月6日(土)に東京・自由劇場にて幕を開け、その後8月からは全国公演が始まるミュージカル『コーラスライン』。東京公演の開幕に向けた稽古は、台本の読み合わせ、ステージングを経て、4月下旬にはいくつかのシーンを区切って繰り返す「小返し稽古」の段階へと進みました。
『コーラスライン』の舞台は、とある新作ミュージカルのコーラスダンサーを選ぶオーディション会場。最終選考に残った17人に、演出家のザックが問いかけます。
「履歴書に書いてないことを話してもらおう。君たちがどんな人間なのか」
戸惑いながらも、それぞれの人生を語り始めた参加者からは、悩みや不安、夢、希望が赤裸々に語られ、舞台に立つことに情熱を注いできたダンサーたちの人生が、圧巻のダンスと耳に残る名曲たちで紡がれていきます。
この日稽古が行われたのは、物語冒頭――。ダンスの振付を伝えるザックと、その振付を必死で身体に入れ込もうとするオーディション参加者たち。緊張感が高まったところで「ファイブ、シックス、セブン、エイト!」とザックの掛け声が響き、総勢26名が一斉に同じダンスを勢いよく踊る、情熱ほとばしる場面が繰り広げられます。
レジデント・ディレクターの西尾健治からは「予定調和にならず、"一つでも振りを逃したらこのオーディションに落ちる"という気持ちで」「一つひとつの動きに人生を懸けて」と熱い言葉が投げかけられます。同じくレジデント・ディレクターを務める羽鳥三実広からは、コーラスの職を求めるダンサーたちが歌う「この仕事が どうか とれますように」というフレーズに、「もっと切なる願いや祈りを込めるように」との指示が。「メロディーには乗せず一度台詞として喋しゃべってみよう」というアドバイスを受け、それぞれが改めて台詞と向き合ったのち再び音楽と合わせると、その声にはオーディション合格に懸ける登場人物たちの実感が宿ります。台詞ひとつ、動きひとつに情熱が映し出され、稽古場は実際のオーディション会場さながらの熱気であふれました。
俳優たちにアドバイスを送るレジデント・ディレクターの羽鳥三実広(左)と西尾健治(右写真の中央)
劇団四季が1979年から大切に上演を続けてきたミュージカル『コーラスライン』。1本の白いラインの上で、等身大の人間ドラマが色鮮やかに浮かび上がるよう、カンパニーは開幕まで稽古や準備を重ねていきます。
『コーラスライン』東京公演は6月6日(土)から7月12日(日)までの期間限定公演。また東京に続いて、8月1日(土)からは全国ツアー公演が始まります。
いつの時代も観る者の心を揺さぶる物語に、どうぞご期待ください。
(撮影:荒井 健、上原タカシ)

