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コラム

『ゴースト&レディ』大阪公演の稽古が進んでいます

12月7日(日)に開幕するミュージカル『ゴースト&レディ』大阪公演(大阪四季劇場)。横浜市の四季芸術センターでは、開幕に向けた稽古が進んでいます。
11月上旬から始まった稽古は、台本と向き合う「読み合わせ」、ダンスシーンの振付や芝居の動線を確認する「ステージング」、シーンごとに区切って深めていく「小返し」稽古を経て、この日初めて全幕を通す「通し稽古」に。稽古用の舞台セットが組まれた稽古場で、19世紀・ロンドンを舞台としたナイチンゲールと劇場のゴーストの不思議な絆の物語が紡がれます。

ドルーリー・レーン劇場に棲(す)むシアター・ゴーストのグレイは、芝居をこよなく愛する元決闘代理人。そのグレイのもとをひとりの令嬢・フロー(フローレンス・ナイチンゲール)が訪ね、「私を殺して」と嘆願します。強い信念で看護の道を志すも、家族の反対に抗えず、生きる意味を見失いかけていたフロー。最初は拒んだグレイでしたが、彼女が絶望の底に落ちたときに殺す、という条件でその願いを引き受けます。
死を覚悟したことで信念を貫く決意をしたフローは、グレイとともにスクタリ陸軍野戦病院へ。劣悪な環境、そして軍医たちとの対立にも挫けず、傷病兵への献身的な看護や病院改革に奔走するフローと、彼女にとりつくグレイの間には、次第に不思議な絆が芽生え......。

通し稽古を真剣な眼差しで見つめるのは、演出補を務める山下純輝、振付補を務める加藤久美子、レジデント・ディレクターの玉城任、そして音楽部のスタッフら。皆「全体的に良かったです」と口をそろえながらも、それぞれの観点からさらなる改善点を伝えていきます。山下は、第2幕でフローが病床の傷病兵を見回る「ランプを持ったレディ」のシーンについて言及。助かる見込みの無い傷病兵を看護するフローと、自らの死の迎え方すら選べない過酷な状況にある兵士たち、双方の心情に触れ、「ベッドから起き上がることもできない傷病兵たちが、それでも身を起こし、フローに何かを伝えようとする......それがどういう意味なのかを、もっと深掘りすることができそうです」と伝えます。こうして、時代背景やそこに生きた人々へ思いを馳せ、一人ひとりが真摯に作品に取り組む時間が続きました。

関西初となる大阪公演は12月7日(日)から2026年5月17日(日)までの期間限定。
2026年4月以降の公演チケットは、12月14日(日)より「四季の会」会員先行予約が始まります(一般発売は12月21日(日)より)。
信念を貫くナイチンゲールと劇場のゴースト。孤独な過去を持つふたりが互いに人生を照らし合っていく軌跡の物語を、ぜひ大阪でご堪能ください。

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